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第三章 関東大一揆、洛外編
第87話 初登場! GGスタリオン
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12月14日 9:00— GSDファシリティstella
小松部長の指示で宝生町子が明日15日のテロに関する情報の整理とGSDの方針についてシーカーに報告する。
「10:11、12:14、19:09にどこかで爆破テロが起こるとのことですが、本部で会議を重ねた結果、合同チームを編成するのではなく、機動課と探索課で別エリアの防衛を担当することになりました」
全員が納得しているようだ。やはり、勝手知らない隊員が入るとチーム戦力が落ちるリスクも出てくる。賢明な判断だ。
「機動課は海沿いエリア全般に対応できるように、静岡県の富士市へ第五班から第十班を配置。山梨の甲府、静岡市、伊豆半島、箱根などのエリアへ対応できるように班分けするとのことでした」
『第五班って太地がぶっ飛ばしたあいつらか。余裕でダメだろうな』
「う、うん。勝てないね」
「探索課は群馬県高崎市、栃木県小山市の二箇所に部隊を分けて配置するように指示が出ています。茨城県も含めて北関東区域はこの二部隊でなんとかしろということですね」
シーカー全員が軽く頷く。おそらく妥当な配置だろう。そして小松部長が補足で説明する。
「機動課は前回の那須町の失態を引きずっていてな。獅子王のおっさんが、海側配置を希望してきた。理由は10:11に起こるであろうNFNFの最初の襲撃は海沿いなんじゃねぇかって本部が予想しているからだ。敵の初手を完璧に制圧して汚名返上したいんだとよ」
「確かに最初に海沿いだとヤマをはることは間違ってはいないと思いますけどね……」
会議に参加していた高杉だが、どこか乗り気ではない表情だ。
『小松のおっちゃん、どこに配置するかは別にして、機動課のみで構成された部隊なんて今回余裕で全滅するぜ。それを分かった上でこの配置案に了承したんだよな?』
月人がストレートに指摘する。要するに機動課は人数は多いが弱い、ということだ。小松部長もため息をつきながら返答する。
「あぁ、もちろんだ。俺も言ったぜ。実際に那須町役場の襲撃地にいた高杉もちゃんと獅子王のおっさんに伝えたんだがな……」
『まぁ、それなら俺は特に文句も反論もないぜ』
「「「……」」」
いきなり重い空気になるが、小松部長が先へ進める。今は時間がないのだ。探索課はできることをやるしかない。
「権田支部から一つ提案ですわ」
「お⁈ なんだ御令嬢。言ってみてくれ」
「高杉さんのような立派なものではありませんが、探索課用に志の輔さんが改良してくれた移動用ヘリを一機、今回の戦いに使用できますわ。戦地が二箇所でしたら、どちらか一箇所はご利用いただいて構わないのですわ。操縦士は権田財閥より手配致しますわ」
全員が喜ぶ。これは貴重な戦力だ。
「権田さん、助かるよ! ありがとう。僕は最近タクシー扱いだったからさぁ~」
特に高杉が喜んでいる。
その後、小松部長は各シーカーの意見も聞きつつ、部隊編成する。
「高崎市へは太地、月人、権田御令嬢、天月それから六太で行くぞ。小山市へは高杉、片瀬、トンボで対応してもらう。あと、これは俺からの絶対命令だが、ご令嬢は無理をするな。基本的に同行は許可するが、戦闘への参加はできる限り避けろ。あくまで部隊の補助として動くように!」
「了解ですわ!」
「月人と太地! 御令嬢を死んでも守れよ。何かあったらGSDが財閥に潰されるからな! 部長からの絶対命令だ」
『おう、わかってるから安心しろって。ただ、お嬢はそんなに弱くねえぞ』
「だとしても、実戦は初めてだろうが。しかも赤鬼が来るってんなら尚更だ。油断するなよ!」
「わかりました」
そして、小松部長は六太の方を向く。
「六太、いつもと同じ指令だが、今回はいつも以上に頼むぞ。天月をしっかり守れ」
『ヒゲ部長、オイラに任せとけって。千鶴には指六本触れさせねえよ』
「……お、おう。頼んだぞ。それから回復薬はできているか?」
六太がニヤリと笑って太地のデスクに積まれた段ボールの山を指差す。
『せっせと夜鍋して66本回復薬作ったぜ。あと千鶴用に目薬1本追加で』
「そいつぁすげーな! お手柄だ! よし、各自必要分を持っておけよ」
「「むっちゃん、ありがとう」」
片奈と千鶴が六太を撫でる。格好つけているが、尻尾は爆回りしている。どうやら満更でもなさそうだ。
「六太さんが時々古風な言い回しになるのはなぜですわ?」
「僕にもわかりません。あいつのブームかもしれませんね」
苦笑いする太地。
