Wing Cross

森野アヤ

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【第三章】 無限の砂漠

第十八話 -神と少年-

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「おはよー!」
 真昼の様な暖かな日差しが照り付ける、晴天の早朝。
 村の入口に置かれているラクダ車を集合場所としていた一行のもとに最後にやって来たマリンは、悪びれた様子も無くその場に溶け込んだ。
「ったく、おっせーぞ!お前まさか寝坊したんじゃないだろうな?」
「失礼ねっ。ちょっと身だしなみに時間が掛かっただけよ」
 ガイルに図星を突かれ、目を泳がせるマリン。彼女は厳しい視線を送るガイルの前を平然と横切ると、既に支度を済ませたセレナとピィチ、そしてゼロムの居る荷台へと体を滑らせた。
「はあ、先が思いやられるぜ」
「まあまあ。マリンも色々と事情があるんだろうし、寝坊くらい大した事ないさ。あんたはもう少し女心を理解した方が上手くいくと思うよ」
「きゃあ、セティってばわかってるじゃない!ほんとその通りよねえ」
「……やっぱり寝坊だったんじゃねーか」
 荷台から響く歓声に、ガイルは昨日に続いてガックリと肩を落とした。 
 
 住人達に別れを告げ、様々な思い出の残るオアシスの村を後にした一行。
 宿のおかみから渡されたコンパスを頼りに、砂漠を北上し、一日でも多く先へ進むか、勿論可能であるならば今日中にでも砂漠を越えて、セイル=フィードの中腹部へ渡る事が本日の目標であった。
 セティ曰く、問題が無ければ後者にも期待が持てるが、いつ何が起こるかわからないのが、この“死の砂漠”の特徴である。砂漠の民の案内を得ているからこそ、自分達は無事オアシスを抜けてここまでやって来れたのだ。
 しかし厄介なのは、案内人が居ようが居まいが魔物との遭遇は避けられないし、揺らめく無数の蜃気楼は、いつ如何なる時も愚かな旅人を誘惑し続ける……それ故、仲間の内の誰一人として、一寸たりとも気を抜けないのである。
 一行の間に珍しく張り詰めた空気が漂う。オアシスの穏やかな空気が体に染み付いていた子供達は、前を見据え真摯に語るセティの背中を静かに見詰めていた。
 無限の砂漠が牙を剥くのは、もしかしたらこれからなのかもしれない──
 
 
 ──風が吹いてきた。西からの風だ。
 
 村を出てから何時が過ぎただろう。
 相も変わらず、陽の光はこれでもかと言わんばかりに照り付けてはいるが、未だ真上には昇っていない事から、どうやら昼飯時は迎えていないらしい。
 オアシスを出てからしばらくは、見渡す限り殺風景な砂の海だったが、先程までと辺りの雰囲気は一変し、ごろごろと転がる巨大な岩々が目立つようになってきた。
 ラクダ車は、ルート通りにアーチ状の奇岩の真下を通り抜け、岩場地帯へと足を踏み入れる。子供達は自然が作り上げた、壮大で摩訶不思議な景色に胸躍らせながらも、セティの忠告を受け、用心だけは怠らなかった。
 ターバンを深く被り、荷台の奥で大きな寝息を立てているゼロムを除いては。
 
 何事もなく順調に歩を進めていたラクダ達。しかし、いち早くその変化に気付いたのは、もう片方のラクダに跨っていたガイルであった。
「……なあ、セティ。さっきから黙ってるけど、どうしたんだよ。もしかして、声に反応する魔獣でもいるのか?」
 湖のほとりで、自分だけに見せた表情。彼はあの時同様、刃の様な鋭い眼光で辺りを見回すと、静かに二頭のラクダ達を制止した。
「ガイル、あんたは変だと思わないか?」
「何がだよ」
 目を丸くするガイルにセティは続ける。
「今あんたが言ったように、ここら一帯は魔獣や魔物が潜んでいてもおかしくない。道中、何度襲撃にあった?たったの二回だ。明らかに少なすぎるんだよ。……何かがいつもと違う。何かが……」
「そう言われてみると確かにおかしいな。さっきからいやに血の臭いが鼻につくし」
「──!」
 セティの思惑は、ラクダを降り徐に鞘から剣を抜き払ったガイルの言葉によって、現実のものとなる。二人が荷台の少女達へ向け、更なる警戒を促そうとした、まさにその時であった。
 
