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第一章 婚約破棄編
みんなが一緒にやれば出来るかもしれない!
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ガランガランと耳障りな音を立てて、錫杖が外へ転がり出ると、ムルキャンが目を剥いた愕然とした表情でわたしを見た。
「んなっななななんだとぉ!?何故に正気を保っているのだぁ!?」
「大禰宜、この娘は何かおかしいのです!神官や禰宜たちもこの娘のせいで残らず正気を失ってっ」
「違うでしょ!正気じゃなかったのは、あなたたちの持ってる変な魔力のせいでしょ!?わたしを発生源にしないでよ!」
ぎゃいぎゃい喚き立てるムルキャン、占い師の女、わたしに王都警邏隊もしばし呆然としていたけれど、すぐに仲間の危機と仕事を思い出したらしく、隊長が厳しく眉をしかめてムルキャンに詰め寄る。
「あの3人に何をされたのです!いくら大禰宜といえど警邏隊員に手出しをされては黙っていられません。然るべき裁定の場に出て罪状に相応しい沙汰を受けていただくべく、全力をもって対峙させていただく!」
確かに警邏隊員3人は未だ廊下の中程の空中を、ぐったりとしながら漂っている状態だ。口喧嘩してる場合じゃなかった!と思ったら、それは相手も同じだったみたいだ。
「ほぉ―――っほぉっ!何を言う!見ての通り私は何の手出しもしておらんぞ?そのなまくらな目をよぉっく見開いて見る事ですねぇ。全ては女神様の威光の成せる御業。後ろめたい気持ちを持つ王都の犬ごときが、崇高なる女神の力に触れようとして無事に済むはずがあるまい!身の程を知れぇい!」
「なぁに偉そうなこと言ってんのよ。あれ、あなたの魔力じゃなくて他人の魔力借りてやってるんでしょ。女神?大神殿主の魔力使って、女神をダシに散々不安煽る様なこと言って女神の力が全部やってますって偉ぶるのおかしいよね?あなた自身の力はどこにあるのよ」
高笑いしていたムルキャンがビキリと血管を浮き立てて固まり、ゆっくりゆっくりわたしに血走った眼を向けてくる。
「こ――む――す――めぇぇぇ―――。私の力を侮るとは無礼なぁぁぁ。こんな犬ども、私の力でたちどころに潰すことなど容易いのだぞぉぉぉ!女神に仕える私の力は女神のお力そのもの!私の怒りは女神の怒りぃぃ!偉大なる私の怨嗟を、矮小な者どもよ思い知るがいい!!」
『ゥウウウウゥゥゥォォォォォオオオーーーォォォンンン』
最初よりも大きな音が反響し、廊下からミチミチとはみ出して来ていた黄色い魔力が勢い付いて膨張しだし、声を上げる間もなく玄関ホールにいた人間すべてを飲み込む。あたり一面、黄の色眼鏡をかけているみたいにまっ黄色だ。けれどヘリオスをはじめ、警邏隊員や占い師たちにはこの色は見えていないのだろう、いきなり巨大な魔力の中へ放り込まれて、不快な感触や、突然の圧に戸惑うばかりの様子だ。
「女神の大いなる怒りが降臨したぞ!お姿はなくともそのお力は愚鈍なお前たちにも分かるであろう!
知れ、己の罪深さを!慄け、罪に与えられる女神の罰に!私に歯向かったことを地の底で後悔するがよいぞぉ。ほぉ―――っほっほぉぅ!」
ご機嫌だな!結局他人の魔力を利用してるだけなのは変わってないのに。
ムルキャンの興奮しきった声と、全身にまとわりついた黄色い魔力、そして視界一面黄色の最悪3コンボにわたしの気分は氷点下だ!
さっさと祓いたいのに、さすがに辺り一面の量は多すぎる。
「ひっ……女神の怒りなんて……この空気の重さがそうなのか!?」
「恐ろしい……俺たちはなんてことをしてしまったんだ?俺たちはどうなるんだ!?」
目に見えない魔力の圧に、次第に警邏隊員が恐慌状態に陥り始めている。
このままだときっと、あの貴族女性のように命を脅かす事態になってしまう!
