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第三章 関東大一揆、洛外編
第95話 機動課の覚悟
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月人と成美は太地の推理がNFNFの犯行予告文を完全に解き明かしたと判断し、小松部長へ連絡を入れた。
喜びの奇声が5秒ほど聞こえた後、部長命令で太地と月人はすぐにGSD本部へ向かうことになった。
「そういえば天月さんは今日権田支部にも来ていないけど何かあったの? むっちゃん何か知ってる?」
『おう、千鶴は自主練だってよ。支部のトレーニングルームにずっといるぜ』
「ワタクシも今からトレーニングルームに向かいますわ。天月さんとの連携をもう少し高めておきたくて」
『それでよ、オイラも権田支部に残ろうと思うんだ。今の太地ならオイラをロードしたままGSD本部程度までの距離離れても全く支障ないはずだからな』
「そうなんだ。確かに月人をロードするのとは違って、むっちゃんのロードは何か自由度が高い気がするなぁ」
『まぁ、ポメ公がそう言ってんだから大丈夫だろ。俺たちはおっちゃんのところに行こうぜ』
太地たちはGGラインに乗ってGSDへ向かった。
* * *
12月16日 16:30— GSD探索課
「太地! 月人! でかした!」
執務室の扉を開けた瞬間、労いの言葉が飛んできた。珍しく小松部長がハイテンションで喜んでいる。
「100%とは言えないかもですが……かなりいいところをついているとは思います。後ほど更に詰めていこうかと」
「俺も正直まだ理解してねぇから、今から不破のババアのところで説明してくれ!」
そしてそのままGSD司令室へ直行した。
太地たちにとっては二度目のファシリティ terraへの訪問だ。到着して建物内へ入った瞬間、やはり感じた空気の重さ。
(苦手だわ……)
前回と同じで小松部長に連れられて会議室に入る。そして前回と同じメンツがすでに座って太地たちを待っていた。
「おう六条! 元気にしてたか! 予告文の解読ができたってのは本当か⁈」
獅子王部長は相変わらず元気で意外だった。部隊も半数になって、意気消沈しているかと思っていたが、どうやら違ったようだ。とりあえず、笑顔で会釈する。
「六条君、早速で申し訳ないけれど、こちらの地図を使って説明してもらえるかしら?」
不破総司令が早速本題に入る。太地としてもありがたいことだ。
「わかりました。それではこれまでの経緯と共に説明していきます––」
太地はできるだけわかりやすく説明した。座って見ていた月人は不破総司令や他の部長の表情の変化もしっかりチェックしていた。そしてニヤリと笑っている。
「素晴らしいわ……考察に矛盾がない。正直ここまで説得力のある内容とは思っていなかったわ」
不破総司令が唸る。周りの部長も同様のリアクションだ。
「今回、NFNFの赤鬼部隊が仮に各襲撃予定地に部隊を均等に送り込んでくるとしたら二番隊から八番隊の7つの隊となります。中途半端に赤鬼一番隊が残ってしまいますよね。僕はそうはならないと考えています。」
太地が予想される展開を話し始める。
「つまり、六条君は今回の爆破テロで、赤鬼部隊が一番隊も含めて全て出てくると考えているわけですね? 理由を説明してください」
「はい。ここまでの宍土将臣の言動や犯行予告の文面からプロファイリングして見えてくる彼の人物像、そこから判断するに『ストーリーを美しく整えてくる』と想定できるからです」
「ストーリーを美しく……もう少し説明してもらえますか?」
「おそらくこの関東大一揆は綿密に計画されたテロです。
第一の円の襲撃は言わば【ルール開示】、第二、第三の円は【洛外エリア】、今回起こる第四の円が【御土居エリア】、そして更にその先に起こり得る第五の円以降が【洛中エリア】。
少なくてもこの4つの区域に分けることができます」
「あぁ、なるほど。ルール開示と洛外エリアで白鬼部隊、御土居エリアで赤鬼部隊、洛中エリアで黒鬼部隊が出てくるということですね」
貴船部長の言葉に、はいと返答する太地。
「さらに河津町でNFNFローダーがいなくて爆破だけだったことを考えると、今回の七箇所の襲撃地においても赤鬼部隊が配置されずに爆破だけという箇所が幾つか含まれることも十分に可能性があると思います。つまり、二部隊ずつ配置して残りは爆弾設置のみとか……」
「なるほどの~。ワシら機動課がスカされた時と同じ状況が起こるということだな。勘弁してほしいわい」
