ある女の異世界での活躍

オウガ

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こ、これは!

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私とカイは温泉街のはじの方にあるちょっと寂れた御食事とだけ書かれたお店に入ろうとしていた。


    「おい、そこのあなたら、その店は入らない方がいいぜ」
いざお店に入ろうとしていた時向かいのお土産屋さんの店員が声をかけてきた。


    「その店は、変なもんしか出さないからな。食事ならもっと中心部にある店の方が美味いぜ」
    「変なもんって何ですか?……お店なんだし食べれないものじゃないでしょ?」
お店から香る匂いは凄く美味しそうなんだけど…
不思議に思う私は店員さんにきいた。

     「家畜が食べる白麦を炒めたやつとか、見た目がゲロっぽいのとかまぁ色々あるが…一番おかしいのは……青いバァムを使ってる事だな」
      「「バァム?」」
私とカイは声を揃えてバァムが何なのか気になった。……白麦もかなり気になるけど…

     「なんだ。知らないのか。…ほれ、この黄色い果物だよ。あの店が使ってるのは熟す前のバァムなんだ。食えやしないってのに…」
店員さんが見せてくれたものはとこからどう見てもバナナだった。
    「これがバァム……おじさん一本ください」
    「あいよ。これはちゃんと食えるから心配ないぜ…高いがな。一本銀貨2枚だよ」
カイは店員さんにお金を渡し、バァムを食べようと皮を剥いた。

    「お?お客さんバァム食った事あるのか?初めての人は切ってから食おうとすんのに」
    「似た様な食べ物を知っているので…」
カイは店員さんに答えてバァムを口にした。





見た目は私達の知る完熟したバナナ…味の方は…

暫くバァムを口にしてカイは目をグワっと効果音がするかの様に見開き、道の端に寄ったかと思ったらバァムをもどしていた。

   「カイ!?大丈夫?」
私はすぐさま駆け寄り背中を撫でた。
    「お客さん、大丈夫かい?バァムは好みが激しい果物だから、お客さんの口には合わなかったみたいだな」
無限収納アイテムボックスから水を取り出しカイにわたす。

    「ありがとう。ミチルさん」
口をすすぎ、カイは店員さんに聞こえない様に言った。
    「バァムはやっぱりバナナだったよ。でも腐ってるバナナだった。…推測するに店員さんが言ってる熟す前のバァムは普通のバナナなんじゃないかな」


私達はあの店がより気になった。

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