梟(ふくろう)

つっちーfrom千葉

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梟(ふくろう) 第九話

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『そう、確かに、事件当夜、あなたの仰るとおりの場所に、ストリートシンガーたちはいましたね。警察側の捜査でも、その部分については裏付けがなされています。もう少し付け加えるなら、そのうちのひとり、一番右端でギター演奏をしていた青年が、当夜、皆川さんと思しき外観の女性が、自分たちのすぐ傍を通っていたことを覚えていました』

「売れない自分たちでも、何とかひとりでも多く観客を集めてやろうと、必死に演奏している最中に、その脇をたまたま通りがかった女性の特徴をよく覚えていましたね。あなたは先ほど、暗がりの中でひとりの女性を見分けることは困難だと私に向けて仰ったのに、同じ程度の暗闇の中で、ロックを演奏していた下衆な若者による、初めて見たはずの女性に関する証言については、すっかり信用なさるわけですか? いくら何でも、それは矛盾と言わざるを得ない。それと、もし本当にその女性が皆川さん本人だとすれば、すぐ後ろを付けていたはずの、この私の存在についても、証明されたことになる……」

『いいえ、証明されません。先ほど仰られた、タクシー乗り場で騒いでいた会社員たちの件(くだり)は、余りにありふれていますので、証言としては否定させて頂きました。このストリートシンガーたちについても、同様に信用が置けません。なぜなら、彼らは土日以外の平日の夜については、あの場所において、欠かさずに演奏をしていたそうです。少なくとも、事件前後三週間は、同じような活動をしていた。ですから、例の歩道において、あなたがあのバンドを見たのは、何も事件当夜に限らなくても良いことになる』

「それこそ、可笑しいでしょう。彼女の外見を正確に知らないはずの若者たちが、あの日、たまたま横を通りがかった(かもしれない)女性について、被害者と似ている旨の証言をしたとして、それが間違いなく本人であると、あなたが特定されている理由は? 彼女があの夜に駅前を歩いていたことについては、十全に信用なさるのに、私も一緒にその場にいた、という説明については否定なさるわけですか?」

『秋本さんには自分の夢を唄う人々のバンド活動なんて、どうでもいいことなんでしょうけれど、彼らがあそこで演奏をすることには、それなりのルールがあったようです。先ほど、あなたも仰いましたが、いくら、交番からほど近い場所だといっても、年端も行かぬ若者たちが、深夜まで出歩いていることについては、治安上もよろしくない。日付けが変わる前に、警察や地域の有志団体による見回りが毎夜行われているんです。放置自転車の排除や、酔っぱらいによる荷物の置忘れがないか等の確認もされています。しかし、未成年にとっては、ちょっと嫌な話ですよね。後ろめたいことはなくとも、警察関係者から声をかけられるのは……。ですからね、あのバンド連中も、毎夜、見回りが始まらないうちに、荷物をすっかり片付けて帰宅しているんです。その決まりが午後11時だそうです。皆川さんを見たと証言した青年は楽器の片付けが始まるその直前、つまり、10時45分頃に彼女とよく似た女性が、すぐ傍を通りがかったと証言しています』

 秋本はかなり具合が悪そうな顔に変わっていた。こちらへの不信というよりも、なぜ、自分がこれほど責められるのかを理解できていない子供のようでもあった。ただ、こういった人種が、自分の犯したはずの過去の事実について、こういった不可解な対応を示すのは、何も教育や知識の不足や知能レベルの低さを露呈するものではない。

『御社の新入社員として勤務に携わって以降、タイムカードに記録されている被害者の退社時刻は、遅くとも午後6時まででした。彼女が午後11時近くになるまで家に戻らなかったのは、歓迎会の催されたあの夜だけなんですよ。すなわち、被害者の身が行方不明と判断されるその前夜です。これで彼女が当夜、ひとりで、確実にあの場所を通ったことは確認されました』

「あのねえ、もう一度、言っておきますけど、そのことを最初に証言したのはあなたじゃない、この私なんですよ。そのことは何度も訴えているじゃないですか。彼女がロータリーを通った時刻も、そして、私がそのすぐ後を付けていたことも」

