独占欲強めの最高神は、モブ娘からの一途な愛をお望みです!

弥生ちえ

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第3章 乙女ゲーム始動 編

第140話 【攻略対象 隠しキャラ?】もはやメインストーリー? 攻略対象と行く聖地巡礼

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「アルルクはともかく、生徒会活動中のエドはここにいちゃダメなんじゃない?」

 学院と王都の中央通りとを結ぶ小路で、空から来訪した二人を前に、呆れを隠さないレーナが腕組をする。

「シルヴィアさん絡みで堪らず飛び出してきたのよね? バルザック先生……は、まぁ適当にいなしてたから問題ないとしても、王子は絶賛巻き込まれ中なんでしょ」

 レーナの言葉に、エドヴィンが誤解だとばかりに口を開く。

「見捨てた訳じゃないぞ! 私は、ご先祖様やレーナを遠ざけようとする強引なやり方に違和感を感じてだなっ」

「おれが窓から飛び出したら、ずるいぞって尻尾を掴んだのはだれだっけー?」

 キシシと笑うアルルクに、憮然とした視線を向けるエドヴィンだ。

「プチドラちゃん、わたしにくっ付いていないで、エドに付いておくようにした方が良いんじゃない? そしたら間近でシルヴィアさんから、エドを守ってあげられるんじゃないかな」

「『それはだめ」』

 揃って否定する。

「ご先祖様が居てさえ、レーナにはとんでもない者達が惹き寄せられるんだ! 学院の実習でさえ、アルマジロを釣って来るんだぞ!? 講義時間すら油断できないとは想定外すぎる!」

『そーそー! あたしの役割は、しっかりしてる子孫よりも、うっかりしてるレーナの虫除けなんだから』

「ん゛ん゛っ! ご先祖様?」

『はっ……! じゃなくて、子孫の援護えんご――』

「ご先祖様っ!?」

『あああもぉっ! レーナの男避けにあたしが付いてんのよっ! あたしの子孫たちのためにねっ!!』

 赤面したエドヴィンと、焦りまくるプチドラが必死の形相で言い合うが、レーナは顎に手を当て、考え込む仕草を見せる。やがて、すっきりとした面持ちで顔を上げると「大丈夫!」と言い放った。

「わたしはリュザス様一筋なの。だから、どれだけ言い寄られても、誰にも靡かないわ!」

「それはそれで、困るんだが」と、即座にエドヴィンが呟き、深いため息を吐いたのだった。





「で? レーナはどこに向かおうとしてたんだ?」

 すっかり蚊帳の外になっていたアルルクが尋ねると、エドヴィンとプチドラの大騒ぎを呆れながら見ていたレーナは、何かを思い出したように手を打ち合わせた。

「王都にいっぱいある、キャラクターとのデートスポットをまわるのよ! スチルでしか見たことない景色をしっかり目に焼き付けるんだから!!」

 揚々と告げて「じゃぁね」と立ち去ろうとしたところで、2人が付いて行くと頑なに言い張る。

 それでは攻略ストーリーを進めていることになるのでは、と難色を示したレーナだったが、エドヴィンの「一人で入りにくいカフェとかもあるだろ? それに、人数が居た方が、色々とシェアできるぞ」との言葉と、アルルクの「おれが一緒だったら 離れた場所とか、帰りは、あっという間に運べるぜ!」との提案の魅力に屈し、揃って行動することになった。

 攻略対象らと訪れる聖地巡礼。

 それは、ただの乙女ゲームシナリオとしか言えないものなのだが、張り切り、浮かれるレーナは微塵も気づいてはいない。ただ、虹色の蝶の髪飾りだけが苛立たし気にギラリと輝いたのだった。
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