獅子王部長が河津町のことを思い出して話す。
「まずはこの六条君の推理に沿って対策を立てるべきでしょう。反論はありますか?」
「……」
不破総司令の言葉に誰も挙手しない。反論はないようだ。
「小松! わしら機動課が最初の三箇所の防衛任務を引き受けるぞ。文句無いわな?」
「え⁈ 甲府市までってことですか? 赤鬼部隊結構強いですけど大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃ。安心せい」
『……獅子王のおっちゃん。俺は太地のアイドルの月人だ。ハッキリ言って機動課全滅するぞ。それでもいいのか?』
月人は獅子王部長のことを割と気に入っているようだ。直球すぎる言い方だが、機動課が全滅することを避けたがっている。太地もそこは同じ気持ちだ。
「大丈夫だ。お前らが吹っ飛ばした連中は機動課の中でも群を抜いて弱いやつらだ。他はそこそこ強いわい」
獅子王部長が笑っているが、小松部長は首を傾げている。
「要するに獅子王部長の言いたいことは前橋、宇都宮、水戸、銚子は探索課に任せるということですね」
「そうじゃ。この分け方がちょうどいいじゃろ? 小松よ。どうだ?」
「う~ん、確かに甲府まで行けと言われたら遠いですね。各地で爆発の時間差はありますからできなくはないですが、獅子王部長のおっしゃる部隊の分け方でいいとは思いますが……」
「よし! 決まりじゃ。総司令! 他になんか決め事あるか?」
「ありません」
「じゃぁ、わしは先に失礼するぞ! NFNFの奴らめ、ぶっ飛ばしてやるわい!」
獅子王部長が巨体を揺らして会議室を後にする。
「じゃあ、俺たちもこれで……」
小松部長が席を立とうとしたが、不破総司令が制止する。
「今回の件や前回の軽井沢を含めた幾つかの地域のテロを見事阻止したことなど、本当に探索課の活躍には我々GSD全体が助かっています。ありがとうございます」
『気にすんなって! まぁ、俺のおかげだけどな』
「おい月人。みんなのおかげだろ」
『いや、わかってるって。冗談だろ』
「本当にアイドルとはすごい存在ですね。六条勝規には驚かされます。そして息子である太地君とアイドルの月人君にもです」
「ありがとうございます」
「次の戦いも相当厳しい展開になるとは思いますが、引き続きよろしくお願いします。あなた達探索課はGSDの誇りです。そのことだけは覚えておいてください」
「全力を尽くします!」
なぜかこの時の不破総司令の言葉が太地の脳裏に深く刻まれたのだった。
喜びの奇声が5秒ほど聞こえた後、部長命令で太地と月人はすぐにGSD本部へ向かうことになった。
「そういえば天月さんは今日権田支部にも来ていないけど何かあったの? むっちゃん何か知ってる?」
『おう、千鶴は自主練だってよ。支部のトレーニングルームにずっといるぜ』
「ワタクシも今からトレーニングルームに向かいますわ。天月さんとの連携をもう少し高めておきたくて」
『それでよ、オイラも権田支部に残ろうと思うんだ。今の太地ならオイラをロードしたままGSD本部程度までの距離離れても全く支障ないはずだからな』
「そうなんだ。確かに月人をロードするのとは違って、むっちゃんのロードは何か自由度が高い気がするなぁ」
『まぁ、ポメ公がそう言ってんだから大丈夫だろ。俺たちはおっちゃんのところに行こうぜ』
太地たちはGGラインに乗ってGSDへ向かった。
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12月16日 16:30— GSD探索課
「太地! 月人! でかした!」
執務室の扉を開けた瞬間、労いの言葉が飛んできた。珍しく小松部長がハイテンションで喜んでいる。
「100%とは言えないかもですが……かなりいいところをついているとは思います。後ほど更に詰めていこうかと」
「俺も正直まだ理解してねぇから、今から不破のババアのところで説明してくれ!」
そしてそのままGSD司令室へ直行した。
太地たちにとっては二度目のファシリティ terraへの訪問だ。到着して建物内へ入った瞬間、やはり感じた空気の重さ。
(苦手だわ……)
前回と同じで小松部長に連れられて会議室に入る。そして前回と同じメンツがすでに座って太地たちを待っていた。
「おう六条! 元気にしてたか! 予告文の解読ができたってのは本当か⁈」
獅子王部長は相変わらず元気で意外だった。部隊も半数になって、意気消沈しているかと思っていたが、どうやら違ったようだ。とりあえず、笑顔で会釈する。
