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引きこもり聖女と辺境の村 その2
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外が騒がしくて寝れやしない。
ユウも同じだったのか、小さなあくびをしつつも身を起こしている。
ミヤコの姿が見えないところを見ると、先に外に出たのだろうか?
そんなことを考えつつ、エルザはユウの髪を梳かす。
時間をかける余裕はないので、手早く済まし、自分の身支度も整える。
ユウの身だしなみをチェックした後、エルザとユウは連れ立って扉の前に立ち、そっと手をかける。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
「大変申し訳ございません……。」
「何卒、何卒お許しを……。」
「お怒りはごもっともでございますが……。」
扉が少し開くと、謝罪のオンパレードが聞こえてくる。
一体何があったのだろうか?
意を決してエルザは扉を開く。
エルザとユウが外に出ると、周りの喧騒が更に騒がしくなる。
「おぉ!聖女様だ。」
「聖女様がおわしなすった。なんてお綺麗な……。」
「ありがたや、ありがたや……。」
ユウの姿を見て、騒ぎの元である、その場に集まっていた村人達が一気に押し寄せる。
「な、なんなのよ、一体。ミヤコ、カズト?」
結界に阻まれて、近づけないのが幸いしているが、それでも何もない空間にへばりついている人々というのは、、見ていてあまり美しいものではない。
状況を説明してもらおうとミヤコたちを見るエルザだが、ユウから目を離したのがいけなかった。
「うるさい、邪魔。」
ユウが結界を解くと同時に爆風の魔法をぶつける。
固まっていた村人たちは、避ける間もなく、爆風で吹き飛ばされる。
ただでさえ寝起きの悪いユウが、この状況を見たらやることは決まっている……知っていたはずなのに、最近は大人しかったせいか、つい失念していたエルザだった。
◇
「で、なんなの一体?」
エルザは目の前にいる集団に声をかける。
あれから、ユウは三度ほど群衆を吹き飛ばし、このままでは埒が明かないと見たエルザが、代表者だけ残して去る様に説得したのだ。
エルザの説得は功を奏し、村人たちは蒼い顔をしてそそくさと村へ帰っていった。
そして残ったのが、目の前にいる5人の村人である。
「一応確認するけど、昨日の村の人たちよね?まだ文句が言い足りないの?」
「エルザは5人のうち、若い青年二人を睨む。
昨日カズトに文句を言っていた集団の中にいた二人だ。
「いえ、滅相もないです。この度はとんだご無礼を……。」
「平に、平に、ご容赦を。」
慌てて飛び退り、地面に額をこすりつけて土下座をする二人。
「どういうこと?」
「さぁ?」
エルザはミヤコに視線を向けるが、ミヤコだって何が起きているのかわからないので、ただ首を振るだけだった。
「まずはお礼を言わせておくれ。私の名前はマルガリータ。村を賊から救ってくれただけでなく、私や、こっちの村長を始めとして、怪我を治してくれてありがとう。村を代表してお礼申し上げるさね。」
一歩前に出てきて、そう言って頭を下げる妙齢の女性。
「あ、昨日一番酷かった人。大丈夫?」
ユウがそう呟く。
「あぁ、聖女様のお陰で、こうして元気でいられるよ。本当にありがとう。」
マルガリータはユウの手を握り、何度も何度も頭を下げる。
「ウム、儂等の命を救ってくれた恩人に一言お礼をと思ったのじゃが、儂の意識が戻った時にはすでに村を出ていったと聞いてのぅ。」
村長と呼ばれた初老の男性が口を開く。
「しかし、話を聞けば、こ奴ら青年団が粗相をしたというではないか?村の恩人、命の恩人を粗末に扱うなど、鬼畜の所業じゃ。しかし、こ奴らの処分より、まずはお礼が先と思っての、夜を徹して探していたというわけじゃ。」
「はぁ……ソウデスカ。」
エルザたちは困惑する。成り行きで助けただけであり、特にお礼を言われるようなことはしていない。
