世界を破滅させる聖女は絶賛引き籠り中です

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引きこもり聖女と辺境の村 その3

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「えっと、一体何が起きてるの?」
ミヤコは目の前の光景を見て頭を抑える。
少し留守している間に何が起きたのだろうか?

ミヤコたちがこの村の教会に落ち着いてから10日が経つ。
村人の厚意に甘えているだけじゃ、ただのニートと変わりないので、状況が落ち着いたところで、この先の事も考えて、ミヤコとカズトは、この村の周り一帯をまわって情報収集をすることになったのだ。
すぐ戻ってくるね、と言ってこの村を出たのが三日前、それなりに有益な情報が集まったと、喜び勇んで帰ってきて、出迎えてくれてのが、目の前に広がる光景……。
ミヤコでなくても、頭が痛くなることは間違いない……筈なのだが……。

「なにって……ユウちゃんが治療してるんだろ?」
カズトが何を言ってるんだ?というように答える。
「それは見ればわかるわよ。っていうか、アンタはあの光景を見て何の疑問も抱かないわけ?」
「って言われてもなぁ?まだこんなに怪我人がいたってことが驚きだけど。」
何か問題あるのか?と不思議そうな顔で見てくる。
「……いい、アンタに聞いた私が馬鹿なだけよ。」
ミヤコは頭痛をこらえながら、再度目の前に広がる光景を見る。

教会の前の広場、一段高くなっているところに巫女服を着たユウが立っている。
そしてその前にずらっと並ぶ村人たち。
ユウは、その村人たちに、順番に回復魔法をかけている様だった。
……そこまではいいのだ。

ユウの魔力が回復していなかったため、怪我の治療などの行為は行っていなかったが、それでなくても、村の恩人という事で、村人たちは快く迎えてくれた。
自分たちの家の修繕もあるだろうに、率先して教会の掃除をしてくれた。
働き手を失って、これからの生活が苦しいだろうに、快く食料を運んでくれた。
自分たちも辛いだろうに、大丈夫だよ、元気出してね、と笑顔で励ましてくれた……。

そんな村人たちの恩義に報いるためにも、けが人や病人を癒す計画を立てたのはミヤコたちが出かける前の晩。
ユウの魔力もだいぶ回復したし、明日から少しづつ始めようって言ってたのを聞いているので、この光景はおかしくないはず……筈なのだが……。

「ん、どこを怪我してる?」
「あの……胸が……胸が痛むんです。」
「どれどれ?」
そう言って患者の胸を触り出すユウ。
「あっ、そこは……。」
「ん?よくわからない。」
恥ずかしいのか頬を染めて身じろぎする患者の様子を眺めながら、だんだん大胆に揉みしだき始める。
「あ、あの……、もう……。」
「ん、大丈夫、心配ない……キュア!」
ユウの手が光輝き、患者の胸のあたりを光が包み込む。
「あ……痛みがなくなりました。」
「ん、よかった。」
「ありがとうございます、聖女様。」
患者だった少女は、深々と頭を下げて去っていく。
ユウはそれを見送ると、次の患者の体を触り始める。

……おかしくはないのだが、ユウの手つきや視線が、なぜかエロく感じるのは気のせいなのだろうか?
しかし、それぐらいであれば、まだ問題はなかった。
問題なのは患者が男性の場合だ。

「次……ん、そこで止まる。」
ユウは次の患者が男だと分かると、自分から1m半ほど離れたところで止まるように指示する。
「あの、聖女様。おらは足を……。」
「うるさい!」
バシャッ!
ユウは男の言葉を遮ると、取り出した小瓶の中の液体をぶっかける。
「ハイ、次。」
「お、おぉ、聖女様ぁ!」
「うっさい。寄るな、帰れっ!」
「おぉ~、そのつれなさがイイっ!」
男はユウに罵倒されたにもかかわらず、恍惚とした表情でその場から離れる。

よく見てみると、少し離れたところから、その男と同じ表情でユウを見ている集団がある。
「あいつらは何なのよ?」
「はぁ、なんだろうな?」
「罵倒するユウちゃんもユウちゃんだけど、それで喜ぶって、バカなの?アホなの?」
「……世の中にはそう言う人もいるってこと……。あ、今度の奴、蹴り飛ばされたぞ。」
「……なに、あれ、蹴られて笑ってる……キモい。」
「どうやらあいつらはユウちゃんに罵られたり踏まれたりしたいがために、どうでもいい怪我を作って並んでるらしいな。」
カズトの言うとおり、漏その集団に注目していると「聖女様にけられた、幸せっ!」とか「あぁ、聖女様の足敷きになりたい。」とか「ユウたん、はぁはぁ……。」などなど、聞いているだけで頭が痛くなるような、こいつら沸いてんじゃね?と言いたくなるようなアホな会話が漏れ聞こえてくる。

