勇者と魔王、選ぶならどっち?

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第二章 勇者のスローライフ??

心機一転!?

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「依頼を受けるわよっ!」
 穏やかだった朝食の席が、私の一言でいきなり騒然となる。
 ミュウは食べるのをやめ、食事や飲み物を調べ始め、クーちゃんは私の額に右手をあて、左手は自分の額に当てて熱を測ってくる。
 マリアちゃんに至っては、状態異常を解除する神聖魔法を唱え始めていた。

「何なのよ!私おかしなこと言った?」
 私の怒鳴り声に、皆がぴたりと動きを止める。
「いや、おかしくないのがおかしいというか……。」
「ミカ姉、大丈夫?身体のおかしなところない?」
「一応部屋全体に邪気を払う結界を張りましたが……。」
 みんなが口々に失礼な事を言い出す。

「……みんなが、私の事をどういう目で見ているか分かったわ。」
 私は部屋の片隅に移動して膝を抱えて丸くなる。
 いいの、どうせ、私なんか……。
 私が部屋の片隅でイジイジしていると、皆は何事もなかったように食事を再開する。
 ウン、平和な朝の一時ね……って!
「何で、誰も慰めようとしないのよっ!」

 いつもと変わらない日常がそこにあった……。



「で、どう言うことな訳?」
 食後、リビングでミュウが聞いてくる。
「依頼を受けるんだよ。」
 私は膝の上に乗せたクーちゃんを抱き締めながらそう言う。
 私の心は絶賛傷付き中、と言うことで、クーちゃんには癒やす義務があると言って捕まえたのよ。
 と言うか、ミュウに差し出されたような気もするけど、とにかく私はクーちゃんに癒されている最中なの。

「だから、何故そう言うことに思い至ったか?ってことを聞いてるの。最初からちゃんと説明しなさいよ。」
 ミュウに言われて、私はどう説明するのがいいかを考える。
 事の起こりは魔族が現れたこと……。

「えっとね、アレックスとか出てきたじゃない?それでね、今後も魔族が出て来ることが多くなると思うのよ。」
 私の説明を三人は頷きながら聞いてくれる。
「領主様の話からしても、魔族は陰でコソコソ動いていて、気付いたら手遅れ、ってこともあるかも知れないじゃない?」
 それで?とミュウは先を促す。
「そう言う事態に備えて逃げ出す準備はしておいた方がいいと思うの。だから依頼を受けるんだよ。」

「ミカ姉、ちょっと待って。最後が分からないよぉ。どうしてそうなるの?」
 クーちゃんが首を振り、見上げるようにしながら聞いてくる。
 可愛い、クーちゃんは天使だねぇ。
 私はクーちゃんを更にぎゅっと抱きしめながら答える。

「んーとね、街が魔族に占領されるとするでしょ?幸いにも此処は防御がしっかりしてるから、安全だとは思うけど、私達の生活が困ることになるのは変わらないよね?」
 私がそう言うと、クーちゃんがコクコクと頷く。
「でね、そう言うときに備えて、別の場所のターミナルと繋がっていれば、便利だと思わない?」

「だから依頼を受けながら遺跡を探すって事か。」
 私の答えに、ようやく納得できたと頷くミュウ。
 闇雲に探し廻るより、それっぽい遺跡を調査した方が早いと思うのよ。

「趣旨は理解できましたが、遺跡調査の依頼はCランク以上でないと受けることが出来ないのでは?」
 今まで黙って聞いていたマリアちゃんが、疑問を口にする。
「だから依頼を受けるんだろ?依頼を達成していけばそのうちランクも上がるんじゃない?」
 私が答えるより前に、ミュウがそう言ってくれる。
「そうですわね。あと3~4回依頼を達成すれば、私とクミンさんはDランク、ミカゲさんとミュウさんはCランクにあがりますから、パーティランクの条件はクリアできますね。」
 あはは……、パーティーランクのこと忘れてたけど、みんなが納得してくれたから、まいっか。

