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茶会
しおりを挟む今日、開かれた茶会は貴族間で持ち回りで開かれていて、国公認の婚活場となっており、様々なご子息、ご令嬢、お金持ちな商人の子供が参加しており、基本婚約者がいる人は不参加で、エレナは婚約者はいないが将来設計は母親としっかり相談しているので今回の茶会には来るつまりはなかったが、仲良しの友人の家が主催なので参加していた。
エレナは友人への挨拶をすませると壁の花となるべく歩いていると声をかけられた。
「なぁ、あんたがエレオノール・ガルダリアか?」
いきなり呼び捨てにしてきた見知らぬ男性にイラッとしつつもエレナは返事を返した。
「えぇ、貴方は?」
男性はエレナの問いかけを無視し、挙句にはエレナを上から下へと眺め、言った。
「ふ~ん。まあ見た目は合格だな」
あまりにも無礼な言葉にエレナの心は憤怒していたが顔には出なかった。
「申し訳ないのですけど、貴方はどちら様ですか?」
エレナは先程よりも大きな声で男性に聞いた。すると男性は…
「なんだ?父親から聞いてないのか?俺はお前の婚約者になった男だよ」
男性はそう言うとエレナの肩に触れようと手を伸ばした。
エレナは男性が言った言葉が理解出来ず、呆然としていたが男性の手が迫ってくるのを感じ、思いっきり避けた。
「申し訳ありませんが、貴方の言葉を鵜呑みにできませんので触れないでください。 そして、何故貴方が私の婚約者であると言う根拠を教えて頂けますか」
男性は空を切った手を戻しながら舌打ちし、苛ついた表情で話した。
「根拠ねぇ。そんなんお前の父親が決めたに決まってるじゃん。お前の父親は家の商会に金借りてて、その返済の代わりにお前と俺の婚約を決めたんだよ。 お前は父親に売られたって事だ」
男性はそう言ってもう一度手を伸ばしてきた。今度は抱きつく様な形でエレナにせまった。
エレナは男性の顔をしっかり覚えるべくじっと見つめ、男性の抱擁はひらりとかわした。
「申し訳ないですが、父に確認してから改めてご挨拶しますわ。失礼」
そして、茶会を離席し帰宅すると使用人を使い男性の正体、商会の事、商会が行なっている事、父の借金の事全てをしらべあげ晩餐に父の好物を作る様指示し、両親の帰宅を待った。
ちなみに、母は国お抱えの魔法師、父は国の文官です。
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