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第三章 関東大一揆、洛外編
第96話 やる気を出したポメ公
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12月16日 19:00—ファシリティ stella 食堂
ファシリティ terraを出て探索課へ戻った小松部長と太地らは執務室に残っていた宝生、高杉と共にGSDの食堂へ向かった。色々あり過ぎてドタバタしていたせいか、夕食をGSD施設内で食べることは太地にとって初めての事だった。
「よし! お前ら最近頑張ってるから今日は俺の奢りだ。好きなもの食え、そして飲め」
「「「あーざーす!」」」
「小松部長がいるから多分みんな飲むよ」
「え? 僕は未成年ですから無理ですけどね」
「あっ、そうだったね。太地君まだ未成年なのか……
活躍がやば過ぎてもう成人だと勘違いしちゃってたな。そうなると月人も仕事終わりのビールの味が共有できないのかぁ……残念だね」
『味わってみてぇなぁ……ビール』
「さすがにこれは仕方ないよ。炭酸水で我慢して」
「グラス持ったか~。今日は権田支部の優秀な部下たちが犯行予告の解明に成功した! これだけで大きな成果といえるぞ! 今後はどうやってNFNFを出し抜いて完封勝利するかを考えるぞ~。とりあえず、おつかれさんの乾杯だ!」
「「「乾杯!」」」
今日の炭酸水は格別に美味く感じた。太地自身、予告文の謎はずっと解けそうで解けない感じで、喉の奥深くに引っかかっていた存在だった。不思議なことに呼吸すら以前より心地よくできている気がする。
『明日からスッキリした気分でトレーニングできそうだな』
「うん! 後の作戦や配置は小松部長や高杉さんに任せて僕はスキルアップに集中するよ」
* * *
12月17日 9:00— 権田支部トレーニングルーム
『成美! そうじゃねぇって! もっとお前のBloody Codeからダイレクトに伝わってくるイメージを素直に受け入れるんだ! 千鶴からの視覚共有を鮮明かつロスの無い状態で脳内にガッチリ掴み取れ!』
「言っている意味が全くわかりませんわ! どうすればそのイメージを素直に何とかできるのですわ⁈」
六太が白のタンクトップにジャージ姿でサングラスを掛けて竹刀を持っている。どうやら昔懐かしのスパルタ体育教師というテーマみたいだ。竹刀を勢いよく振り回して床に叩きつける。迫力の無いペチペチと可愛い音が鳴っている。
「オラオラ~! できね~なら次回も成美のおでこにオイラの肉球マーク刻印確定だぞ! 今度は永久保存版だ!」
「ソレは絶対に嫌ですわ~」
「むっちゃん……可愛い」
朝から熱血指導だ。太地も負けていられない。
『あのバカポメが珍しく張り切っているな』
「昨日、家に帰って来なかったね。クルミちゃんが言ってたけど、夜もずっとトレーニングしていたらしいよ。 それで朝はちゃんと 『今日のワン公』をチェックしてたみたい」
『ヘェ~。お嬢もやるね~』
「僕が気になったのは……むっちゃん朝ごはん美味いって言いながら食べていたらしいんだ……」
『なんだど! そんなことできるわけねえぞ!』
そう、六太は太地のBloody CodeとDeep Amazo-nightからロードされているアイドルだ。太地の味覚を共有することはできても、自分で食事を摂ることなど不可能なはずだ。
『あのポメ公……何か隠してやがるなぁ』
「昨日のドーナツを見つめるむっちゃんの目は血走って必死だったからなぁ。何か機転をきかせたのかもね」
二人がジッと六太を見ていることなど気づかないくらい、彼は今指導に集中している。
『千鶴、お前のディープアマゾナイトで既にスキル増し増しになってるって言ってるだろ! 脳みそを六分割して視界を監視カメラのモニターみたいに六箇所映し出せ! オイラを信じろ、千鶴ならできるぞ! まずは二分割からだ!』
「うん、わかったわ。やってみる」
「「……」」
「僕たちもやろう!」
『そうだな。で、なんか考えがあるって言ってたよな?』
「うん、現状でいきなりフリーハンドのスキルを使えるとは思えなくてね。その前にちょっと今できる技のクオリティーをあげておきたくて」
月人はまず太地の話を聞くことにした。
