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第4章 最高神 編
第202話 【攻略対象 最高神リュザス】構って欲しい最高神
しおりを挟む「イチャイチャじゃないなら、なんも気にすることないよな! オレ 行ってくる!」
「あ! おい待て! 私が行く!!」
レーナ、と呼び掛ける声が、競うように渡り廊下に響き渡る。声に反応したレーナが振り返れば、素早く視界を塞ごうと移動した最高神の虹色髪が広がって、彼女の目を強襲する。
「ぅぶっ!? もぉっ、やたら皆に敵意を向けないの! 惚れた振られたの『リュザスの造った乙女ゲーム』と違って、二人は大切な仲間よ!? そもそもわたしは平凡村娘であって、ヒロインでもないから、ラブゲームとは無関係だし。そんな意地悪してたら、わたし、リュザスを嫌いになっちゃうんだからね!」
聞き分けの無い子供を諭すような口調で注意しながら、浮かぶリュザスの腰に手を添えてヒョイと傍らに除ける。すると目の前にはアルルクとエドヴィンが、ぽっかりと目口を開けた、間の抜けた表情で現れた。
「ごめんねー、エド、アルルク。リュザスにも悪気はないのよ。ただちょっと独り占めしたがりって言うか、狭量って言うか。困ったカミサマでね」
『最高神様を、困った子供を往なす母みたいに……。レーナ、恋する乙女な気持ちはどこいったのよ』
エドヴィンの胸ポケットから顔を出した豆ドラが、表情を読み取れずとも分かる、呆れ返った口調で呟く。
「失礼ね、母だなんて思ってないわよ。リュザスは凄い神様よ、ただちょっとわたし以外に狭量過ぎるところが玉に瑕なだけで。だから、わたしが円滑かつ速やかな遣り取りで、効率よく間を取り持つためにやってるんだから」
『円滑かつ速やかって……。最高神様の腰を鷲掴みした人間なんて見たことないわ。しかも最高神様ってば、ちょっと嬉しそうだし。あんたってば、有り得ない誑し込みテクニックを使う、とんだ悪女なの?』
「くくく、豆ドラはそう考えるんだ? ほんと面白いよねーレーナは。なんだかんだ言って、僕のこと突き放す気はないんだもん。僕にもまだ勝算はあるってことだよね」
「なんだか分かんねーけど、レーナを困らせたら オレが黙ってねーからな」
「不敬だ、アルルク。だが、最高神様が聖女である彼女を特別に想うのは、百歩譲って仕方ないにしても……。不条理を押し付けようとなさるのであれば、矮小な人間の身であっても、全力で抵抗して彼女を護りますから」
仲を取り持とうとしたレーナの行動も虚しく、アルルクとエドヴィンが厳しい視線をリュザスに向ける。だが受けたリュザスは、最高神らしい余裕ある微笑を湛えたまま「レーナってば僕のことを心配してくれて、可愛いなぁー」と、彼女の頭を片腕で抱き寄せて頬擦りしてみせる。即座に色めき立つ赤緑の2人に、最高神は更に余裕たっぷりに笑みを深めて、さらにその場は緊張感に包まれた。
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