ヘタレ勇者の成り上がり~ボッチにハーレムは厳しいです~

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稼ぐぞ!目指すは金貨30枚!!

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「ふふぁぁぁぁ……。オハヨーございます、ご主人様ぁ……ふにゃぁ……。」

ミィナは朝が弱いのか、起きたと思ったらそのまま倒れこんでくる。

……くそっ、これを生殺しっていうんだぞ。

俺は生理現象を宥めながら、そっとベッドから出て、朝の身支度を整える。

そして、いまだ眠り続けるミィナを見て、ある仕返しを思いつき、ベッドの横にいすを置いて、そこに座って眠るミィナの寝顔を観察することにした。

……まつ毛長いんだな。

閉じられている瞳を覆うかのような長く繊細なまつ毛が、窓から差し込む陽の光を受けて金色に輝いている。

何か、楽しい夢を見ているのだろうか?その口元が、時々へにゃりと歪む。
夢の仲はとても楽しそうだなぁ、と眠る少女の顔を眺めながらニヤニヤする。

……やっぱり美少女だよなぁ。

相手が美少女であれば、こうして寝顔を見ているだけでもなんだか楽しい。

試しに、そのぷくっとした頬を突っついてみる。

「うにゃぁ……、らめれすぅ……。」

寝ぼけながらも、イヤイヤと首を振るミィナ。

……イカン、楽しくなってきた。後、ちょっとヤバい……。

俺はミィナを起こさないように席を立ち、トイレへと向かった。



「……おふぁよぉごじゃいますぅ……。」

ミィナが目覚めたのは、俺が戻って来てから5分ほど経ってからだった。

「ふふぁぁぁぁ……ご主人様?何してらっしゃるのですか?」

俺と目が合うと、ミィナは一気に覚醒したようで、真顔で聞いてくる。

「いや、ミィナが起きないから、寝顔を眺めてた。」

俺がそういうと、ミィナの顔が一気に真っ赤に染まる。

「な、な、な、なんでそんなことするんですかっ!」

……うん、予想通りの反応だ。

こっちはミィナのせいで、寝れなかったんだから、これくらいの仕返しは許してほしい。

「うぅ……恥ずかしいです。不覚を取りました。……って、いつまで見てるんですか?着替えるので、あっちを向いてください。」

「いいじゃないか、着替えを見たって契約違反にはならないだろ?」

「確かにそうですけどっ……、恥ずかしいのであっち向いてください。」

「えぇ~。」

「……昨日のこと、通報しますよ?」

「ちっ!」

俺は仕方がなく、後ろを向くことにした。

……見てろ、いつか必ず見てやるからな。

ミィナが身支度を整えると、俺たちはそろって階下の食堂へと降りていく。

この世界では1日2食が普通らしく、朝食のメニューもそれなりにボリュームがある。

俺たちは食事をした後、食後のお茶を飲みながらそのまま作戦会議へと移る。


「ご主人様が無知なのはわかりましたので、私が色々教えて差し上げます。」

「そうだな、頼むよ。」

俺は素直にその言葉に頷く。

昨日、ミィナに教えてもらったのだが、俺はすでにこの世界でぼったくりの被害にあっていたらしい。

そうあのリンゴ……アッポを売っていた親父だ。

銅貨1枚でアッポ3つというのは、一応ギリギリ適正価格に入るらしいがお高いとのこと。探せば銅貨1枚で4つ売ってくれる店があっただろうという事だ。
そして何より、大銅貨の支払いでおつりがないというのはあり得ないことらしい。もし万が一そういうことがあったとしても、隣の露店と両替えしたりして融通しあうのが常識とのことだった。
一応、適正価格のアッポをもらっているので詐欺にはならないが、ろくに常識の知らない、カモと認識されたため、しばらくの間は、買い物を一人ではしない方がいいとのことだった。

「もっとも、私と一緒でもボラれますけどね。」

自嘲気味にため息をつくミィナ。

何でも、この辺りでは自売就労者への風当たりが強いそうだ。

自売就労者というのは、辺境の村などで、口減らしのために売られたり、借金の返済が出来ずに、自らを売ることで借金の返済に充てたりする人のことを言うらしい。

一応、その身分は保証されており、契約外のことで無理強いすることは禁じられている。

当然、夜の奉仕などもその契約の中に入り、契約に承諾してない者に対し無理やり迫るのは重大な契約違反となり、違反した購入者は犯罪就労者として強制労働の刑に処せられる。