わたしの目の前で、二度もそんなことさせない!!
相棒の扇を再び開き、両手で掴んで大きく扇ぐ。
「みんな見て!女神の怒り?気のせいよ!不快な魔力なんか簡単に消し飛ぶわ!さっきのわたしを見ていたでしょ!わたしでさえこの扇を持っただけで無事に済んだんだから、鍛え上げられたみなさんならわたしよりもずっと強いもの!わたし逞しい皆さんの力を信じています!きっとあなたならこんな呪縛から逃れられるわ!さぁ、わたしのやったことを思い出してっ!!」
みんなの不安感を少しでも取り除く様に、出来るだけにこやかに、何でもない事だと勇気付けられるように軽やかに扇を振りながら警邏隊員を見渡す。わたし一人では祓えない大量の魔力でも、みんなが一緒にやれば出来るかもしれない!との思いを込めて。
「「「「「「はうっ!!!」」」」」」
あちこちから意味不明な声と、ハディスとヘリオスの「あちゃ―――……」と云う呟きが聞こえる。
「みんな!聞いたか!!俺たちなら大丈夫だ、女神の罰?ある訳はない!俺たちは女神様の護るこの王都の治安を維持する警邏隊だ!かの神の御加護と不断の鍛練の成果が俺たちには付いている!捕縛対象の魔力になど負けん!やるぞ――――――!!」
「「「「「「ぅおおぉぉぉぉぉぉ―――――――っっ!!!」」」」」」
隊長の鼓舞に呼応して、玄関ホール中から鬨の声が上がる。
怯えの色がなくなり、精悍な顔つきに戻った王都警邏隊員に頼もしさを覚えていると、次の瞬間わたしは隊長の言葉を聞いて凍り付くこととなった。
「この魔力に打ち勝つ方法を我々は見た!各々分かっているな!恥を捨てて踊るのだぁぁあぁぁ―――――!!!」
「んなっななななんだとぉ!?何故に正気を保っているのだぁ!?」
「大禰宜、この娘は何かおかしいのです!神官や禰宜たちもこの娘のせいで残らず正気を失ってっ」
「違うでしょ!正気じゃなかったのは、あなたたちの持ってる変な魔力のせいでしょ!?わたしを発生源にしないでよ!」
ぎゃいぎゃい喚き立てるムルキャン、占い師の女、わたしに王都警邏隊もしばし呆然としていたけれど、すぐに仲間の危機と仕事を思い出したらしく、隊長が厳しく眉をしかめてムルキャンに詰め寄る。
「あの3人に何をされたのです!いくら大禰宜といえど警邏隊員に手出しをされては黙っていられません。然るべき裁定の場に出て罪状に相応しい沙汰を受けていただくべく、全力をもって対峙させていただく!」
確かに警邏隊員3人は未だ廊下の中程の空中を、ぐったりとしながら漂っている状態だ。口喧嘩してる場合じゃなかった!と思ったら、それは相手も同じだったみたいだ。
「ほぉ―――っほぉっ!何を言う!見ての通り私は何の手出しもしておらんぞ?そのなまくらな目をよぉっく見開いて見る事ですねぇ。全ては女神様の威光の成せる御業。後ろめたい気持ちを持つ王都の犬ごときが、崇高なる女神の力に触れようとして無事に済むはずがあるまい!身の程を知れぇい!」
「なぁに偉そうなこと言ってんのよ。あれ、あなたの魔力じゃなくて他人の魔力借りてやってるんでしょ。女神?大神殿主の魔力使って、女神をダシに散々不安煽る様なこと言って女神の力が全部やってますって偉ぶるのおかしいよね?あなた自身の力はどこにあるのよ」
高笑いしていたムルキャンがビキリと血管を浮き立てて固まり、ゆっくりゆっくりわたしに血走った眼を向けてくる。
「こ――む――す――めぇぇぇ―――。私の力を侮るとは無礼なぁぁぁ。こんな犬ども、私の力でたちどころに潰すことなど容易いのだぞぉぉぉ!女神に仕える私の力は女神のお力そのもの!私の怒りは女神の怒りぃぃ!偉大なる私の怨嗟を、矮小な者どもよ思い知るがいい!!」
『ゥウウウウゥゥゥォォォォォオオオーーーォォォンンン』
最初よりも大きな音が反響し、廊下からミチミチとはみ出して来ていた黄色い魔力が勢い付いて膨張しだし、声を上げる間もなく玄関ホールにいた人間すべてを飲み込む。あたり一面、黄の色眼鏡をかけているみたいにまっ黄色だ。けれどヘリオスをはじめ、警邏隊員や占い師たちにはこの色は見えていないのだろう、いきなり巨大な魔力の中へ放り込まれて、不快な感触や、突然の圧に戸惑うばかりの様子だ。
「女神の大いなる怒りが降臨したぞ!お姿はなくともそのお力は愚鈍なお前たちにも分かるであろう!
