幼なじみに毎晩寝込みを襲われています

西 美月

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第十六夜(5)

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「やば……、もうイク、かも……」

 海斗が小さく呻いた。苦しそうに眉を寄せる余裕のない表情は、酷く扇情的だ。
 律動に合わせて、海斗の汗が雫となって落ちてきたが、そんな些細な刺激にさえ感じてしまう。

「海斗……っ」

 名前を呼んで、その頰に触れる。
 滲む視界でなんとか海斗にピントを合わせると、恭介は掠れた声で、自然に愛を囁いていた。

「好き……、好きだ……っ」

「ん、俺も……」

 恭介の腰をきつく抱きしめて、海斗が腰のピストンを速めた。

「あ、あっ、あぁんっ」

 壊れてしまいそうなほど激しい挿抜を数回繰り返して、海斗は恭介の中でびくびくと震えながら射精した。

 膜越しに熱いものを感じて、精はとうに出し尽くしているはずなのに、恭介は射精感が止まらない。
 身体を強張らせて、搾り取るかのように、きゅうっと海斗自身を締め上げてしまう。

 繋がった部分から、海斗のものが抜かれた。そこはぱっくりと口を開いている。

 恭介はもう何度も絶頂を迎えた。疲労感と、初めてとは思えないくらいの、なんとも言えない満足感でいっぱいだった。

 眠たいが、まずはベトベトの身体を洗い流したいなと考えていると、横に海斗が倒れるようにして寝転んできた。

「身体、痛くない?気持ちよかった?」

 甘い声でそう尋ねられ、「……ん」と小さく頷く。

 終わった今でも信じられないほど、はじめてのセックスは気持ち良かった。
 しかし、少しずつ熱が冷めていくにつれて冷静さを取り戻すと、かなり醜態を晒してしまったことが恥ずかしくて仕方がない。

「そっか。よかった」

 もぞもぞと、何やら隣で海斗が手を動かしている。その手を追うように視線を下げて、恭介は目を見張った。

 しっかりと勃ち上がった男性器に、新しい避妊具をつけている。

「な、何して……」

「え?だって俺まだ1回しかイッてない」

 その言葉に、恭介は顔を青くして首を拒否の方向に振る。

「もう無理だって……!!」

「大丈夫。出来るよ」

 恭介の問題なのに、あたかも自分のことのように言い切るから意味が分からない。

「何がっ……ん……っ」

 しかし、反論のセリフは、尻を撫でられた途端、情けないほど甘い吐息に変わってしまう。

 つつつと、円を描くように指が這うと、もうダメだ。
 消えたと思っていた快楽の火が、いとも簡単にもう一度点ってしまう。

「恭介ってスケベだよな」

「……スケベな触り方してんのは誰だっ」


 結局恭介は、そのままベッドでもう1回、洗ってやるからと連れて行かれた風呂場でももう1回海斗を受け入れてしまった。

 肩を担がれて自室のベッドに寝かされた時には、持久走を終えた直後並みに疲労困憊していた。幸運にも明日はバイトが休みだ。

「なあ、もっとそっち行って」
 
 一日中ダラダラしようと明日の計画をしていると、恭介のベッドに、当たり前のように海斗が入ろうとしてくる。

「は……?なんでこっちで寝るんだ」

「俺のベッド、ぐしょぐしょなんだけど」

「う……」

 そう言われてしまうと、言葉に詰まる。
 なぜ濡れているのか、言われなくてもよく知っているからだ。
 赤らむ顔を隠すように背を向けて、奥側で縮こまると、背中越しに海斗の体温を感じた。

 シングルベッドは男二人で眠るには狭すぎる。どうしても身体が触れ合ってしまう。

「なあ」唐突に後ろから声が掛かり、同時に抱きしめられる。背中がぴったり海斗と密着していて熱い。

「話しが、あるんだけど……」

 でも聞こえた声は微かに震えていて、不安を覚えた恭介は寝返りを打って海斗を見た。
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