青年団に腹を立てたこともあり、村人の治療だって中途半端に放り出してきているのだ。
ミヤコやカズトに至っては、自分はただ震えていただけで何もできなかった、と思っているだけに、お礼を言われるのは筋違いだと感じていた。
「お礼と言ってもご覧のあり様じゃて、何も出来ぬが、せめて村に来て持て成しをさせてはもらえぬか?このまま、はい、サヨウナラ、ではわしらの気が収まらぬ。それにこやつらの処分も決めてもらいたい。」
総長はそう言って、土下座をしている青年の頭を踏みつける。
「処分って言われても……カズト、どうする?」
「ここで俺に振るのかよ。」
「だって、一番迷惑被ったのカズトでしょ。だからカズトが決めて。殺せ、でもいいし、馬に引きずらせてもいいし、魔物への生贄にしてもいいわよ。」
エルザの言葉に青年たちが震えあがる。
心なしか村長の顔も蒼褪めているように見える。
「酷いなっ!……いいよ。誤解だってわかってくれれば。謝罪もしてもらったし、これ以上なにも必要ないよ。」
カズトはそう言って村長の足をどけ、青年たちを立たせる。
「あー、なんか、かえって悪かったな。」
「いや、俺たちの方こそ申し訳なかった。村の恩人に対する態度じゃなかった。殺されても文句言えないのに、許してくれるなんて、さすがは聖女様のお付きだ。この恩は一生忘れない。」
男はそう言って、村長に二言三言何かを告げてからその場を立ち去る。
「あやつ……ジョグというのだが、一応村の青年団のリーダーをやっておっての。短慮ではあるが、仲間想いの根はいい奴なのじゃ。寛大な御心に改めて感謝申し上げますぞ。」
村長が深々と頭を下げる。
「さて、後は、あなた方への持て成しですが、どうでしょう、受けてもらえますかな?」
今まだ黙って成り行きを見ていた若い男が口を開く。
この男は、村の取りまとめ役でミンスと名乗る。
村長と、マルガリータ……主婦連合の代表なんだそうだ……と、取りまとめ役のミンスの三人が村の代表という事で、村についての取り決めはこの三人の協議で決められているらしい。
「でも、村が大変な時にお邪魔では?」
「いえいえ、ここだけの話、私共も下心があります。」
にこやかに笑いながら言うミンス。
「ご存じの通り被害はかなりありますが、それ以上に村人たちの心の傷が大きいのです。そこに重傷者をも無償で癒してくれる聖女様が現れたというのは、村人たちの心の大きな拠り所となるのですよ。それに怪我人もまだ多くいますので、ついでで構いませんので治していただけたらいう事はない、という打算もあります。」
これは私たちに気を遣わせないための方便だろう、とエルザは思う。
最も、半分は本音も交じっているだろうが。
ここでエルザは考えこむ。
エルザたちの今の第一目標は情報を得る事だ。
ここがどこかもわからないのでは、何もできない。
第二に、ユウの回復。
あの遺跡から出て、急速に回復している筈だが、それでもユウが普段通りまで回復するには1週間はかかるだろう。
その間、野営でもいいが、落ち着いて休める場所があるならそれに越したことはない。
「……お持て成しって、女の子もいる?」
「え、えぇ、それはまぁ……。」
歯切れ悪く、マルガリータが頷く。
ユウのような女の子が、持て成しに女性を付けろというのだから、かなり困惑しているに違いない。
「エルたん、お持て成し、受けよう。」
ユウが勢いよく言ってくる。
「女の子はいないからね。……という事で、ユウのいう事は気にしないでくださいね。」
エルザがそう言うと、マルガリータは、複雑な笑みを浮かべながら頷く。
「お持て成しは結構ですが、お言葉に甘えさせてもらえるなら、しばらくの間、あの教会を貸していただけますか?元気そうに見えますが、ユウはかなり弱っていまして、ゆっくり休めるところが必要なのです。」
「おぉ、そういう事であれば、しばらくと言わず、いつまでも好きなだけ滞在されるとよい。教会も掃除が必要じゃが、以前いたシスターはそこで寝泊まりしていたので、設備は整っておる。」
「そうですか、ありがとうございます。……ところで、以前いらしたシスターさんというのは?」