ただ、これには抜け穴があり、すれば問題がないという事だ。

「ん?つまりミィナが承諾すればヤれるってこと?」

「まぁ、そう言う事になりますが……、私が承諾するとでも?」

「ないですね……ゴメンナサイ。」

俺はすごすごと引き下がって、ミィナの説明に耳を傾ける。

そういうような状況なので、出来ることが多いものほど、自分に高値を付けることが出来る。

特に夜のご奉仕がOKの就労者などは、安くても金貨30枚が相場なんだそうだ。

もちろん地域によって多少の差もあるし、訳アリだった場合は相場よりぐっと低くなることもある。

「一応、年季というのがあってね……登録しても売れない間の生活費はそのまま借金になっていくのよ。で、ハローワーカーが取り決めた期間内に売れなかった場合、強制労働もしくは娼館に売られるのね。だから期限が迫っている娘は多少値引きしても買ってもらおうと必死なわけ。当然買ってもらうために、背に腹は代えられないと、夜のご奉仕がNGであった娘もOKにしちゃうことが多いわ。」

そういう、人々のため、一般の人々から見れば差別の対象となっているとのことだった。

「だからね、街ぐるみで差別をやられちゃうと、私達にはどうしようもないのよ。」

例えば、普通の人に銅貨1枚で売っているものでも、就労者相手には銅貨2枚とか、3枚とか吹っかけてくる。

普通であればそれを止めるべき他人も一緒になってその行為を支持すれば……。

「確かにどうしようもないな。……よし、別の街に行くか?」

「ご主人様……ねぇ、バカなの?バカでしょ?いったい今何の話をしてたかわかってる?」

「就労者が差別を受けてる話?」

「そうだけど……違うでしょ!ちょっと話がずれたけど、生活費をどうやって稼ぐかって話だったよね?」

「あー、そういえば……。」

「数日後には資金が底をつくのに、旅に出るなんて無理に決まってるでしょっ!……少なくてもある程度は稼いでからの話だよね?」

「まぁ、そうだなぁ……で、実際にはどうすればいいんだ?いくら貯めれば旅に出られる?」

「あのねぇ、ご主人様。……魔物と戦ったことある?」

「ないな……。いるのか、魔物。」

「そりゃぁいるわよ。街は結界があるから入ってこないけどね、結界の外に出れば、うようよと……。戦えなかったら死ぬわよ?ご主人様には死んでほしくないのよ。」

ミィナが俺の手を握って、ウルウルとした目で見つめながら訴えてくる。

「お、おぅ……。」

……女の子に初めて手を握られた。ヤバい、心臓が爆発しそうだ。なんだかんだ言って、ミィナは俺に惚れてるんじゃないか?そうじゃなければ、見知らぬ男と一つのベッドで寝るなんてこと……。

「ご主人様が死んじゃうと、私またハロワに戻らなきゃいけないのよっ!そうしたら、せっかくの美味しいご飯がぁ……ふかふかのお布団がぁ……。」


……ハイ、分かってました、えぇ、わかってましたとも。

彼女たち就労者は、ハロワでは身体を損ねない程度の最低限の扱いしかされていない。

だから、この宿屋程度の料理も、ベッドも、彼女にしてみれば味わったことのない高級なものと変わりはなかったのだろう。

それらを失うくらいなら、そりゃあ頑張って俺を働かせ、死なないように心を配るだろうなぁ……。

だったら、せめてエッチさせてくれれば、俺はミィナのために馬車馬のように働くんだけどなぁ。


「はぁ……。」

「あ、ごめんね、冗談よ、冗談。心配してるのは掛け値なしに本気だから、誤解しないでほしいな。」

「わかってるよ、ため息をついたのは、なんでミィナがヤらせてくれないんだろうって……。」

「……やっぱ、ご主人様はバカね。」

「……。」

「……。」

「それで、どうしようか?」

険悪な雰囲気になりかけ、どちらからともなく視線を逸らすが、そのままではらちが明かないので、俺から口を開く。

「そうね、ここは『冒険者ギルド』に行きましょう!」

ミィナは、そう高らかに宣言するのだった。




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