「そ、そういう訳で、依頼を受けるわよ!」
 これ以上おかしなツッコミがはいる前に、私はそう締めくくったのよ。



「ミカゲさん達が受けれそうな依頼ですか?」
「うん、出来れば効率の良さそうなのがいいけど?」
 私は笑顔でメルシィさんに聞いてみる。
「ありません。」
 メルシィさんも笑顔で答えてくれた。

「何でっ!ギルドなら依頼の一つや二つ転がってるでしょ。」
「無茶言わないで下さい。大体こんな時間に来て、まともな依頼が残っているわけないでしょ。」

 ギルドに寄せられた依頼は、緊急依頼を除いて、ギルド職員が精査した後、朝イチでボードに掲載される。
 基本早い者勝ちなので、依頼を受けたい冒険者は朝早くから、ギルドに常駐し、ボードに張り出され次第チェックして依頼を受けるというのが一般的だ。
 だから、こんな時間に残っている依頼と言えば、E,Fランク向けの採集などの常設依頼か、危険や手間の割には報酬低い割に合わない依頼ぐらいだ。
 稀に美味しい緊急依頼が飛び込んでくることもあるけど、今日はその予定もないらしい。

「……一応精査したばかりの明日張り出す予定の依頼がありますけど?」
「それ、受けるわっ!」
 メルシィさんが小声で呟くのを聞いて私は飛びつくと、メルシィさんはニッコリと笑顔を向けてくれる。

「今度お茶会を開こうと思うのですけど?」
 ……そう来ますかぁ。
 どうやらメルシィさんはこの間お茶会を断ったのを根に持っているらしい。
「定期的にミカゲさん達の活躍をお聞きしたいのですが?」
 メルシィさんはニコニコと笑顔で告げてくる。
 言葉に詰まる私の肩をミュウがポンポンと叩いて「諦めなよ」と言ってくる。

「……分かったわよ、時間が取れるときならお招きに応じるわ。」
「ありがとうございます。……では、こちらを……。」
 私が折れると、メルシィさんは二つの依頼を出してくる。
「今あるのは「オーク砦の殲滅」と「新規店舗拡張の調査」の二つですが、どうなさいますか?」
「二つとも受けるわよ。」
 私はすかさずそう言うとミュウが止めに入る。
「ちょっと、詳しい内容も聞かずに勝手に受けるんじゃないわよ。」
 そう言ってミュウは私に代わりメルシィさんと詳細を詰め出した。
 ……結局受けるんだから、別にいいのになぁ。

 「オーク砦の殲滅」は、いたって単純なもので、隣町から北へ行ったところにある山の麓に、最近オーク達が集まって集落を作り始めたらしい。
 更には、堅牢な城壁なども作っている為、通称「オーク砦」と呼ばれているんだとか。
 今の所、街に被害は出ていないのだが、いつ攻めて来るかと不安が募っているらしいので、調査と、出来れば砦の壊滅を依頼してきたという。
 私達がやる事は単純で、現地に行ってオーク砦を調査、街に被害を及ぼす可能性があると判断すればオーク達を殲滅及び砦の破壊をする事。
 Cランク向けの依頼だけど、単純に殲滅できるだけの火力があればいいので、私達でもOKとメルシィさんは判断したらしい。

 もう一つの「新規店舗拡張の調査」は少々変わっていて、隣町にある「紗旧葉須」というカフェが、この街エルザードで新しく店を開きたいと言ってきたらしい。
 そのカフェについて調査するのがこの依頼。
 本来なら商業ギルドの方で済ますべき案件なんだけど、その店については何故か冒険者の信任が厚く、新しく店を開くという情報が流れた途端、いつなのか、何処になのか、という冒険者たちからの問い合わせが商業ギルドに殺到したという。
 その様子が余りにも異常なために、商業ギルドから調査を依頼されたらしい。

