最強なのは

最強なのは、、、

「ふふふ、よくぞここまで辿り着いたな。勇者よ」


真っ黒な空に、瓦礫だらけの城の一角で魔王が勇者を待ち構え、扉を開けて入ってきた勇者に言葉をなげた。

「貴様が魔王か！、、平和のためにお前を倒させてもらう！！」

聖銀の鎧に聖剣を携えた勇者は魔王に向かって聖剣をかまえた。

「くくく、くははは、貴様にこの私が、、」

魔王が勇者に向かって返答をしている途中で魔王の懐から曲が流れてきた。


～～♪  おかんだよ～♪おかんだよ～♫出ないと～♪知らないよ～♬～


魔王は自身の懐から四角い箱を取り出した。

ぴっ。

「ちょ、おかん！この時間はかけんといてゆうたやん！、、、え？晩御飯？いやいや、せやから来客、、
　え！おかん特製ハンバーグステーキ！た、食べたい。すぐ、帰るからとっといて！」

ぴっ。


魔王と勇者の間になんとも言えない空気が発生した。

「え、っと。い、行くぞ魔王！」

なんとも言えない空気を払拭する様に勇者が魔王に向かって駆け出した。

「ちょっと待ったぁぁぁぁ」

魔王は駆け出した勇者に向かって手を伸ばした。
あまりの迫力に勇者は制止した。

「っ！なんだ、魔王！」

制止した勇者は聖剣を構え直し魔王に声をかけた。
魔王は伸ばした手を戻し、勇者を見た。

「、、、勇者よ。」

先程までとは違う魔王の声色に勇者は気を引き締めた。

「、、此度の戦闘、明日にしないか。いや、して下さい！！」

魔王は90℃の礼をもって勇者に頼み込んだ。

「え～～。」














気の抜けた勇者はやる気をなくし、後日再戦する事を魔王と決めて帰っていきました。







「おかん！まだハンバーグステーキある！？」




魔王は意気揚々と家路に着きましたとさ。