「六条君、早速で申し訳ないけれど、こちらの地図を使って説明してもらえるかしら?」
不破総司令が早速本題に入る。太地としてもありがたいことだ。
「わかりました。それではこれまでの経緯と共に説明していきます––」
太地はできるだけわかりやすく説明した。座って見ていた月人は不破総司令や他の部長の表情の変化もしっかりチェックしていた。そしてニヤリと笑っている。
「素晴らしいわ……考察に矛盾がない。正直ここまで説得力のある内容とは思っていなかったわ」
不破総司令が唸る。周りの部長も同様のリアクションだ。
「今回、NFNFの赤鬼部隊が仮に各襲撃予定地に部隊を均等に送り込んでくるとしたら二番隊から八番隊の7つの隊となります。中途半端に赤鬼一番隊が残ってしまいますよね。僕はそうはならないと考えています。」
太地が予想される展開を話し始める。
「つまり、六条君は今回の爆破テロで、赤鬼部隊が一番隊も含めて全て出てくると考えているわけですね? 理由を説明してください」
「はい。ここまでの宍土将臣の言動や犯行予告の文面からプロファイリングして見えてくる彼の人物像、そこから判断するに『ストーリーを美しく整えてくる』と想定できるからです」
「ストーリーを美しく……もう少し説明してもらえますか?」
「おそらくこの関東大一揆は綿密に計画されたテロです。
第一の円の襲撃は言わば【ルール開示】、第二、第三の円は【洛外エリア】、今回起こる第四の円が【御土居エリア】、そして更にその先に起こり得る第五の円以降が【洛中エリア】。
少なくてもこの4つの区域に分けることができます」
「あぁ、なるほど。ルール開示と洛外エリアで白鬼部隊、御土居エリアで赤鬼部隊、洛中エリアで黒鬼部隊が出てくるということですね」
貴船部長の言葉に、はいと返答する太地。
「さらに河津町でNFNFローダーがいなくて爆破だけだったことを考えると、今回の七箇所の襲撃地においても赤鬼部隊が配置されずに爆破だけという箇所が幾つか含まれることも十分に可能性があると思います。つまり、二部隊ずつ配置して残りは爆弾設置のみとか……」
「なるほどの~。ワシら機動課がスカされた時と同じ状況が起こるということだな。勘弁してほしいわい」
獅子王部長が河津町のことを思い出して話す。
「まずはこの六条君の推理に沿って対策を立てるべきでしょう。反論はありますか?」
「……」
不破総司令の言葉に誰も挙手しない。反論はないようだ。
「小松! わしら機動課が最初の三箇所の防衛任務を引き受けるぞ。文句無いわな?」
「え⁈ 甲府市までってことですか? 赤鬼部隊結構強いですけど大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃ。安心せい」
『……獅子王のおっちゃん。俺は太地のアイドルの月人だ。ハッキリ言って機動課全滅するぞ。それでもいいのか?』
月人は獅子王部長のことを割と気に入っているようだ。直球すぎる言い方だが、機動課が全滅することを避けたがっている。太地もそこは同じ気持ちだ。
「大丈夫だ。お前らが吹っ飛ばした連中は機動課の中でも群を抜いて弱いやつらだ。他はそこそこ強いわい」
獅子王部長が笑っているが、小松部長は首を傾げている。
「要するに獅子王部長の言いたいことは前橋、宇都宮、水戸、銚子は探索課に任せるということですね」
「そうじゃ。この分け方がちょうどいいじゃろ? 小松よ。どうだ?」
「う~ん、確かに甲府まで行けと言われたら遠いですね。各地で爆発の時間差はありますからできなくはないですが、獅子王部長のおっしゃる部隊の分け方でいいとは思いますが……」
「よし! 決まりじゃ。総司令! 他になんか決め事あるか?」
「ありません」
「じゃぁ、わしは先に失礼するぞ! NFNFの奴らめ、ぶっ飛ばしてやるわい!」
獅子王部長が巨体を揺らして会議室を後にする。
「じゃあ、俺たちもこれで……」
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「おい月人。みんなのおかげだろ」
『いや、わかってるって。冗談だろ』
「本当にアイドルとはすごい存在ですね。六条勝規には驚かされます。そして息子である太地君とアイドルの月人君にもです」
「ありがとうございます」
「次の戦いも相当厳しい展開になるとは思いますが、引き続きよろしくお願いします。あなた達探索課はGSDの誇りです。そのことだけは覚えておいてください」
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