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はじまりの・・・

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30XX年


現代は百年前に落ちてきた隕石によって大きく変貌した。
カオスゲノムという細胞が誕生し、一定量を超えるといわゆるダンジョンが誕生し、ファンタジーに出てくるモンスターが発生するようになった。

国は、ダンジョン、モンスターに対しての法律を制定し、対象する事となった。




そしてこれはある1人の少年と少女の物語













「判決を言い渡す。被告人、影野詩季かげのしきをダンジョン刑に処す。自分が犯した事を懺悔し、国に貢献せよ。・・・何か言い残すことはあるか?」


最高裁判所の裁判官、俺の目の前にいる11人の真ん中のおっさんが俺に問いかけてきた。


「・・・俺は、玲架れいかを殺してない・・・」
何度、言ったかわからないほど声に出している言葉を、裁判官のおっさんに返した。


「・・・・・・・これにて、裁判を終了する。」
裁判官は少し、無言で俺を睨みながら、木槌を振るった。
ッカンっと裁判所に響き、俺の刑が確定した。












事の始まりは、中学卒業式の後、幼馴染の玲架に告白するために、大椚の下に呼び出した。
しかし、俺は先生に呼び出され、1時間も玲架を待たせてしまった。

「くっそぉ、コガセンの奴、最後だからって、こき使いやがって!」

文句を言いつつ、俺は玲架が待つ、大椚に急いで向かった。
ようやく大椚が見え、玲架が大椚に寄りかかり座っているのが見えた。

「はぁ、はぁ・・あ!玲架!悪い!コガセンに捕まっちまって。・・玲架?」

座っている玲架の肩に触れると玲架がゆっくり倒れていった。

「玲架!」

俺は、慌てて玲架の前にまわるとそこには、血塗れで胴体を何度も何度も刺された様な跡、心臓を貫いている刃物があった。
俺は刃物を抜こうと触ってしまった。
しかし、抜いたら出血が酷くなる事を思い出し、玲架の身体を起こすだけにした。

「玲架!玲架!」

何度も玲架を呼ぶが、彼女は目覚めなかった。
救急車を呼んだが、既に手遅れで、警察が来て、事情を聞かれて、捜索が始まり、状況証拠から俺が犯人とされ、裁判が起き、約一年半、裁決が下された。









ダンジョン刑    ダンジョン誕生後制定された憲法。内容は、ダンジョンに赴
          きモンスター狩り、鉱物採取、
          地形捜索等、危険極まりない刑罰。一見、ただの冒険の様に
          見られているが未知の事柄なの
          で、死人は1日、千人単位で出ている。


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