知れ、己の罪深さを!慄け、罪に与えられる女神の罰に!私に歯向かったことを地の底で後悔するがよいぞぉ。ほぉ―――っほっほぉぅ!」
ご機嫌だな!結局他人の魔力を利用してるだけなのは変わってないのに。
ムルキャンの興奮しきった声と、全身にまとわりついた黄色い魔力、そして視界一面黄色の最悪3コンボにわたしの気分は氷点下だ!
さっさと祓いたいのに、さすがに辺り一面の量は多すぎる。
「ひっ……女神の怒りなんて……この空気の重さがそうなのか!?」
「恐ろしい……俺たちはなんてことをしてしまったんだ?俺たちはどうなるんだ!?」
目に見えない魔力の圧に、次第に警邏隊員が恐慌状態に陥り始めている。
このままだときっと、あの貴族女性のように命を脅かす事態になってしまう!
わたしの目の前で、二度もそんなことさせない!!
相棒の扇を再び開き、両手で掴んで大きく扇ぐ。
「みんな見て!女神の怒り?気のせいよ!不快な魔力なんか簡単に消し飛ぶわ!さっきのわたしを見ていたでしょ!わたしでさえこの扇を持っただけで無事に済んだんだから、鍛え上げられたみなさんならわたしよりもずっと強いもの!わたし逞しい皆さんの力を信じています!きっとあなたならこんな呪縛から逃れられるわ!さぁ、わたしのやったことを思い出してっ!!」
みんなの不安感を少しでも取り除く様に、出来るだけにこやかに、何でもない事だと勇気付けられるように軽やかに扇を振りながら警邏隊員を見渡す。わたし一人では祓えない大量の魔力でも、みんなが一緒にやれば出来るかもしれない!との思いを込めて。
「「「「「「はうっ!!!」」」」」」
あちこちから意味不明な声と、ハディスとヘリオスの「あちゃ―――……」と云う呟きが聞こえる。
「みんな!聞いたか!!俺たちなら大丈夫だ、女神の罰?ある訳はない!俺たちは女神様の護るこの王都の治安を維持する警邏隊だ!かの神の御加護と不断の鍛練の成果が俺たちには付いている!捕縛対象の魔力になど負けん!やるぞ――――――!!」
「「「「「「ぅおおぉぉぉぉぉぉ―――――――っっ!!!」」」」」」
隊長の鼓舞に呼応して、玄関ホール中から鬨の声が上がる。
怯えの色がなくなり、精悍な顔つきに戻った王都警邏隊員に頼もしさを覚えていると、次の瞬間わたしは隊長の言葉を聞いて凍り付くこととなった。
「この魔力に打ち勝つ方法を我々は見た!各々分かっているな!恥を捨てて踊るのだぁぁあぁぁ―――――!!!」
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