「その「紗旧葉須」というカフェなんだけど、無認可で如何わしい行為を行っているって噂があるのよ。もしそれが本当なら『カフェ』として認める訳にはいかないのよね。」
 如何わしい行為と、言葉を濁しているが、要は「娼館」じゃないかと疑っているというわけらしい。
 証拠があるわけでもなく、あくまでも噂話程度なんだけどね。
 別に「娼館」がダメってわけでもないけど、それならそれで、しかるべき場所で営業するのが望ましく、「カフェ」として申請されている場所での営業は認められていないから、実態を探ってきて欲しいっていうのがこの依頼。
 内容が内容だけに、男性より女性パーティの方がいいという判断でメルシィさんは私達に紹介してくれたんだって。

 詳細を詰めていたミュウは、結局2件とも引き受ける事にしたらしい。
 両件とも同じ街からの依頼だし、オーク砦の情報を集めるついでに「紗旧葉須」の情報も集めれば無駄がないからね。

 メルシィさんにお礼を言って、ギルドを後にした私達は、其々分かれて準備と情報収集をすることにした。
 なんといっても隣町の出来事だからね、この街にもある程度の情報は流れてきてると思うのよね。

 ◇

「うん、ミカゲを一人にした私が悪かったわ。」
 私を引き取りに来たミュウがこめかみを押さえながらそう言った。
「私悪くないからね。」
「イヤイヤ、こうして領主様のお世話になっている時点で十分悪いから。」
「まぁ、俺としても面白いものが見れたしな。」
「ホント申し訳ありません。」
 豪快に笑い飛ばす領主様に対し頭を下げるマリアちゃん。

「ミュウお姉ちゃん、ごめんね。やっぱり私が付いているべきだったよ。」
「いや、クーは悪くない。私の判断が間違っていたんだから、気にしないで。」
「まぁ、とにかくだ、今回はたまたま俺がいたから事なきを得たが、出来ればしっかりと監視しておいてもらえると助かる。」
「うぅ、その言い方、私が悪いみたいに聞こえるよ。大体あんなのをのさばらせておくなんて、街の管理が出来てない証拠じゃないの!責任し……むぐっ……。」
「あ、あは、あはは……失礼しましたぁ。」
 私はいきなり口をふさがれ、そのままミュウに引きずられて領主の館を後にした。


「ぶぅ……。」
「ほらほら、いつまでも膨れてないの。」
「ミカゲお姉ちゃん、機嫌直して、はい、アーン。」
「ん、アーン……美味しぃ。」
 領主宅を後にした私達は街のカフェで休憩をとっていた……というかご機嫌斜めの私の御機嫌を取っていたという方が正しいかな?
「実際何があったんですの?私は訳も聞かされないまま伺ったので……。」
 説明を求めてくるマリアちゃんに、私は事の次第を説明することにした。

「みんなと別れた後、私は最初に魔法雑貨屋に行ったのよ。調合用の素材が少なくなっていたからね。それで買い物ついでに色々と聞いていたわけ。他にも武器屋とか道具屋、薬屋さんなどを廻って同じことを繰り返していたんだけど……。」
 流石にそういう事を繰り返していると目立つのか、何件目かのお店を出た時に、冒険者風の男性が声をかけて来たのよ。
 詳しい事を知ってるけど、大きな声で話せることじゃないから、と場所を変える事にして、言われるままについていったのが街外れの路地。
 そこには5人の男性が待ち構えていて、まぁ、よくあるパターンで私を襲おうとしてきたから、魔法で吹き飛ばした、というわけなのよ。

「それでね、一応情報を聞き出したんだけど大した事は知らないみたいだからね、そのまま放置して帰ろうと思ったのよ。そうしたらね……。」

--------

「覚えていろよ!俺はここの領主とは懇意なんだ。お前なんか明日にでも捕まえて処刑してもらうからな!」
 私に叩きのめされた男が、そんな捨て台詞を吐く。
 この男の言う事が本当かどうかも分からないけど、もし本当であれば処刑はともかくとして、ちょっと厄介な事になるかもしれない。

