Bloody Code 〜特殊な血を持つ天才少年が謎のリングで仲間になった「アイドル」と現実世界を無双する〜

大森六

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第四章 関東大一揆、洛中編

第122話 全力の新都庁防衛

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 12月24日 16:00——  ファシリティ lux  東京新都庁


 太地たいちたちは高杉と共に東京新都庁に来ていた。明日のテロ襲撃の件を報告するためだ。


「今回は会議室で地上五階かぁ。前回みたいに地下に下りていくのかと思ってた」

「そっか、太地君たちは地下にある都知事のプライベートガーデンへ入ったことがあるんだったね」

『あそこは広かったぜ。光が入ってくる仕掛けが秀逸だ。もう一度行きてぇなぁ……』


 ——ガチャ


 アズマミヤコ都知事が会議室に入って来た。思わずシーカー全員が立ち上がる。


「皆さん、そのままお座りください。緊張せずに話しましょう」


 アズマ都知事が優しく声を掛ける。太地の方を見て軽く会釈する都知事。そして太地も同様に会釈する。


 高杉はアズマ都知事に状況を報告し、GSDジスドの探索課が新都庁防衛を担当することを伝える。起こりえるリスクとGSDで立てている防衛計画も含めてできるだけ端的に。都知事もまた、揉めることなくそれを了承する。こうして報告はあっさり終わった。


 そして、秘書にうながされてアズマ都知事が先に退室をすべく立ち上がる。そして去り際に一言添える。


「六条君、そして探索課の皆さん、どうか危険が迫った時は迷わずにご自身の命を優先してください」


 そして、会議室の扉が静かに閉じられた。


 * * *


 GSDジスドへ戻った高杉たちは都庁防衛の準備に時間を割き、そのまま朝を迎えた。

 永田町防衛に六条太地、月人つきと、片瀬片奈。そして東京新都庁防衛に高杉壮一郎、沢田トンボ、権田成美、天月千鶴、六太むった

 全員が静かにその時を待つ……


 そして時刻が9:15となった。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


「何の音だ?」


《土砂崩れよ! 日の出山、大岳山より大規模土砂崩れが発生! 
ものすごい広い範囲で都庁もGSDもあと3分ですべて巻き込まれるわ! 》

《はぁ!  一体どうすりゃいいんだ?》


 大きな岩も転がり落ちてくる。これは大量の爆弾による人為的なものだろう。
 しかし、そんな悠長なことを考えている場合ではない。


《高杉と六太! 今すぐに土砂崩れがくる西側に向かってくれ!そこで高杉はでかいカチカチの防壁をつくれ! 六太は高杉に触れてスキル効果にバフをかけろ! そこからさらに俺が直前で、お前たちのスキルの効果を5倍ぐらいにあげてやる。だからなんとか土砂が収まるまで耐えろ!》

《了解!》

《マジか~》


《天月! 状況を報告し続けてくれ!》

《了解》

《トンボと御令嬢は都庁をそのまま防衛だ。スキを見せるなよ! それから御令嬢はタイミングをみて高杉と六太にスキル回復の矢を放ってやれ! 刺さらないように絶対に先端を尖らせるなよ!》


《了解ですわ!》

《了解っス!》


 高杉と六太がポジションについた。


『おいおいそうちゃん! マジでやるのか? あのひげのおっちゃん大丈夫だろうな!』

「まぁ、むっちゃん安心して。僕たち死ぬ時は一緒だから」

『絶対に嫌だぁ!!!』


 そして土砂が迫ってくる!


「スキル<王の雄叫び>!」

 小松部長の無双スキルがついにベールを脱ぐ。一定範囲内のローダーのスキル効果、ステータス値を数倍上昇させるバフ効果の補助スキルである。

 そして高杉と六太の能力が一気に上昇する!


『ウオォ! これすげぇ!』

「よぉし! このままいくぞ!」

「スキル<hardening material> 絶対防壁!!」

『くそぉ! こうなったらやけくそだぁ~!』


 高杉のスキルによって高さ10mを超える分厚い擁壁が南北方向へ一気に伸びていき、鉄壁の擁壁を作り出す。六太のバフ、小松部長のバフが掛かって最高に頑丈な壁が出来上がる。


「来るぞ~!」


 ドドドドドドドド!!!


 一気に土砂がぶち当たる音が響き渡る。何とかこらえ続ける高杉。

《あと、30秒耐えてください!》


『おいそうちゃん! 死んだら絶対殺すからな! オイラのためにも絶対に壁を壊すなよ!』


「意味わかんないけど、了解! とりあえずハッパかけてくれてるってポジティブに捉えておくよ」

 必死に耐えながらもジョークを混ぜて来る高杉。だがかなりの限界だ。

『ハッパじゃねぇよ! ガチで言ってんだよ! 後15秒!』


 そして後ろからドスドスと高杉の背中と六太の後頭部に直撃する。


『イッテェェ! おいこら、成美! もっと優しく射ろ! 矢の先端はマシュマロくらい柔らかくしやがれ!』


 六太が異常に吠えまくっている。どうしてもここで死にたくないらしい。
 まぁ、アイドルは死なないのだが。


《無理ですわ! でも回復したみたいですわ! 高杉さん! もうちょっとですわ!》

《おう! 御令嬢、ありがとう! 君という愛のキューピットによって放たれた矢はちゃんと僕のハートを撃ち抜いたから!》


《やっぱり死ねばいいのですわ!》

《ガ~ン》


 そして、土砂の勢いが徐々に緩くなり、音が静かになっていく。ものすごい煙が立ち上り、西の山側の様子が全く見えない。

《土砂が止まったわ!》

 天月が状況を伝える。高杉が何とか大規模の土砂を止めることに成功した。

「危なかったぁ。何とか止められた……信じられない」


 ホッとする高杉。いきなり高杉の体力が激しく消耗してしまったことに後手を踏んだと感じでしまう六太。

『もしこのままだと大勢で攻められたら……ん? なんだ? 土砂の煙が……
 っっ! しまった! そうちゃん、戻るぞ!』

 土砂による砂煙は風に流されて都庁とGSDジスド側へ広がっていく。シーカー同士が位置を把握できないくらいに濃い煙が広がっていく。煙のせいで全く周囲の状況が把握できない。


 六太はこれが不利な状況だと気付いて指示を出し、千鶴のもとへ向かう。


《千鶴! 今すぐ土砂の状況から切り替えろ! 周囲を索敵するんだ! 黒鬼が迫っているぞ!》


《わかったわ! 見透かされ——》


 ザシュ!!!

 背後から忍び寄る黒い影が千鶴の背中をひと突き。


「ガハァ!!」


 千鶴が日本刀で串刺しにされた姿が駆けつけた六太むったの目に生々しく映る。



『ち、千鶴!!!!!!』
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