「高杉の方は三人だが、大丈夫か?」
小松部長が確認する。
「まぁ、太地君には月人とむっちゃんがセットだから仕方ないですね。これでいいと思いますけど。片瀬さんとトンボはどう?」
「問題ないわ!」
「俺も大丈夫っス!」
「よし! それじゃぁ、今から準備してそれぞれの配置場所へ向かってくれ。諸君の健闘を祈る!」
解散後、太地たちは一旦権田支部へ向かった。
* * *
12月14日 11:00— 権田邸中庭
成美の先導で太地たちは権田家の中庭へ来ていた。そして目の前にある巨大な軍用ヘリを見て驚愕していた。
「へ、ヘリってこれのことだったんですか! すげー!」
『これ、もしかして米軍最大規模のヘリ、CH53Eスーパースタリオンじゃねえのか? なんでこんなもんが個人邸の中庭に着陸してんだよ』
『やっとオイラの身の丈に合った乗り物が出てきたな。気に入ったぜ』
六太が指揮官用迷彩服に軍用帽、サングラスをかけてコーンパイプをくわえながら、空を見上げてほざいている。コーンパイプからは『ポ』の字型の煙が出ている。無駄にディテールにこだわっている。
「むっちゃん、可愛い」
「GONDA GSD スタリオン、略して『GGスタリオン』ですわ!」
嬉しそうにドヤ顔で話す成美。
「 みなさんに気に入ってもらえるように機内には幾つか工夫がありまして」
練馬志の輔がサラッと出てきて、機内へ案内する。
シーカーだけでなく、権田支部臨時ローダー30名の待機スペースもあった。そことは別に設けたシーカー用の待機室には巨大モニターに日本地図が映っている。簡易ベッドや医療室など、指摘する箇所が見つからない。
「皆さんには今から権田支部で準備を整えていただいた後、すぐにGGスタリオンに乗って頂きますわ。そして、高崎市に着陸することなく、周辺都市を迂回するのですわ」
太地と六太が喜んでいる。千鶴は特にリアクションがない。
『なるほど。千鶴の【見透かされた世界】で飛行している真下の地域を探るってことか』
「その通りですわ月人さん。天月さんのスキルは距離の問題さえなければ事前に敵の居場所を察知することも可能ですわ。それなら空から当たりをつけた地域を飛びまわって、偵察するのはかなり有効ですわ。勿論、天月さんに無理がない程度にですわ」
絶対に今回は爆破させないという成美の意思表示だ。それに強い理解を示す太地たち。
「権田さん、その作戦やりましょう! 私も頑張ります」
この時の千鶴の表情を太地は横から見ていたが、今までのNFNFとの戦いでは感じられなかった強い決意のようなものを千鶴から感じられたように思えた。
小松部長の指示で宝生町子が明日15日のテロに関する情報の整理とGSDの方針についてシーカーに報告する。
「10:11、12:14、19:09にどこかで爆破テロが起こるとのことですが、本部で会議を重ねた結果、合同チームを編成するのではなく、機動課と探索課で別エリアの防衛を担当することになりました」
全員が納得しているようだ。やはり、勝手知らない隊員が入るとチーム戦力が落ちるリスクも出てくる。賢明な判断だ。
「機動課は海沿いエリア全般に対応できるように、静岡県の富士市へ第五班から第十班を配置。山梨の甲府、静岡市、伊豆半島、箱根などのエリアへ対応できるように班分けするとのことでした」
『第五班って太地がぶっ飛ばしたあいつらか。余裕でダメだろうな』
「う、うん。勝てないね」
「探索課は群馬県高崎市、栃木県小山市の二箇所に部隊を分けて配置するように指示が出ています。茨城県も含めて北関東区域はこの二部隊でなんとかしろということですね」
シーカー全員が軽く頷く。おそらく妥当な配置だろう。そして小松部長が補足で説明する。
「機動課は前回の那須町の失態を引きずっていてな。獅子王のおっさんが、海側配置を希望してきた。理由は10:11に起こるであろうNFNFの最初の襲撃は海沿いなんじゃねぇかって本部が予想しているからだ。敵の初手を完璧に制圧して汚名返上したいんだとよ」
「確かに最初に海沿いだとヤマをはることは間違ってはいないと思いますけどね……」
会議に参加していた高杉だが、どこか乗り気ではない表情だ。
『小松のおっちゃん、どこに配置するかは別にして、機動課のみで構成された部隊なんて今回余裕で全滅するぜ。それを分かった上でこの配置案に了承したんだよな?』
月人がストレートに指摘する。要するに機動課は人数は多いが弱い、ということだ。小松部長もため息をつきながら返答する。
「あぁ、もちろんだ。俺も言ったぜ。実際に那須町役場の襲撃地にいた高杉もちゃんと獅子王のおっさんに伝えたんだがな……」
『まぁ、それなら俺は特に文句も反論もないぜ』
「「「……」」」