そして極めつけなのが、その集団の中に村長とミンスが混じっていたことだった。
「この村も長くないわね。頭痛いわ。」
「まぁ……、そうだな。」
「あいつらの気持ちもわからなくもない」などとは口が裂けても言えないカズトだった。

「それよりエルちゃんはどうしたのかな?」
一番の違和感は、本来であれば止めに入っている筈のエルザの姿が見えない事だった。
「さぁ、姿が見えないなら中にいるんじゃないか?」
「ん……そうかも。私は戻るけど、アンタはどうするの?」
「あ、あぁ、俺も行くよ。一応報告しておきたいしな。」
ミヤコとカズトは、騒めく広場の脇を通り抜けて教会の中へと入っていった。



「うーん……。」
教会に入ってすぐの場所は、本来であれば信者たちがお祈りを捧げたり、司祭が説教をするための大聖堂となっている。
しかし、この教会では信者もいなければ司祭もいないため……別の意味で信者と教組が生まれつつある気もするが……、とりあえず、お客様を迎えるための客間兼、食事をするための食堂兼、寛ぐためのリビングとして使えるように改装してある。
そこで頭を悩ませているのがエルザだった。

「エルちゃん、ただいま。どうしたの?頭抱えて。」
「あ、ミヤコお帰り。」
エルザは顔を上げて挨拶してくれるが、その瞳からはハイライトが消え、顔色に生気がない。
「ホントにどうしたのよ。顔真っ青じゃない。」
ミヤコは慌てて駆け寄る。
「あ、ウン、ちょっとね……ユウじゃないけど、引きこもりたいって思ってるだけ。」
「それは……ユウちゃんは大喜びするね。」
「ウン、だから頑張ってるけど……、もう手に負えないっ。ミヤコが帰って来てくれてよかったよぉ。」
エルザはミヤコに抱きつき、その胸に顔を埋める。
普段のエルザでは考えられない行動だった。それはすなわち、それだけ参っているという証拠でもある。

「何があったの?ゆっくりでいいから話して。……あ、ありがと、それ置いたらユウの様子見てきて、場が落ち着いたところを見計らって戻ってくるように伝えてね。」
ミヤコは、エルザを優しくなでながら、お茶を持ってきたクロに声をかける。
クロは黙って頷いて、そのまま外へ出ていく。

「それで?」
「ウン、あのね……。」
エルザは、ミヤコから離れ、席に座りなおすと話し始める。
「まず、ミヤコ達はここがどこだかわかった?」
「あ、うん、それなんだけど、エルザーム王国の存在は誰も知らなかったわ。知らないくらい、遠く離れた場所って事は分かったけど、ここが何処かって話になると、国の名前がべリア王国ってことぐらいしか分からなかったわ。」
ミヤコはこの世界に来てまず取り掛かったことは、この世界の地理、国同士の関係、発展度、などを調べる事だった。
よくある異世界モノで、知識チートで無双する話もあるが、自分の知識がどれくらい通用するかを知らない事にはチートも何もあったものではない。

だからミヤコは、この世界の事を知ることから始めたのだったが、ミヤコが調べた限り「べリア王国」という国は存在してなかったはずだ。
「そっか……「アルシャーク帝国」とか「ガリア王国」という国名は聞いた?」
「あ、うん、名前だけは、街で聞いた。でも、べリア王国もガリア王国も、ましてやアルシャーク帝国なんて国は聞いたこともないんだけど?」
「そうよね……。ウン、こっちの話の前に、ミヤコ達の報告を先に聞いたほうがいいみたい。どんなことが分かったか教えて?」
エルザは落ち着きを取り戻したのか、いつもの瞳の輝きが戻っている。
「分かったわ。まずこの周りの地形についてね。」
ミヤコは調べてきたことを話し出す。

今ミヤコ達が逗留している村は「タウの村」と呼ばれていて、周りを森と山に囲まれている閑静な場所だ。
山の一部はすでに廃鉱となった鉱山であるが、村の人々の生活をわずかに潤すぐらいの鉱物は、今でも採ることが出来る。
また、山や森は自然の恵みが豊富で野生の動物もたくさん生息している。
偶に魔物も現れるらしいが、大抵は森の奥深くや山の頂と言った、普段村人が近寄らない場所から出てくることは稀だという。
なので、大きな街から隔離されているものの生活するには不自由しない場所とのことだった。