現状太地の一撃の技としてはpossessionしてからの威力をためた右ストレート『ライフル』、そしてライフルより多少威力が落ちることは仕方がないという考えで、両腕からパンチを素早く打ちまくる『エアガン』の2つだ。
しかし、どちらも赤鬼レベルのNFNFローダーには五発中一発は避けられるか、もしくは防御されていた。つまり次に戦う赤鬼部隊にはもっと防がれるということだ。
「まず、戦闘シーンを振り返ると開始からしばらくの間はミドルレンジでの打ち合いが多いんだ。その後どんどん荒れてきてインファイトも増えてくるって感じ」
『敵の数が多いとそうなるわな』
「そうそう。冷静に考えると、インファイトでは防がれたことがないんだ。つまりそこまでの遅い動きってことではないみたい。要はミドルレンジでガンガン当てたいわけ」
『当たった奴らは倒しているんだろ? 確かに太地のステータスは力が高くないから心配するのはわかるが、憑依という形で俺の能力引き出しているわけだから十分強力だと思うぜ』
うんうんと同意する太地だが、求めているのは力をアップすることではなかった。
「なんというか……豪快な一撃を喰らわせる戦闘スタイルは僕には合っていない。理想のスタイルは『スピードUPして正確に急所を撃ち抜く鋭い一撃』って感じのイメージなんだけど、どうだろう?」
『いいんじゃねぇか! その理想に近い形で戦えるようにトレーニングプランを練ってみるか。まぁ、今後も俺たちが一緒に戦うか離れるかは小松のおっちゃん次第のところもあるしな。太地自身がレベルアップしないと––』
バシュ!!
突然、月人の目の前を矢が飛んできた。さらっとかわす月人。
「え!!」
驚いて振り向く太地の目に飛び込んできたのは六太の指示で弓を放った成美だった。
「月人さん! 大丈夫ですわ!」
『三日月人~大丈夫か? まぁ、オメーが当たるわけねーわな。よし! 成美、次だ!』
『……ちょっと待て、このバカポメが!! 何しやがる!』
『わ、悪かったって。 まぁ、そう怒るなよ。ちゃんと太地ではなく、避けられるお前を狙ったんだからさ。オイラもちゃんと考えた上で指示を––』
ゴン!!
大きなタンコブを頭にのせた六太がヘロヘロになって太地のもとへ歩いてくる。
『おい太地。ちょっと成美たちとの連携攻撃のトレーニングに加わってくれよ』
ファシリティ terraを出て探索課へ戻った小松部長と太地らは執務室に残っていた宝生、高杉と共にGSDの食堂へ向かった。色々あり過ぎてドタバタしていたせいか、夕食をGSD施設内で食べることは太地にとって初めての事だった。
「よし! お前ら最近頑張ってるから今日は俺の奢りだ。好きなもの食え、そして飲め」
「「「あーざーす!」」」
「小松部長がいるから多分みんな飲むよ」
「え? 僕は未成年ですから無理ですけどね」
「あっ、そうだったね。太地君まだ未成年なのか……
活躍がやば過ぎてもう成人だと勘違いしちゃってたな。そうなると月人も仕事終わりのビールの味が共有できないのかぁ……残念だね」
『味わってみてぇなぁ……ビール』
「さすがにこれは仕方ないよ。炭酸水で我慢して」
「グラス持ったか~。今日は権田支部の優秀な部下たちが犯行予告の解明に成功した! これだけで大きな成果といえるぞ! 今後はどうやってNFNFを出し抜いて完封勝利するかを考えるぞ~。とりあえず、おつかれさんの乾杯だ!」
「「「乾杯!」」」
今日の炭酸水は格別に美味く感じた。太地自身、予告文の謎はずっと解けそうで解けない感じで、喉の奥深くに引っかかっていた存在だった。不思議なことに呼吸すら以前より心地よくできている気がする。
『明日からスッキリした気分でトレーニングできそうだな』
「うん! 後の作戦や配置は小松部長や高杉さんに任せて僕はスキルアップに集中するよ」
* * *
12月17日 9:00— 権田支部トレーニングルーム
『成美! そうじゃねぇって! もっとお前のBloody Codeからダイレクトに伝わってくるイメージを素直に受け入れるんだ! 千鶴からの視覚共有を鮮明かつロスの無い状態で脳内にガッチリ掴み取れ!』
「言っている意味が全くわかりませんわ! どうすればそのイメージを素直に何とかできるのですわ⁈」
六太が白のタンクトップにジャージ姿でサングラスを掛けて竹刀を持っている。どうやら昔懐かしのスパルタ体育教師というテーマみたいだ。竹刀を勢いよく振り回して床に叩きつける。迫力の無いペチペチと可愛い音が鳴っている。
