Bloody Code 〜特殊な血を持つ天才少年が謎のリングで仲間になった「アイドル」と現実世界を無双する〜

大森六

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第四章 関東大一揆、洛中編

第121話 スペシャルって何?

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宍土ししどが新撰組をオマージュした理由が他にあるだと?」


『……』


「いやいや、ちょっと待ってよ太地たいち君。それは流石に深く考え過ぎだって」


「ワタクシもそう思いますわ。宍土の最終目的が日本政府でないというなら、NFNFエヌフは一体どこへ向かうのというのですわ?」


「……でも、六条君が抱く違和感、私も少しわかる気がする。でも何が変なのかが今はわからないわ」


「俺は難しいことはわからないっスけど、永田町も新都庁も守りきればいいと思うっス」


「私もトンボと同じ考えだわ」


 太地の深読みは千鶴以外のシーカーには同意を得られなかった。実際、太地自身も勘がそうささやくというレベルで違和感を覚えているだけで、自分自身で言った「理由」を説明できない。

 月人つきとは無言で太地を見ていた。この時、セカンドブレインは太地の考えに対し、五分五分という判断を下していた。

(ここでの判断が25日の戦いに大きく影響しそうだな……しかし、太地の意図はよくわかる。もしも日本政府へのテロということなら、なぜここまで大掛かりに仕掛ける必要があったんだ?)

 月人も引っかかっていた。そしてまだその答えをセカンドブレインは導けていない。

(予告なく襲撃していれば今のNFNFエヌフの勢力なら永田町くらいにできたはずだ。なぜここまで丁寧に襲撃場所と時刻を提示して外側から徐々に責めるようなマネをしたんだ? あの宍土が愉快犯的な動機でこの関東大一揆を起こしたとは思えない。)


(何かあるんじゃないか? この壮大な計画の本当の目的が。そして律儀に毎回提示してくる犯行予告によってなんとか多くの襲撃地をNFNFから防衛し続けているGSDジスド。もし、この良い流れと感じている今こそがまさに宍土によってだったとしたら……)


「最後に真の目的を果たされるかもしれないね」


 ビックリする月人にニカッと笑って太地が念話で告げる。


「大丈夫だ! 僕が絶対にNFNFエヌフの目的を暴いてみせる」

『……あぁ、期待してるぜ。




「よし、じゃあ決めた! お前ら、よく聞けよ」

 そして小松部長が決断する。


「25日は東京新都庁と永田町が同時に襲撃されることを想定して二手に分かれて防衛する方向で進めるぞ! 宝生ほうしょう不破ふわのババアに状況を説明して永田町のおっさんどもに探索課のローダーを派遣する必要があるかどうかを確認させてくれ。俺がすげー急いでからって言ってくれて大丈夫だ」


「承知しました。それではに伝えておきます」


「「「……」」」

「……あっ」

「「「今、ババアって……」」」


「き、今日は全員GSDジスド本部で都庁防衛に関する作戦を練る。25日のことは……ふ、不破総司令からの連絡を待って考えるとする! 太地はさっき話していた新撰組オマージュの別の理由ってやつを引き続き考えろ! 何か進展があればその時に探索課全体に連絡だ! 以上だ!」


「「「了解!」」」


 こうして探索課全体ミーティングが終わり、全員で一旦GSDジスドの食堂へ。


「おばちゃん、いつものやつ頼むわ!」

「えっと、僕は高杉スペシャルでお願いします」

「鳥と羊と馬の唐揚げ非定食で!」

「ワタクシが美味しいと思うメニューでお願いしますですわ」

「お子様風ランチの大人バージョンでお願いっス」

『オイラは六色丼だ!』

「……むっちゃんと同じで」


『俺はビーフ南蛮のソースがけ定食を2つ!』


 おばちゃんは全ての注文に対して、元気よく返答する。

「はいよ!」

「……本当に? さすがGSDだな」


「おばさん、宝生スペシャルをください」


「はいよ!」


「……お、おばさん、六条太地スペシャルをください」


「無いよ!」


「……」



 * * *

 12月24日 13:00——  ファシリティ terra 会議室


 GSDの緊急会が開かれた。高杉と宝生だけでなく、今回は太地、月人そして成美も参加している。そして機動課の席が空いている。


「皆さん忙しいでしょうから、簡潔に進めるように努力します」

 総務課の貴船部長が進行役だ。

「まず、皆さんご存知の通り機動課は活動不可能という状況です。今後どうするかはテロの問題が落ち着いた後で考えるとします。獅子王ししおう部長は現在医療課の病棟で入院されています。容体は安定していますのでご安心を」


 ひとまず、ほっとする太地たち。

「次に調査課に関しては吉幸一よしこういち部長から謝罪と釈明があります」

 ガタッと席を立ち、落ち着かない様子。そんな吉部長に呆れる貴船部長。

「み、皆さま。今回、調査課にNFNFエヌフのスパイが紛れ込んでいたと……い、いうことでして……あの……大変ご迷惑をおかけしました! ごめんなさい!」


「ブア~ッハッハッ! な! 吉はスパイにはむかねぇって言った理由がわかるだろ?」

 小松部長が大笑いしている。リアクションに困る高杉。そして小松部長を制止する不破総司令。



「えっと、それでですね。調査課内部を調査したところ、三人のスパイが見つかりまして。そのスパイは一応自爆できないように処理しています。NFNFエヌフについては何も自供していません」


「構いません。そのまま拘束しておきましょう。謝罪はその辺で、本日24日のテロに関して報告することはありませんか?」


 不破総司令が先へ進めるよううながす。

「あ、はい。犯行予告の全ての市役所を引き続き防衛庁と組んで確認したところ、やはり爆弾は設置されておりました」


 騒つく会議室。やはり予め仕掛けておいたのだ。


「あと、0時8分の都市は栃木県小山市でした。24日の爆破される市役所は全て特定されたことになります。現在、時刻が早い場所を優先に爆弾撤去作業を行っております」


「調査課ローダー全員が出払っているという状況ですか?」


「は、はい! そうです」

 貴船部長の質問に恐怖を感じているのか、どこか怯えている吉部長。


(なんか、かわいそうだな……)


「探索課の権田支部からもローダーを派遣されているというお話ですがその辺りは特に探索課の方で今後に支障はありませんか?」


「探索課は問題ないな。ご令嬢、このまま爆弾処理のサポートに回ってもらっていいよな?」

 小松部長から念のため確認する。

「大丈夫ですわ。24日は爆弾処理、25日はここGSDジスドへ来させる予定ですわ」


「それは助かります。明日は新都庁を襲撃する可能性が高いということですからね」


 不破総司令が、一呼吸おく。そして次の話題へ。


「25日、政府から返答があり、GSDからも永田町へローダーを派遣するように言われました。機動課が機能しませんから。探索課の中から数名行く形になります」


 小松部長に視線を送る。頭を掻きながら小松部長が太地へ視線を送る。圧力を感じた太地がしぶしぶ話をすることに。


「じゃあ、僕と月人で行きますか? 足りるかな?」

『う~ん、どうだろうな。永田町を攻めることも目的だろうからなぁ。千鶴とお嬢、高杉はGSDと都庁がいいと思うから、トンボか片奈連れて行くとなると……GSDはトンボの方が良さそうだな。山も近いし』

「山が近いからって、理由がまたすごくアバウトですわ……」


 不破総司令が微笑んでいる。探索課の雰囲気が嫌いではなさそうだ。


「そんじゃ、永田町は探索課の太地、月人、片瀬の三人で向かわせる。残りのシーカーで都庁とGSD本部防衛だ!」
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