勇者と魔王、選ぶならどっち?

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第三章 勇者の遺跡巡り

砂漠の街タハール~後編~

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 今、私の目の前には、苦渋に満ちた表情のギルドマスターがいる。
 「砂塵の塔へ入る許可は出せない」そう言ったっきり黙り込んでしまったため、私達も何も言わず、時間だけが過ぎていく。

 その態度に、言いたいことは山ほどあるけど、現在進行形で情緒不安定な私が何か言ったら、その後の流れ次第では、ギルドを消し炭に変えるかもしれないという自覚があるため、今はミュウに任せようと思うの。
 そのミュウは、少し躊躇った後、ギルドマスターに話しかけたのよ。

「今は出せないって、どういうこと?」
「そのままの意味だ。現在町ぐるみで『緊急事態宣言』を出している為、街の出入りを制限している。お前達も街にはいる時、かなり待たされただろう?」
 マスターの言葉に頷く私達。
 手続きにやけに時間がかかると思ったらそう言う事だったのね。

「それと砂塵の塔への許可が下りない関係は?」
「『緊急事態』というのが、砂塵の塔が魔族によって占拠されているからだ。」
 ギルドマスターの言葉に私達は息をのむ。
「それホントなの?」
「正確な所は分からん。「魔族を見た」と言って逃げ出してきた冒険者がいて、その後、調査の為に送り込んだ冒険者たちが誰一人として戻ってきておらんからな。」
「……送り込んだ冒険者のランクは?」
 ミュウが聞く。
 魔族じゃなくても、強いモンスターが現れた場合、冒険者のランクによっては返り討ちにあう事はよくある話なのね、だからミュウも確認したと思うんだけど。
「Cランクのパーティ4組にBランクパーティ2組、そして、最後に送り込んだのはメンバー全員がAランクのパーティだ。」
 Aランクパーティでも全滅するぐらいなので、相手が魔族でないとしても、相当な危険度があるとみて、ギルドとしては立ち入りを禁止せざるを得ないという話だった。

「ふーん、それはそれとして砂塵の塔について教えてもらっていい?」
 私がそう言うとギルドマスターが顔をしかめる。
「だから、砂塵の塔は……。」
「それは分かってるけど、それとは別に知りたいの。それとも情報規制でもしてるの?」
「そう言うわけではないが……まぁいいだろう。」
 そう言ってギルドマスターが教えてくれた砂塵の塔についての情報はこうだった。

 砂塵の塔は、20階層からなるタワー型のダンジョンで、上階層に行くにつれてフロアは狭くなり、出てくるモンスターは強くなる傾向にあるの。
 5階層ごとにボス部屋ともいうべき広い部屋があり、そこにいるボスを倒すことで上階へ行くか、転移陣で1階へ戻るか選べるらしいのね。
 だから、この時点で帰りたい人は帰れるんだけど、問題なのは、このボスは倒してもしばらくしたら復活するらしいのね。
 だから、次に挑戦するときは、またそのボスを倒さないと先に進めないってわけ。
 その所為で、砂塵の塔をクリアしたものはいまだにいなくて、最高到達フロアは15階なんだって。
 つまり、最後の5階層は誰も見た事がないからどうなっているのかもわからないんだって。

 ちなみに、ボス部屋を越えた後、次のボスを倒す前に帰りたい人は、ボス部屋まで戻ると転位陣が残ってるから、そこから帰れるの。ボス部屋と言っても、ボスの居る場所とは仕切られて別になっているから、わざわざボスのところにいかない限りは戦闘になることはないんだって。
 
「20階層までクリアしたらどうなるの?」
「分からん。噂では、何でも望みをかなえてくれるドラゴンが現れるとか、魔界へ転送されて、さらなる修羅の道に進むとか、とんでもない伝説のお宝が手に入るだとか言われてるがな、誰もクリアした事がないのに分かるはずがないだろ?」
「それもそうね。」
 マスターの答えに納得した私は、後はミュウに任せることにした。
 と言っても、街の出入りを制限されている状況では、ろくな依頼があるわけでもなく、また砂塵の塔以外目的の無かった私達にとっては、これと言って確認する事も無かった為、早々に宿に引き上げることにした。
 ちなみに、ギルドマスターの用事は、緊急事態宣言による注意事項を、新参者の私達に伝える事だったらしく、特に問題もなく解放された。

 ◇

「さて、これからどうしようかな。」
 食事を終え、部屋で寛いでいる所で、ミュウが口を開く。
「まぁ、当面のお金を稼ぐことが第一じゃないのかな?私達、ここの通貨持ってないし。」
「そうだねぇ。でもミカ姉、どうやって稼ぐの?また何か変なの作るの?」
「変なのって……クーちゃんとは後でゆっくりとお話・・しないといけないみたいね。」
「えーと、そのぉ、お姉ちゃんも疲れてると思うから、そう言うのはまた機会が有れば……。」
 そう言って逃げ出そうとするクーちゃんを、手早く捕まえ、膝の上に載せて背後から抱き締める。
「大丈夫よ。夜は長いからね。」
「あぅぅ……。」
 捕まったクーちゃんは観念したように、ガックリとうなだれる。