いきなり重い空気になるが、小松部長が先へ進める。今は時間がないのだ。探索課はできることをやるしかない。
「権田支部から一つ提案ですわ」
「お⁈ なんだ御令嬢。言ってみてくれ」
「高杉さんのような立派なものではありませんが、探索課用に志の輔さんが改良してくれた移動用ヘリを一機、今回の戦いに使用できますわ。戦地が二箇所でしたら、どちらか一箇所はご利用いただいて構わないのですわ。操縦士は権田財閥より手配致しますわ」
全員が喜ぶ。これは貴重な戦力だ。
「権田さん、助かるよ! ありがとう。僕は最近タクシー扱いだったからさぁ~」
特に高杉が喜んでいる。
その後、小松部長は各シーカーの意見も聞きつつ、部隊編成する。
「高崎市へは太地、月人、権田御令嬢、天月それから六太で行くぞ。小山市へは高杉、片瀬、トンボで対応してもらう。あと、これは俺からの絶対命令だが、ご令嬢は無理をするな。基本的に同行は許可するが、戦闘への参加はできる限り避けろ。あくまで部隊の補助として動くように!」
「了解ですわ!」
「月人と太地! 御令嬢を死んでも守れよ。何かあったらGSDが財閥に潰されるからな! 部長からの絶対命令だ」
『おう、わかってるから安心しろって。ただ、お嬢はそんなに弱くねえぞ』
「だとしても、実戦は初めてだろうが。しかも赤鬼が来るってんなら尚更だ。油断するなよ!」
「わかりました」
そして、小松部長は六太の方を向く。
「六太、いつもと同じ指令だが、今回はいつも以上に頼むぞ。天月をしっかり守れ」
『ヒゲ部長、オイラに任せとけって。千鶴には指六本触れさせねえよ』
「……お、おう。頼んだぞ。それから回復薬はできているか?」
六太がニヤリと笑って太地のデスクに積まれた段ボールの山を指差す。
『せっせと夜鍋して66本回復薬作ったぜ。あと千鶴用に目薬1本追加で』
「そいつぁすげーな! お手柄だ! よし、各自必要分を持っておけよ」
「「むっちゃん、ありがとう」」
片奈と千鶴が六太を撫でる。格好つけているが、尻尾は爆回りしている。どうやら満更でもなさそうだ。
「六太さんが時々古風な言い回しになるのはなぜですわ?」
「僕にもわかりません。あいつのブームかもしれませんね」
苦笑いする太地。
「高杉の方は三人だが、大丈夫か?」
小松部長が確認する。
「まぁ、太地君には月人とむっちゃんがセットだから仕方ないですね。これでいいと思いますけど。片瀬さんとトンボはどう?」
「問題ないわ!」
「俺も大丈夫っス!」
「よし! それじゃぁ、今から準備してそれぞれの配置場所へ向かってくれ。諸君の健闘を祈る!」
解散後、太地たちは一旦権田支部へ向かった。
* * *
12月14日 11:00— 権田邸中庭
成美の先導で太地たちは権田家の中庭へ来ていた。そして目の前にある巨大な軍用ヘリを見て驚愕していた。
「へ、ヘリってこれのことだったんですか! すげー!」
『これ、もしかして米軍最大規模のヘリ、CH53Eスーパースタリオンじゃねえのか? なんでこんなもんが個人邸の中庭に着陸してんだよ』
『やっとオイラの身の丈に合った乗り物が出てきたな。気に入ったぜ』
六太が指揮官用迷彩服に軍用帽、サングラスをかけてコーンパイプをくわえながら、空を見上げてほざいている。コーンパイプからは『ポ』の字型の煙が出ている。無駄にディテールにこだわっている。
「むっちゃん、可愛い」
「GONDA GSD スタリオン、略して『GGスタリオン』ですわ!」
嬉しそうにドヤ顔で話す成美。
「 みなさんに気に入ってもらえるように機内には幾つか工夫がありまして」
練馬志の輔がサラッと出てきて、機内へ案内する。
シーカーだけでなく、権田支部臨時ローダー30名の待機スペースもあった。そことは別に設けたシーカー用の待機室には巨大モニターに日本地図が映っている。簡易ベッドや医療室など、指摘する箇所が見つからない。
「皆さんには今から権田支部で準備を整えていただいた後、すぐにGGスタリオンに乗って頂きますわ。そして、高崎市に着陸することなく、周辺都市を迂回するのですわ」
太地と六太が喜んでいる。千鶴は特にリアクションがない。
『なるほど。千鶴の【見透かされた世界】で飛行している真下の地域を探るってことか』
「その通りですわ月人さん。天月さんのスキルは距離の問題さえなければ事前に敵の居場所を察知することも可能ですわ。それなら空から当たりをつけた地域を飛びまわって、偵察するのはかなり有効ですわ。勿論、天月さんに無理がない程度にですわ」
絶対に今回は爆破させないという成美の意思表示だ。それに強い理解を示す太地たち。
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