有栖川悠は女の子が好き!?

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悠と明日香の夏休み その1

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「今度みんなでそっちに行くよ」
そんなメッセージが入ってから2日ほど経っているが、未だ返信が出来ていない……。

「ていっ!」
「あたっ!!……何するのよぉ、みゃぁこ。」

明日香は、いきなり頭にチョップを落としてきた、親友?の小松都に文句を言う。

「なに?じゃないわよっ!!アンタいつまでもボケてるんじゃないわよっ!」
「えっと、その言い方は流石に酷くないかなぁ?」

明日香は少しむっとして言い返す。
「はぁ?そう言うこと言う?じゃぁ、アンタがサインしたコレ、戻してきてもいいのね?」
都がそう言って、書類を一枚ひらひらとする。
そこには確かに明日香のサインが。そして、その書類の頭に書かれていたのは……。

『銀髪少女隊、入隊承諾書』

「はぁっ!!なんでそんなのにっ!」
「知らないわよ、アンタがサインしたんでしょうに。何かの間違いだと思って、こうやって取り上げて来たんだけどぉ?」
都が意地悪そうに、にまっと笑う。
「都ちゃん……いいえ、都様、どうかそれをビリビリッと……。」
「してほしかったら、今夜悠の家に集合。お泊り女子会に参加する事。そしてそこで洗いざらい吐くのよ。」
「洗いざらい吐けって……。」
「この期に及んで誤魔化すっていうなら、もう何も言わないわよ。……銀髪少女隊、がんばってねっ。」
「うぅ……それだけはいやぁ……。」
明日香は、都に降参し、後で悠の家に行くことを約束するのだった……。



「えっと、ここかな?」
大きい……それしか感想が出てこない。
明日香の家も、それなりに裕福な家庭ではあるが、父親の仕事の関係上、いつでも引き払えるマンション住まいであった。
だから、庭付き一戸建ての悠の家がとても大きく見えたのだ。

実際、悠の家は大きい。
母親の亜里沙が、世界的有名なアスリートであるため、自宅にも、様々なトレーニング施設が整っているからだ。
まず、裏庭にあたる場所には、テニスコートが一面と、ストバスするには十分なハーフスペースのバスケコートがある。
家の地下には、最新設備が整ったトレーニングジムと併設された室内プールに、専用のシャワールーム迄あり、、少人数であれば合宿できるほどの環境だったりする。
因みに、少人数と言うのは、20畳の客間2室に寝泊まりできる限界なので、詰め込めばそれなりの人数は大丈夫だったりする。

これまでも、亜里沙の伝手で全日本の女子バレー部レギュラーや、バスケ女子オリンピック強化選手などの合宿が、ここで行われていたりもする。
悠がスポーツ万能なのは、幼いころから母親だけでなく、そう言った一流の選手から指導を受けていたのも要因の一つであった。

閑話休題

「えっと、……」
「あ、待ってたよ―、入って、入ってー。」
明日香が呼び鈴を探してうろうろ……というかオロオロしていると、中から悠の声がかかる。
「あ、ユウちゃん、お邪魔しま……って何でメイド服?」
出迎えてくれた悠の格好は、ミニスカートが翻る、白と黒のメイド服。
スカートの裾や襟元など、ふんだんにレースをあしらい、着用者の愛らしさ、可愛らしさをより強調させている。

「え?だって、都が、『おもてなしするならこの格好でしょ?』っていうから。……おかしい?」
「あ、ううん、おかしくない、似合ってるし可愛いよ。」
そう、見た目はどこもおかしくない……むしろ、これ以上に可愛らしいメイドさんは存在しないだろうと思えるほどに合っている。
問題は、悠が男の子だって事なんだけど……
……いや、本当に男の子なんだろうか?
見れば見るほど疑わしくなってくる。

明日香は確かに、その証拠を見た……見たはずだ。
しかし、目の前の悠を見ていると、アレは夢か錯覚か、とにかく、何かの間違いなのでは?と思えてくる。

「ユウちゃん……可愛い。」
「えっ、ホントっ!嬉しいなぁ。」
ふにゃぁとした笑顔を見せる悠を見て、「ホント、反則級に可愛いんだから」と小さなため息を吐く明日香だった。



「これから女の子だけのパジャマパーティよっ!」
どんどんパフパフ―♪
という効果音を鳴らしながら都が宣言する。

場所はユウの部屋のベッドの上。悠のベッドは部屋の広さにあわせてキングサイズのベッドだから、女の子が三人乗っていても十分広い。
ふわふわの毛布に囲まれた夜の部屋。パステル色のパジャマを着て、三人は輪になって座っていた。
甘いポップコーンの匂いと、ほんのり漂うシャンプーの香りが混ざって、ゆるやかな幸福感が漂っている。