「それはそうと、本当にどうする気?何か考えはあるの?」
「うん、考えはあるんだけど、その前に……。」
 私は一息入れてから、マリアちゃんの方を見て告げる。
「エストリーファ、ユースティア、出てきなさい!」
 私が呼びかけると、妖精の姿の二人が現れる。
「今ここで何が起きてるの?あなた達なら知ってるでしょ?教えて。」
((…………。))
 だけど妖精達は答えてくれない。
 焦れた私は、語気を強めて再度問いかけることにした。
「女神ユニット達よ、勇者ミカゲの名において命じます。私の質問に包み隠さず答えなさい!」
 動向を黙って見守っていたミュウとマリアちゃんが少し驚いた表情を見せるけど、そのまま何もいわずに黙って見守っている。

(……ハァ、勇者の名を出されちゃ答えないわけにはいけないわね。でも禁則事項に引っかかることは無理だからね。)
 エストリーファが諦めたように言う。
(それで、何が聞きたいのじゃ?ちなみに「ここで何が起きてるか?」なんて事は我等にも分からぬよ。)
 ユースティアの言葉を聞いて、私は質問の仕方を変える。
「砂塵の塔には何があるの?私達が来なければならない理由って何?」
(………それには答えられないわ。今言えることは、「砂塵の塔を攻略すれば分かる」と言うことだけね。)
「しかし、砂塵の塔には魔族が……。」
(魔族などおらぬよ。もし居たのなら、我等が気付かぬ筈が無かろう?)
 ミュウの言葉を遮るように、そういい放つユースティア。
「えっ、でも……それじゃぁ……。」
「なぜ、魔族が居るってことになっているのでしょう?」
 言葉にならず、口をパクパクさせるミュウと、冷静に状況を分析しようとするマリアちゃん。
(いつの世も、私利私欲のために他者を謀る者はおるじゃろ。)
「そんなこと、どうだっていいわよ。とにかく、砂塵の塔をクリアしなきゃいけないって事でしょ?」
(そういう事ね。……砂塵の塔では意識をしっかり持ちなさい。私から言えるのはコレだけ……ゴメンね。)
 エストリーファはそれだけ言うと姿を消す。
(すまんのぅ。我等とて、出来ることに限りがあるのじゃよ。……砂塵の塔にいく前に、精神安定の効果を付与したアクセサリーを身に付けていくのじゃ。我が出来る忠告はこれくらいじゃよ。)
 ユースティアも、それだけを言い残して、同じ様に消えていった。

「ねぇミカ姉。砂塵の塔攻略はいいけど、立ち入り禁止なんでしょ?どうするの?」
 私の腕の中に収まっているクーちゃんが、見上げながらそう聞いてくる。
「そうだねぇ、どうしようもないから帰りましょうか?」
「「「えっ!?」」」
 私の言葉に驚く三人。
「仕方がないじゃない。目的の場所に行けないんじゃ、こんなところにいる意味ないでしょ?」
「それはそうだけど………。」
「でも砂漠って、景色に代わり映えがないから迷っちゃうよね。」
「あぁ、そうか!……そうだな、迷うよなぁ。」
 ミュウは私の意図が通じたらしく、そんな風に相づちをうってくる。
「そんな風に迷うんだもん、人工物があったら、迷い込んだって不思議じゃないよね?」
「そうですわね。女神様も私達に「迷える子猫ちゃん達……。」と呼びかけるくらいですから、私達人間は迷う性《さが》を持たされているので、仕方のないことですわ。」
 どうやらマリアちゃんにも伝わった様だけど、クーちゃんだけが分からず、頭の回りにハテナマークを一杯出していた。
 ウンウン、クーちゃんはそのまままっすぐに育っていってね。

「でね、最初の話に戻るんだけど、帰る前に色々準備したいんだぁ。そのための時間が少しかかるから、三人には滞在費を稼いで欲しいのよ。」
「それはいいけど、何すればいいの?ミカ姉、考えがあるって言ってたよね?」
 そう聞いてくるクーちゃんの前に、私はある機械をポンと置く。
「これは?」
「かき氷機よ。実際に動かしてみるね。」
 私は3人が注目する中、かき氷機に氷をセットして、横のハンドルをガリガリと回すと、下にセットされた器に、白い氷があっと言う間に山になる。
 器を代え、続けてガリガリして、瞬く間に4人分のかき氷を作り上げる。
 後は仕上げとして赤いシロップを掛けて出来上がり。
「どうぞ、食べてみて?」
 私はそう言いながら、自分の分の氷を口に運ぶ。
 きめ細かく削られた氷は、口の中に入るとあっという間に溶け、清涼感とシロップの甘味が口の中一杯に広がる。
 喉越しのヒンヤリとした感じは、暑さで茹だっている身体を心地よく冷やしてくれる。
 ヤッパリ夏はカキ氷だよね。