「オラオラ~! できね~なら次回も成美のおでこにオイラの肉球マーク刻印確定だぞ! 今度は永久保存版だ!」
「ソレは絶対に嫌ですわ~」
「むっちゃん……可愛い」
朝から熱血指導だ。太地も負けていられない。
『あのバカポメが珍しく張り切っているな』
「昨日、家に帰って来なかったね。クルミちゃんが言ってたけど、夜もずっとトレーニングしていたらしいよ。 それで朝はちゃんと 『今日のワン公』をチェックしてたみたい」
『ヘェ~。お嬢もやるね~』
「僕が気になったのは……むっちゃん朝ごはん美味いって言いながら食べていたらしいんだ……」
『なんだど! そんなことできるわけねえぞ!』
そう、六太は太地のBloody CodeとDeep Amazo-nightからロードされているアイドルだ。太地の味覚を共有することはできても、自分で食事を摂ることなど不可能なはずだ。
『あのポメ公……何か隠してやがるなぁ』
「昨日のドーナツを見つめるむっちゃんの目は血走って必死だったからなぁ。何か機転をきかせたのかもね」
二人がジッと六太を見ていることなど気づかないくらい、彼は今指導に集中している。
『千鶴、お前のディープアマゾナイトで既にスキル増し増しになってるって言ってるだろ! 脳みそを六分割して視界を監視カメラのモニターみたいに六箇所映し出せ! オイラを信じろ、千鶴ならできるぞ! まずは二分割からだ!』
「うん、わかったわ。やってみる」
「「……」」
「僕たちもやろう!」
『そうだな。で、なんか考えがあるって言ってたよな?』
「うん、現状でいきなりフリーハンドのスキルを使えるとは思えなくてね。その前にちょっと今できる技のクオリティーをあげておきたくて」
月人はまず太地の話を聞くことにした。
現状太地の一撃の技としてはpossessionしてからの威力をためた右ストレート『ライフル』、そしてライフルより多少威力が落ちることは仕方がないという考えで、両腕からパンチを素早く打ちまくる『エアガン』の2つだ。
しかし、どちらも赤鬼レベルのNFNFローダーには五発中一発は避けられるか、もしくは防御されていた。つまり次に戦う赤鬼部隊にはもっと防がれるということだ。
「まず、戦闘シーンを振り返ると開始からしばらくの間はミドルレンジでの打ち合いが多いんだ。その後どんどん荒れてきてインファイトも増えてくるって感じ」
『敵の数が多いとそうなるわな』
「そうそう。冷静に考えると、インファイトでは防がれたことがないんだ。つまりそこまでの遅い動きってことではないみたい。要はミドルレンジでガンガン当てたいわけ」
『当たった奴らは倒しているんだろ? 確かに太地のステータスは力が高くないから心配するのはわかるが、憑依という形で俺の能力引き出しているわけだから十分強力だと思うぜ』
うんうんと同意する太地だが、求めているのは力をアップすることではなかった。
「なんというか……豪快な一撃を喰らわせる戦闘スタイルは僕には合っていない。理想のスタイルは『スピードUPして正確に急所を撃ち抜く鋭い一撃』って感じのイメージなんだけど、どうだろう?」
『いいんじゃねぇか! その理想に近い形で戦えるようにトレーニングプランを練ってみるか。まぁ、今後も俺たちが一緒に戦うか離れるかは小松のおっちゃん次第のところもあるしな。太地自身がレベルアップしないと––』
バシュ!!
突然、月人の目の前を矢が飛んできた。さらっとかわす月人。
「え!!」
驚いて振り向く太地の目に飛び込んできたのは六太の指示で弓を放った成美だった。
「月人さん! 大丈夫ですわ!」
『三日月人~大丈夫か? まぁ、オメーが当たるわけねーわな。よし! 成美、次だ!』
『……ちょっと待て、このバカポメが!! 何しやがる!』
『わ、悪かったって。 まぁ、そう怒るなよ。ちゃんと太地ではなく、避けられるお前を狙ったんだからさ。オイラもちゃんと考えた上で指示を––』
ゴン!!
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『おい太地。ちょっと成美たちとの連携攻撃のトレーニングに加わってくれよ』
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