「ウン、面倒は起こさないほうがいいよね。」
 私は手の平に火球を生み出すと、その男の傍まで行く。
「お、オイ……なんだそれは……やめろっ!本当に処刑するぞ!」
「ん~、あなたの存在がなくなれば、誰も何も知らないって事になるよね?」
 私は笑顔のまま火球を、男の横にぶつける。
 火球は地面にあたるとその場の地面を瞬時に消滅させる。
 下級が消えた後には20cm程の小さなクレーターが出来ていた。
「今度はあてるからね。あ、大丈夫、見て貰ったように一瞬で蒸発するから。後、他の皆さんも一緒だから淋しくないでしょ。」

 私がにっこりと微笑むと、男達が騒ぎ出すが、拘束の魔法で自由を奪われている為、身動きが取れない。
「やめろっ!俺は悪くないんだぁ!」
「助けてくれっ!もうしないからっ!」
 泣き叫び、懇願する男達。
 何人かの男は地面を濡らしていた。

「あなた達、女の子襲うの初めてじゃないよね?さっきの感じだとかなり手慣れていたもんね。女の子たちは助けを求めなかった?あなた達は女の子を助けた?」
 こいつらは女性の敵、そう思ったら私はこの男たちの存在を消すことに何のためらいも感じなかった。 

「じゃぁね。」
 私は手の中の火球を一際大きくしてぶつけようとしたところで、背後から声がかかる。
「その中に俺の知り合いがいるんだって?」
 私が振り返ると、護衛を引き連れた領主様が立っていた。
「んー、本人はそう言ってるけど、確認する?しないならこのまま消すけど?」
「おいおい、物騒なこと言わないでくれ。」
 そう言いながら近づいてくる領主。
「んー、俺の知り合いって言うのはお前さんか?」
「た、助けてくださいっ!」
「俺達が悪かったんだ。素直に罪を償うからっ!」
 口々に懇願する男達。
「んー、コイツに見覚えは無いが、お前誰だ?」
「ひぃっ、ゴメンナサイ。懇意にしてるなんて嘘です。つい思わず言ってしまいました。助けてくださいっ!」 

「あー、ミカゲよ。一応街の犯罪の取り締まりって事でこいつ等の事を任せてもらいたいんだが?で、だ、お前さんにも話が聞きたいから一緒に来てくれるか?」
「私、悪くないよ?」
「あぁ、分かっている。ただ、このまま他のヘンな奴に絡まれたくないだろ?迎えを呼ぶから、それまでウチで茶を飲んでいけ。」
 領主様は、私にそう声を掛けながら、護衛の兵士達に男達を連行するように指示を出す。
 私は領主様に頷くとそのまま後についていった。
 領主様も体面って言うのがあるから、私が付いて行かないと困るだろうと思ったからで、決してお茶につられたわけじゃないからね。

--------

 私の話を聞き終えると、ミュウはその場に突っ伏してしまった。
「えーと、その……ご無事で何よりでしたわ。」
 マリアちゃんの視線があっちこっちに行っておぼつかない。
 一体どうしたんだろうね。
「お姉ちゃん……。」
 クーちゃんが抱き着いてくる。
「私ずっとお姉ちゃんから離れないから……一人にしないでね。」
「クーちゃん、どうしたの?甘えっ子さん?」
 私はそんなクーちゃんの身体を抱きしめ返す。
(ミカ姉を一人にしちゃダメだよ。私がしっかり見張ってないと被害が大きくなるっ!)
 クーちゃんが何かブツブツ言っているけど、くぐもっていてよく聞き取れなかった。

「あー、とりあえず帰るか。」
 しばらくして復活したミュウの言葉に従って、私達は帰路に就くのだった。
 
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