「これはっ!」
「冷たくて美味しい……。」
「素晴らしいくらい贅沢ですわね。」
 最初は恐る恐ると言った感じの三人だったが、一度口に入れると止まらなくなったようで、一心不乱にかき込み始める。
「あっ、そんなに急いで食べたら……って遅かったかぁ。」
 三人はいきなり襲ってきた頭痛に、頭を抱える。
 所謂「アイスクリーム頭痛」と呼ばれる、アレである。

「何なのよコレっ!」
「慌てて食べるからだよ。いきなり冷たいのをいっきに食べたから、身体がビックリしてるのよ。」
 私はミュウにそう説明する。
 販売前にしっかりと説明しておいた方が良さそうね。
 私はミュウ達の姿を見ながらそんな事を考えていた。

 ◇

「お帰りぃ~。どうだった?」
 帰ってきたミュウ達に声を掛ける。
「うん、大盛況。昼前には売り切れちゃったわ。もっと高くてもよかったんじゃないの?」
 ミュウがそんな事を言いながら、手にしていたバックを渡してくれる。
「ありがと、……かき氷の料金はアレでも高いぐらいだよ。原価もかかってないし、いいんじゃない?」
 私はミュウに答えながら、バックの中身を取り出し目の前に積み上げていく。
 ミュウが持ってきてくれたのは、砂漠地帯に生息する植物『パロエ』。
 厚めの葉からとれる葉肉は淡泊だが食用出来る。
 そして、葉肉から絞り出した汁はそのままでもわずかな効果があるが、それを基に調合すると万能薬になるため、優秀な素材として各地に輸出されている。
「そう言えば、ヘンなのに絡まれなかった?」
 私がそう聞くと、ミュウは疲れたような表情を見せる。
「あのねぇ、あんなの売って絡まれないわけないでしょうがっ!」
「あ、やっぱり?」
「ヤッパリって……アンタ分かってたのっ?」
「ミュウって、私の事おバカだと思ってるでしょ?酷いなぁ。この水が貴重な砂漠の街で、それ以上に貴重な氷を、あんな気軽な価格でホイホイ売ってたら、善からぬ事を企むバカな人間が集まってくることぐらい誰でもわかるわよ。」
「あ、アンタねぇ……ハァ、まぁいいわ。」
 ミュウは何か文句を言いかけたけど、結局何も言わず、代わりに大きなため息を吐く。
「ミュウに任せておけば安心だからね。……で、戦利品もあるんでしょ?調整するよ?」
 私はそう言って手を差し出すと、ミュウは、やれやれと言った感じで更に溜息を吐く。
「そのバックの中に入ってるわよ。」
 そう言われて私はバックを漁る。
「あ、ホントだ……えっと、ナイフが、ひぃふぅみぃ……21本と、コレは、ククリ?」
 私はナイフに混じっていた数本の大ぶりなナイフを手に取る。
「この辺りで使われている独特の武器ね。動きが変則的だったから少し焦ったわよ。」
「そっかぁ……ちょっと待っててね。」

 私は携帯用の溶鉱炉を取り出し、ミュウの持ってきた戦利品をすべて放り込む。
 溶融して解けた塊に魔力を流してインゴットを作成し、それを取り出す。
 そのインゴットを手に取り、モデリングの魔法でミュウの手に合う双剣の形を作り出す。
 このままでは、形だけでまともに斬れないので、魔石で出来た砥石を取り出し、少しづつ魔力を流しながら刃を研ぎ形成していく。
 最後に軽量化と斬れ味向上、魔力コーティング、風の属性を付与して完成する。
「お待たせ。間に合わせだけど、手には馴染むはずよ。」
「はぁ、初めてみたけど、凄いもんだね。そんな簡単に出来るもんなんだ?」
 受け取った双剣を2~3回振り回し、感触を確認しながらそう言うミュウ。
「これは魔法併用してるからね、どっちかって言うと邪道だから、まっとうな鍛冶屋さんの前でそんなこと言ったらだめだよ。」
 私はそう言いながら残ったインゴットで薄手のインナーを作成する。
 革鎧よりちょっと防御力がある程度だけど、ないよりマシよね。
「それに、これくらいなら、今のクーちゃんでも出来るようになっているわよ。」
 私はミュウに、出来上がったインナーを手渡しながらそう言う。

「バカなこと言わないでよ、ミカ姉。」
 丁度その時、帰ってきたらしいクーちゃんが文句を言ってくる。
「えー、でもクーちゃん頑張ってるの知ってるよぉ。」
「だからと言って、私はミカ姉みたいなバカみたいに魔力を流せませんっ!私じゃぁミュウお姉ちゃんの、その双剣を作るのに1週間かかりますっ!」
「そうなの?」
「そうなんですっ!ミカ姉は自分の非常識さをもっと自覚してっ!」
「非常識って……うぅ……。」
「まぁまぁ、ミカゲさん。」
 クーちゃんと一緒に帰ってきたマリアちゃんが、私を抱きしめて慰めてくれる。
「まりあちゃーん……。」
 ……マリアちゃん、また育ってる。
 私はマリアちゃんのフカフカに顔を埋めながらそんな事を考えていた。
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