『秋本さん、よろしいですか。あなたがひとりの女性を付けて行った時刻は、午後11時前後と分かりました。まだ春先とはいえ、駅のロビーを少し離れてしまえば、街灯の少ないあの辺りは、ほぼ真っ暗で視界は利かなかったはずです。あなたの話ですと、目標の女性を約15メートルほど後方から追っていたと……。いいですか、この15メートルという距離はね、熟練の捜査員が被疑者の後を付けるにしても、ほぼギリギリの距離なんです。少しでも、視線を逸らそうものなら、目標を見失いかねない』

「ですから、私は彼女の背中から、一度も目を離さなかった。他の女と見間違えているとでも仰るんですか? バカな、私がそんなくだらないミスを犯すはずはない。歩み方、そのふるまいのすべて、そして、手のひらで顔を仰ぐ仕草……、見間違いなど断じて起こり得ません」

『では、これで三度目になりますが、もう一度、例のストリートシンガーたちの件(くだり)に戻ります。あなたはロッカーたちが唄っていた歌詞の一部を覚えておられた。それと、それを見学していた複数の女子学生の存在、その服装、大まかな髪型、そして、Tシャツの柄……。いいですか、あなたが暗闇の中で目的の背中を追っていたその視線が本当に確かであるなら、あなたから向かって左側の歩道上で、これらの騒ぎを演じている連中の詳細について、目を留める余裕などあるはずはない。なぜなら、被害者の側は追ってくるあなたの存在を知らないはず。あなたがよそ見をしているその間も、彼女の歩みはどんどんと前へ進んでいきます。あなたの視覚が女子学生のTシャツの柄は、人気アニメのそれだと認めているときも、シンガーたちの歌詞を聴いたあなたの脳が「なんて、ありきたりな、なんて、低劣な詞を創る奴らなんだろう」と罵っているときも』

「なるほど、私の供述の一部に不備があるから、皆川さんを追っていたことについては信用できないと仰るわけですね」

『その通りです。被害者が事件当夜、あなたの仰った通りの道を伝い、自宅に向かったことは確かです。しかし、加害者であると仮定されたあなたについては、何もそのすぐ後をくっついていく必要はないんです。被害者宅への先回りができるのであれば、被害者の背後にはあえて付かず、別の近道を通って彼女のマンションで待ち受けることも出来たはず。犯罪としては、そちらの方が合理的です。先ほども申し上げた通り、あなたの証言の多くは、平日であれば、皆川が入社後のどの期間内においても可能であったからです。私はあなたが刑事たちの取り調べに際して行なった数々の供述を疑ってかかるつもりはありません。疑うべきは初動捜査における警察側の思い違いの方です。すなわち、疑わしい認識は「被疑者は事件当夜まで被害者皆川の自宅の住所を知らなかった」こちらの方ですね』

 ちょうどそのとき、この面会の間、隣でリズムよく響いていたペンの音、刑事が供述の要所を書き留める音が止んだ。後方のドアが開き、女性警官のひとりがお茶の代わりを運んできたからだ。ふたりの刑事はその動きにつられて振り返った。私は刑事の反応を伺うフリをして、横目では秋本の変化を伺おうとした。彼の表情にまったく変化は表れず。じっと、こちらに視線を向けている。事件発生から相当な時間が経過した今、初めて顔を合わせている相手が、いったい何者なのかを見定めようとするように。