「あのぉ、ボク男なんだけど?」
「細かい事は気にしないのっ!」
「細かくないよっ!」
都の言葉に、悠が反論する。
「大体、お泊り会はいいとして、寝るのがなんでボクの部屋なのさ?都たちは年頃の女の子って自覚あるのっ!」
悠の言葉に、都が呆気にとられた顔をする。
「何か問題あるの?」
キョトンとして都が訊ねる。
これは本当に分かってない顔だ……ユウはそう思うと、思いっきり顔をしかめて告げる。



「あのね、ボクはこれでも男なんだよ?一緒に寝て、もし間違いでもあったら……。」
「ユウが狼さんになるってこと?」
都があざとく可愛らしい笑みを浮かべる。
「そ、そりゃぁ、ボクだって……」
「興奮しちゃう?」
都はそう言ってパジャマの胸を少しはだけさせる。
ふくよかな胸元から覗く深い谷間。胸の先端がギリギリ見えないラインを計算しているが、悠になら見られてもいっかと思っていたりする。

「もぅ、そうやっていつも揶揄ってっ!」
悠が慌てて都のパジャマの襟元を閉じる。
「あ、胸触った。」
「っ!!!」
都が揶揄うと、悠が真っ赤になって絶句する。

「もぅ、ユウちゃんを虐めないの。」
見かねた明日香が、悠を都から引き剥がす。
「明日香ちゃぁぁん……。」
涙目の悠が明日香の胸に顔を埋める。
明日香は、そんな悠を優しく抱きしめ、「よしよし」という様に、ポンポンと背中を軽く撫でている。

明日香は、胸にかき抱いているのが……そのふくよかな胸に顔を埋めているのが男の子だと自覚しているのだろうか?

……してないだろうなぁ、と、都はニヤニヤしながらその様子を眺め、「こっちの世界へようこそ。」と小さな声でつぶやくのだった。






「それで?明日香は何を悩んでいるの?」
夜も更け、お菓子やジュースとおしゃべりを散々楽しんだところで、都が、今日の本題とばかりに切り込んでくる。
「ふぇ?にゃにをぉ?」
を飲み過ぎたのか、アスカの呂律がやや怪しくなっている。
「だからぁ、悩んでたでしょうがぁ。ユウがいると言えないよな女の子の悩み?」
都も、口調はしっかりしているものの、やや目つきが怪しい。
因みに、悠は、トローンとした目つきで都と明日香に抱きしめられたまま呆けている。半分眠っているのかもしれない。

「大したことじゃにゃいのよぉ……。」
を飲み過ぎたせいか、明日香の口も軽くなっていて、ここのところ抱えていた悩みを吐露し始める。
向こうでの初めてのお付き合いの事。
転校したことで遠距離になってしまい、舌の根も乾かないうちに振られたこと。
相手が親友だと思っていた子だという事。
それら諸々を吹っ切ったと思えた矢先に、会いに来たいというメールが来たことなどなど……。

「今更あってぇ、にゃんのはにゃしをしゅるのよぉ……。」
そう呟いていると、横からぐす、ぐすとなき声が聞こえる。

「にゃんでぇ、悠ひゃんはぁ、にゃいてるにょよぉ……。」
「だって……アスカちゃんが可哀想で……。今度からは何でも言ってよ。ボク一緒に泣いてあげるから……。」」
グスグスと、嗚咽を漏らしながらそう言う悠を明日香は抱きしめる。
「ユウひゃんはぁ、ホントきゃわぃぃねぇ……。」
「ってか、悠、そこは「ボクが明日香を護る」っていう所でしょ?」
「だって、ボクにそんな力ないの知ってるでしょ?喧嘩は嫌いだし……。」
少し情けない声を出すユウ。

「いいにょよぉ……ユウひゃんはわたひが護ってあげゆからぁ……」
呂律のまわらない声でそう言いながら明日香がおもむろに悠にキスをする。
「ちょ、まっ、んッ……。」
逃れようとした悠だが、すぐに大人しくなり、明日香に身を任せている。
「あら、大胆。」
都が面白そうな声をあげると、悠から唇を離した明日香が、都に狙いを定める。
「みゃーこもぉ……ん~……。」
都の手を引き、その身体を引き寄せキスをする明日香。
(あららぁ、明日香はキス魔だったかぁ。……これから飲ませるときは気をつけなきゃね。)
都は、を背中に隠しつつ、明日香が満足いくまでキスに付き合ったのだった。

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