「……数か月前にも、村が襲われたことがあってね、その時に……。」
「そうですか。余計な事を聞いてすみません。」
「いえいえ、いいんですよ。それより、あそこに住むならまずは掃除さね。村の女性に声をかけてくるよ。」
マルガリータはそう言って、一足先に村へと戻っていった。
「では、私たちも先に戻っていますので、準備が出来たらお越しください。今夜は歓迎の宴を催しますので。……いえいえ、気になさらないでください。ああいう事があったので、気晴らしは必要なのですよ。言い方は悪いですが、あなた方を肴に、騒がせてもらう、という事です、はい。」
ミンスは笑いながら言うと、村長を連れて村へと戻っていった。
「なんか、変な人だね、ミンスさんって。」
姿が見えなくなってから、ミヤコがボソッと呟く。
「うん、半分は気遣ってくれてるんだろうけど、半分は本音だよね、絶対。」
「まぁいいじゃねぇか。向こうがこっちを利用するって言うんだから、こっちも気兼ねなく利用させてもらおうぜ。」
「ま、そういう事ね。」
カズトの言葉にミヤコも頷く。
「ん、村の女の子、傷ついてるから癒してあげたい。」
「ユウ……。いい娘ねっ。」
思わず抱きしめるエルザ。
「……ユウちゃん、本音は?」
「傷心に付け込んで私無しじゃ生きられないように洗脳する。」
「……一瞬でも感動した私が馬鹿だった。」
「ユウちゃんの発言だけ聞いてると『聖女』じゃなくて『性女』よね。」
「座布団一枚。」
ミヤコの言葉に、カズトがエルザには解らない合の手を入れる。
「ま、どうでもいいけど、ここを片付けて、少し狩りしていきましょ。宴とはいっても、食料不足じゃ楽しめないでしょ?」
エルザがそう言いながらテントを片付け始める。
ミヤコたちもそれに倣い、野営の跡を手早く片付ける。
その後、仕留めたビックボア2頭をもって村へ行くと、村人たちから大歓迎を受けた。
歓迎してるのはエルザたちなのか、ビックボアなのかわからないが、それでも、昨日の惨劇を忘れたかのように、村人たちは終始笑顔で、夜が更けるまで歓迎の宴は続くのだった。
ユウも同じだったのか、小さなあくびをしつつも身を起こしている。
ミヤコの姿が見えないところを見ると、先に外に出たのだろうか?
そんなことを考えつつ、エルザはユウの髪を梳かす。
時間をかける余裕はないので、手早く済まし、自分の身支度も整える。
ユウの身だしなみをチェックした後、エルザとユウは連れ立って扉の前に立ち、そっと手をかける。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
「大変申し訳ございません……。」
「何卒、何卒お許しを……。」
「お怒りはごもっともでございますが……。」
扉が少し開くと、謝罪のオンパレードが聞こえてくる。
一体何があったのだろうか?
意を決してエルザは扉を開く。
エルザとユウが外に出ると、周りの喧騒が更に騒がしくなる。
「おぉ!聖女様だ。」
「聖女様がおわしなすった。なんてお綺麗な……。」
「ありがたや、ありがたや……。」
ユウの姿を見て、騒ぎの元である、その場に集まっていた村人達が一気に押し寄せる。
「な、なんなのよ、一体。ミヤコ、カズト?」
結界に阻まれて、近づけないのが幸いしているが、それでも何もない空間にへばりついている人々というのは、、見ていてあまり美しいものではない。
状況を説明してもらおうとミヤコたちを見るエルザだが、ユウから目を離したのがいけなかった。
「うるさい、邪魔。」
ユウが結界を解くと同時に爆風の魔法をぶつける。
固まっていた村人たちは、避ける間もなく、爆風で吹き飛ばされる。
ただでさえ寝起きの悪いユウが、この状況を見たらやることは決まっている……知っていたはずなのに、最近は大人しかったせいか、つい失念していたエルザだった。
◇
「で、なんなの一体?」
エルザは目の前にいる集団に声をかける。
あれから、ユウは三度ほど群衆を吹き飛ばし、このままでは埒が明かないと見たエルザが、代表者だけ残して去る様に説得したのだ。