『秋本さんね、私が言いたいのはこういうことなんです。事件当夜、皆川という若い女性が駅のロータリーを北へ抜け、商店街へと至る狭く暗い歩道を辿って、家に向かっています。彼女はその途上で場末の惣菜屋にも立ち寄っている。その辺りはあなたの供述のとおりなんです。何も疑う余地はない。というのはね、あの夜の折、実際には彼女の姿を目に留めた多くの目撃者がいたからです。商店街の右奥の区画にある中古カメラ店の店主が、在庫の片付けをしていました。あなたの証言に出てきた金券ショップには、翌日の新幹線の指定席を安く買い求めようと、二名の中年男性が訪れていた。当然のことながら、惣菜屋にも、レジ打ちのスタッフ数名と三名の若い客がいました。あなたは人通りは少ないと表現なさいましたが、実際には、当該時刻付近に十名前後の通行人があったことも確認されています。捜査の過程において、そのすべての方に被害者の写真を確認してみたところ、惣菜屋のスタッフ一名、カメラ店の店主、それと、通行人のうち四名の合わせて六名が「事件当夜に、被害者とよく似た女性が通り抜けるのを見かけた」と証言しています。ですから、ある意味においては、あなたの供述は裏がとれています。しかしですね、それは皆川という女性に関してだけなんです。証言者の誰もが彼女はひとりで歩いていたと語っています。駅のロータリーでも歩道でも、商店街でも、その先のマンションへと続く暗がりの細い道においても、あなたの姿を確認した人はひとりもいないんです。皆無なんですよ。皆川のすぐ後を付けていたあなたについては証言が取れていない。秋本さんね、当該時刻、あなたはどこにいらっしゃったんですか? これを聴かないと我々は前に進めない』

 この問いを受けたとき、彼が初めて笑ったことを覚えている。「ふふっ」という、吐息の漏れが届いたからだ。

「刑事さんね、ああ、いや、あなたは刑事じゃないんでしたっけ? でもね、あなたは先ほど、自分が皆川さんの後を付けずに先回りをしたと、そう主張されたではないですか。そうでしょう? でしたら、そう遠回しに攻めてくる必要はない。当夜、先回りしていたはずの私の姿を見たという証人を捜し出せばいいではないですか。そうですよね? あなたは私のせっかくの説明を台無しにしようとしていらっしゃるけど、自説をきちんと証明することはして下さらない。皆川さんを目撃したという複数の証人がいるのと同じように、息を殺しつつ近道をして、彼女を襲おうと裏道を駆けている、この私を見た人だっているはずじゃないんですか? 警察お得意のねちっこい捜査で、それらの証人を発見してくださいよ」

 私はしばし言いよどんで、次の言葉を探しつつ、うつむいていた。刑事たち二人も、もはや、ひとつの言葉もなく、顎に手を当てて、何やら考え事をしたり、ペン先で机の木目をトントンと叩いてみたり、この狭い部屋の四方の灰色の壁の、あちこちにある黒い染みを、落ち着きなく眺め回したりしていた。こちらからの対論がなくなると、しばらくして、被疑者は再び説明を始めた。

「総菜屋から先は、暗く細い道が五分ほど続きました。その間に、小さな信号機のついた交差点を二度渡りました。車や人の通行は、ほとんどなかったように覚えています。彼女の小さな姿は、やがて白く新しい外観の三階建てのマンションの前へと到着しました。硬いアスファルトの上を小気味よく叩く、その小さな靴音は、そこで一度止まります。石壁の陰から首を傾けて、その様子を伺うと、その華奢な姿は一階のポストを覗き込んでいるように見えました。彼女は自分の後方には、何の警戒も払っていないようでした。私があれほど帰り道に気をつけろと忠告しておいたのに。二階の通路の奥のドアを開いて、その部屋に入り込みました。中から鍵をかける音、それから、すぐに部屋の電気が付けられました。私は極度に興奮した気持ちのままでそのドアの前を走る道路に飛び出すと、しばらく、彼女の部屋のドアを眺めていました。もちろん、悪漢が現れることを危惧していたのです。しかし、いくらか待っても、私の他には誰も現れません。ならば、そこで安心して駅まで引き返し、電車を乗り継いで自宅に帰ろうと……、いや……、ちょっと待って下さい。必ずしも、そうであるとは言い切れませんね。今、目の前にいる彼女を、このまま手放す勇気、諦める勇気が持てなかったからです。明日になれば、元の希薄な関係、何も起こり得ない関係に戻る二人。この夜の僅かな時間は、どれほど貴重なものか分かりません。なぜか、私は異常な興奮状態にありました。太田の言動に感情を昂らせたとき、あるいは、あの暗い神秘的なトンネルのいたずら書きをひとりで眺めていたときのように。