「半日ほど行ったところに「アルビオ」って街があるんだけど、それなりに活気づいていたぜ。まぁ、王都ほどじゃないけどよ。」
カズトがミヤコの話に補足するように言う。
周りの地形を把握した後、街まで足を延ばし、そこで情報を集めてきたというのだ。
この近隣には、アルビオの街以外の大きな街は、一番近くても馬車で2日はかかるため、近隣の村の産物や人は、自然とアルビオに集まるようになっていた。

このタウの村でも、2~3日に1回はアルビオに作物を売りに行き、必要な食料を買ってきたり、時間が出来た若者が遊びに行ったりしてるらしい。

「そこで聞いてきたんだけどよ、最近盗賊の被害が増しているらしいんだ。タウの他に、3つほどの村が襲われたって話だ。」
「そうそう、しかもね、盗賊の被害ってここ最近急激に増えてるらしいの。以前はなかったってわけじゃないけど、それでも数年に2~3件っていう被害だって話だから、そう考えると、ちょっと異常な増え方よね。」
ミヤコがそう補足する。
「ウン、それには心当たりがあるわね。それは後で説明するけど、他には?」
「そうね、他と言えば……。」
それから、ミヤコとカズトは、街で仕入れた情報を、エルザに伝える。

「……っと、こんな所ね。」
「あ、あと一つあった。」
「え、何かあったっけ?」
「あ、いや、ミヤコは知らない事だけど、ちょっと気になることがあるんだ。」
「気になること?」
「あぁ、街の奴隷商が言ってたんだけど……。」
奴隷商と聞いて都が顔をしかめるが、カズトは気づいてないらしく話をすすめる。
「近いうちにが大量に入荷されるって言うんだよ。奴隷商の商品って言ったら人って事だろ?そんなに簡単に手に入るのか?」
「どこかの村で生活できないほど困窮する何かが起きてるって事?」
「あぁ、その何かが分からないけど、タウの村は大丈夫なのかなって心配になってな。」
「ふぅん、でも、何で奴隷商の所に行ったのかなぁ?……このエロリ。」
「ば、バカッつ、違うって。」

「……たぶん、その答えもこれから話すことでわかると思うわ。」
ミヤコとカズトの言い合いを無視して、考え込んでいたエルザがおもむろに口を開く。
「そうね、まずはこれを見てくれる?」
そう言ってエルザが取り出したのは1枚の地図だった。
「これは……世界地図?」
ミヤコは思わず声を上げる。
この世界に来てから始めてみるものだった。
ミヤコの調べた限りでは、地図は一番広域のものでもその国を中心とした隣国迄のものであり、このような、海を隔てた大陸迄記してあるものはなかった。というより、海の向こうに大陸があるなんてことを知っている者は一人もいなかった。
誰に聞いても、「海の向こうには果てがあって、そこで行き止まりだ」という答えしか返ってこなかったのだ。

「やっぱり、存在したのね。」
「ミヤコは驚かないんだね。私は、つい先日まで、信じられなかったのに。」
「あ、うん、では当たり前の事だったし。逆に、この世界では他の大陸はないのかなって思ってたところよ。」
「そっか……。これはね、ユウにもらった地図なの。つまり10万年前の地図だから、地形がかなり変わってるっていうのよ……理解できないんだけどね。」
「大陸移動って事だろ?10万年も経てば革手手も不思議じゃないだろ?。」
「……それが理解できないのよ。なんで大地が動くの?」
「それは、大陸の下にプレートがあって……。」
「あ、うん、ユウも色々言ってたけど、本題はそこじゃないのよ。」
説明しようとするカズトの言葉を遮り、エルザは話をすすめる。

「ユウが言うにはエルザーム王国があるのがこっちの土地だって事なんだけど、確証はないって事なの。それでね、じゃぁ今の場所はって事なんだけど、エルザーム王国どころかサンク帝国の名前まで知らないとなると、別の大陸なんじゃないかって思ったのよ。だからね、施設の場所はクロが知っているはずだからって、クロに色々聞いて、ユウの推測を交えて導きだしたのがここ。」
エルザはそう言って、地図の一点を指し示す。
「たぶんこの辺り一帯がべリア王国で、その中のこの辺りがタウの村じゃないかと思うのよ。」
エルザが指示した場所は、エルザーム王国があると言っていた大陸の反対側に位置する大陸で、その中でもかなり端の方だった。

「それでね、ガリア王国が隣国に位置しているんだけど、……たぶん、この国と戦争が起きるわ……ううん、実際にはもう起きているのかもしれない。タウの村はかなり辺境だから情報が遅いだろうし、どこまで影響があるか分からないけどね。」

エルザの思いもかけない言葉に、ミヤコとカズトはすぐに言葉を返せなかった。


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