エルザの説得は功を奏し、村人たちは蒼い顔をしてそそくさと村へ帰っていった。
そして残ったのが、目の前にいる5人の村人である。
「一応確認するけど、昨日の村の人たちよね?まだ文句が言い足りないの?」
「エルザは5人のうち、若い青年二人を睨む。
昨日カズトに文句を言っていた集団の中にいた二人だ。
「いえ、滅相もないです。この度はとんだご無礼を……。」
「平に、平に、ご容赦を。」
慌てて飛び退り、地面に額をこすりつけて土下座をする二人。
「どういうこと?」
「さぁ?」
エルザはミヤコに視線を向けるが、ミヤコだって何が起きているのかわからないので、ただ首を振るだけだった。
「まずはお礼を言わせておくれ。私の名前はマルガリータ。村を賊から救ってくれただけでなく、私や、こっちの村長を始めとして、怪我を治してくれてありがとう。村を代表してお礼申し上げるさね。」
一歩前に出てきて、そう言って頭を下げる妙齢の女性。
「あ、昨日一番酷かった人。大丈夫?」
ユウがそう呟く。
「あぁ、聖女様のお陰で、こうして元気でいられるよ。本当にありがとう。」
マルガリータはユウの手を握り、何度も何度も頭を下げる。
「ウム、儂等の命を救ってくれた恩人に一言お礼をと思ったのじゃが、儂の意識が戻った時にはすでに村を出ていったと聞いてのぅ。」
村長と呼ばれた初老の男性が口を開く。
「しかし、話を聞けば、こ奴ら青年団が粗相をしたというではないか?村の恩人、命の恩人を粗末に扱うなど、鬼畜の所業じゃ。しかし、こ奴らの処分より、まずはお礼が先と思っての、夜を徹して探していたというわけじゃ。」
「はぁ……ソウデスカ。」
エルザたちは困惑する。成り行きで助けただけであり、特にお礼を言われるようなことはしていない。
青年団に腹を立てたこともあり、村人の治療だって中途半端に放り出してきているのだ。
ミヤコやカズトに至っては、自分はただ震えていただけで何もできなかった、と思っているだけに、お礼を言われるのは筋違いだと感じていた。
「お礼と言ってもご覧のあり様じゃて、何も出来ぬが、せめて村に来て持て成しをさせてはもらえぬか?このまま、はい、サヨウナラ、ではわしらの気が収まらぬ。それにこやつらの処分も決めてもらいたい。」
総長はそう言って、土下座をしている青年の頭を踏みつける。
「処分って言われても……カズト、どうする?」
「ここで俺に振るのかよ。」
「だって、一番迷惑被ったのカズトでしょ。だからカズトが決めて。殺せ、でもいいし、馬に引きずらせてもいいし、魔物への生贄にしてもいいわよ。」
エルザの言葉に青年たちが震えあがる。
心なしか村長の顔も蒼褪めているように見える。
「酷いなっ!……いいよ。誤解だってわかってくれれば。謝罪もしてもらったし、これ以上なにも必要ないよ。」
カズトはそう言って村長の足をどけ、青年たちを立たせる。
「あー、なんか、かえって悪かったな。」
「いや、俺たちの方こそ申し訳なかった。村の恩人に対する態度じゃなかった。殺されても文句言えないのに、許してくれるなんて、さすがは聖女様のお付きだ。この恩は一生忘れない。」
男はそう言って、村長に二言三言何かを告げてからその場を立ち去る。
「あやつ……ジョグというのだが、一応村の青年団のリーダーをやっておっての。短慮ではあるが、仲間想いの根はいい奴なのじゃ。寛大な御心に改めて感謝申し上げますぞ。」
村長が深々と頭を下げる。
「さて、後は、あなた方への持て成しですが、どうでしょう、受けてもらえますかな?」
今まだ黙って成り行きを見ていた若い男が口を開く。
この男は、村の取りまとめ役でミンスと名乗る。
村長と、マルガリータ……主婦連合の代表なんだそうだ……と、取りまとめ役のミンスの三人が村の代表という事で、村についての取り決めはこの三人の協議で決められているらしい。
「でも、村が大変な時にお邪魔では?」
「いえいえ、ここだけの話、私共も下心があります。」
にこやかに笑いながら言うミンス。