 そうですね、あるいは……、しばらく、その場にいたのかもしれません。身を硬直させ、マンションの前に立ち竦んでいました。その後、何をしたのかは、まったく覚えていないんです。これは本当です。しばらくの間、自意識を失っていたわけです。かなりの危機感を感じました。たとえ、太田ではなくとも、目に見えぬ悪漢が突如として現れ、とんでもない凶行を働いたのかもしれません。そのとき、彼女のあえぐような悲鳴が、この耳に聴こえた気がしました。何とか、助けねばなりません。私は懸命になりました。これまでの弱い自分に負けてなるものかと奮戦しました。私はそれまで、誰かを殺そうと思ったことなど、一度もありません。ただ、自分を嘲り笑う声と戦っていたのです。夢中になって取っ組み合いました。正気に戻ると、時計の針は十分ほどしか進んでいません。悪漢を撃退してやりました。おそらく、そうなのでしょう。ある程度の満足感を得ていましたから……。呼吸は自分でも驚くほどに激しく乱れていました。あなた方がそれほど反論するのであれば、その場に駆けつけたのは、太田ではないのでしょう。他の同僚の可能性はありますが……。ただ、私は太田についても、どこかで死んでいるような気がしたのです。なぜって、あれだけのアルコールを体内に取り込んでいたのですから。何が起きても不思議はありません。ここであえて申し上げるまでもありませんが、私が皆川さんのために為そうとすることは、すべて必要なことなんです。ふたりの素晴らしい関係を、これから築いていくにあたり、心の内側にこびりついている不安の欠片を、一つひとつ打ち消していかねばなりません。私は陶然とした心持で家路につきました。とにかく、その夜については、とてもよい眠りにつけたことを覚えています。胸のつかえがすべて取れたような気持ちの軽さでした。なぜか、自分というちっぽけな存在が、あの皆川さんとずっと一緒にいられるような気がしたのです。

 秋本は事件当夜の供述をすべて終えた。少なくとも、本人はそう思い込んでいる。満足そうであった。

『秋本さん、私たちはあなたが事件当夜にその目で見たこと、その手で行ったことについて、正直に語って欲しいと思っている。「自分としては、こうあって欲しかった」という願望や妄想は、ここでは必要ない。主観でも構わないが、事実のみを語って欲しい』

「今、話したことはすべて事実です。専門家であるあなた方が、この犯罪の全容をまったく計れずに苦労しているのなら、これ以上の詳しい情報は、他の誰にも手に入れられないであろうと、固く信じています。私は常に事件を誠実に説明しているのに、あなた方はその事実を不誠実な態度で捻じ曲げ、私ひとりを犯人と決めつけ、罪のすべてを負わせて、監獄に追い込むことを前提に捜査していらっしゃる。そんな方々には、今さら、どんな弁明をしたところで徒労に終わるでしょうがね」

『ふざけるな! もっと詳しく話してみろ! きちんと思い出せ! おまえは、彼女を送っていったその足で、その部屋まで強引に入り込み、交際を迫った。それが断られるとムキになり、皆川の首を絞めて殺したんだ! そうだろうが!』

 隣に座る短気な刑事は我慢の限界に行き着き、すっかり憤慨したようだった。左の拳を固めて、机をドンと叩いて被疑者を脅そうとした。秋本が皆川宅に侵入した形跡がまるでみられない以上、何度となく行われているこの種の脅しについては、まるで無意味である。警察側の焦りを露呈し、さらに上塗りするだけになる。秋本はこれまでと同様に、どれほど大声で罵られても、その表情をまるで変えることはない。無我の境地に至った僧侶のように穏やかな顔に見える。その回答が妄想であれ虚実であれ、表面上は、こちらからのすべての問いかけに対して、真摯に応えているように思える。殺人者という恐るべき本性を、その内に隠し持っているようには、とても見えないのだった。
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