「ご存じの通り被害はかなりありますが、それ以上に村人たちの心の傷が大きいのです。そこに重傷者をも無償で癒してくれる聖女様が現れたというのは、村人たちの心の大きな拠り所となるのですよ。それに怪我人もまだ多くいますので、ついでで構いませんので治していただけたらいう事はない、という打算もあります。」
これは私たちに気を遣わせないための方便だろう、とエルザは思う。
最も、半分は本音も交じっているだろうが。
ここでエルザは考えこむ。
エルザたちの今の第一目標は情報を得る事だ。
ここがどこかもわからないのでは、何もできない。
第二に、ユウの回復。
あの遺跡から出て、急速に回復している筈だが、それでもユウが普段通りまで回復するには1週間はかかるだろう。
その間、野営でもいいが、落ち着いて休める場所があるならそれに越したことはない。
「……お持て成しって、女の子もいる?」
「え、えぇ、それはまぁ……。」
歯切れ悪く、マルガリータが頷く。
ユウのような女の子が、持て成しに女性を付けろというのだから、かなり困惑しているに違いない。
「エルたん、お持て成し、受けよう。」
ユウが勢いよく言ってくる。
「女の子はいないからね。……という事で、ユウのいう事は気にしないでくださいね。」
エルザがそう言うと、マルガリータは、複雑な笑みを浮かべながら頷く。
「お持て成しは結構ですが、お言葉に甘えさせてもらえるなら、しばらくの間、あの教会を貸していただけますか?元気そうに見えますが、ユウはかなり弱っていまして、ゆっくり休めるところが必要なのです。」
「おぉ、そういう事であれば、しばらくと言わず、いつまでも好きなだけ滞在されるとよい。教会も掃除が必要じゃが、以前いたシスターはそこで寝泊まりしていたので、設備は整っておる。」
「そうですか、ありがとうございます。……ところで、以前いらしたシスターさんというのは?」
「……数か月前にも、村が襲われたことがあってね、その時に……。」
「そうですか。余計な事を聞いてすみません。」
「いえいえ、いいんですよ。それより、あそこに住むならまずは掃除さね。村の女性に声をかけてくるよ。」
マルガリータはそう言って、一足先に村へと戻っていった。
「では、私たちも先に戻っていますので、準備が出来たらお越しください。今夜は歓迎の宴を催しますので。……いえいえ、気になさらないでください。ああいう事があったので、気晴らしは必要なのですよ。言い方は悪いですが、あなた方を肴に、騒がせてもらう、という事です、はい。」
ミンスは笑いながら言うと、村長を連れて村へと戻っていった。
「なんか、変な人だね、ミンスさんって。」
姿が見えなくなってから、ミヤコがボソッと呟く。
「うん、半分は気遣ってくれてるんだろうけど、半分は本音だよね、絶対。」
「まぁいいじゃねぇか。向こうがこっちを利用するって言うんだから、こっちも気兼ねなく利用させてもらおうぜ。」
「ま、そういう事ね。」
カズトの言葉にミヤコも頷く。
「ん、村の女の子、傷ついてるから癒してあげたい。」
「ユウ……。いい娘ねっ。」
思わず抱きしめるエルザ。
「……ユウちゃん、本音は?」
「傷心に付け込んで私無しじゃ生きられないように洗脳する。」
「……一瞬でも感動した私が馬鹿だった。」
「ユウちゃんの発言だけ聞いてると『聖女』じゃなくて『性女』よね。」
「座布団一枚。」
ミヤコの言葉に、カズトがエルザには解らない合の手を入れる。
「ま、どうでもいいけど、ここを片付けて、少し狩りしていきましょ。宴とはいっても、食料不足じゃ楽しめないでしょ?」
エルザがそう言いながらテントを片付け始める。
ミヤコたちもそれに倣い、野営の跡を手早く片付ける。
その後、仕留めたビックボア2頭をもって村へ行くと、村人たちから大歓迎を受けた。
歓迎してるのはエルザたちなのか、ビックボアなのかわからないが、それでも、昨日の惨劇を忘れたかのように、村人たちは終始笑顔で、夜が更けるまで歓迎の宴は続くのだった。
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