「助けてくれえぇーー!!」 
「えっ!?」
 ラクダ車の一団のもとへ、緑色の液体に塗れた一人の男が駆け寄ってきたのだ。
 乱暴に引き千切られた様なボロボロの長衣。死に物狂いで助けを求めるその男自身も、至る箇所に深い傷を負っており、鮮血が地面に滴り落ちている。
「ひどい……!」
「大変、ケガしてるじゃない!早く手当てしないと!」
 思わず口元を手で覆うセレナと、頭上を飛び回るピィチ。荷台から飛び降りたマリンは、倒れかけた傷だらけの体を素早く受け止める。
「む、向こうで仲間がやられてるんだ……“やつら”の巣窟に踏み込んだから……!俺はまだ死にたくねえよォ」
「落ち着いて!あまり喋らない方が良いわ……セレナ、包帯と痛み止めを取ってくれる?あとゼロム!あんたも好い加減さっさと起きて手伝いなさい!」
「ひ、ひい」
 マリンの怒号に、荷台の奥で寝たふりをしていたゼロムも、急いで止血を手伝う。慌てふためく子供達の後ろから、地面に横たわる男を、セティは険しい表情で見詰めていた。
 彼は──この男の顔に見覚えがあった。
 
「セティ!ぼーっと突っ立ってないで、俺達は先に様子を見に行こうぜ!」
 ガイルの呼びかけに我に返ったセティは、こくりと小さく頷く。
 点在する血痕とガイルの嗅覚を頼りに、そそり立つ岩山の反対側へと急ぐ少年達。二人が岩陰から姿を見せると同時に、複数の悲鳴と金属音、それらとはまた別の金切り音のようなものが辺り一帯に響き渡った。
「おいおい、何なんだよこれ……!」
 目の前に広がる光景を目の当たりにし、ガイルが声を上げる。地面に横たわる数人の男達。服装からして先程の男の仲間に違いないだろう。周囲には緑色の液体、更には薄茶色のぬめりと突起をもった“何か”の一部が散乱している。
 そして再び轟く断末魔に顔を上げた彼は、繰り広げられる惨劇を前に絶句した。
 薄茶色の物体の正体は、見た事も無い大きさの“ミミズ”であった。やつらは、その長い体で無抵抗の残党に撒き付いたり、それでもまだ手向かう余力を持つ者を、ぱっくりと開いた巨大な口腔と思われる先端部分から、漆黒の体内へと引きずり込もうとしている。
「そいつを──放せえぇ!!」
「ガイルだめだ!!」
 セティの制止は、一目散に飛び出していったガイルの耳には届かなかった。
 地面から突如現れた巨大生物達の襲撃をかわし、捕らえられている男のもとへ、ぬめりを帯びた巨体を足場にしながら辿り着いたガイルは、剣の柄の部分を体節の隙間に強く打ち付けた。
 低い唸り声が岩場地帯に木霊する。続けて、勢い良く放り出された男を空中で抱き止めると、そのまま砂埃の舞う大地へと下り立った。
「大丈夫か!?って……」
 彼は、ここに来てようやく気が付く。
「お前らはあの時のパオ民族──」
 
「ちょっと、あれってサンドワームじゃないの!?」
 遅れてやって来た少女達は目を見張った。マリンの言うサンドワームとは、古からこの無限の砂漠に潜むと云われている大型の魔物である。
「ガイルってば、あんなやつらを相手に一人で闘うなんて無謀にも程があるわ!でもおかしいわね……言い伝えでは、無抵抗の旅人を襲うような魔物じゃない筈よ」
「荒らしたんだよ、ワーム達の聖域を」
 セレナとマリンの隣で、その光景を眺めていたセティが静かに呟いた。
「アイツらはオアシスを襲った奴らの仲間だ。オイラ達をつけている最中に、蜃気楼か何かに誘われて早々道に迷ったんだろう。そして、ワーム達の住処を見つけ、荒らした。この砂漠の生き物は金になるから」
「そんな……」
「砂漠を荒らし、金の為なら人も貴重な生き物ですら犠牲にする。オイラは……許せないよ」
 溢れ出る感情を押し殺しているのだろう。セティの固く握った拳が震えている。少女達は、静かに佇む彼へ向けた言葉がそれ以上見付からなかった。
 しかし次の瞬間──

「うわああぁ!だ、誰かあぁーー」
「!?」
 子供達の目の前で、複数のワームに残党の一人が包囲されたのである。
 叫び声を聞き付けたガイルもそちらへと向かって行くが、尚も襲い来るワームの群れに阻まれて、身動きが取れなくなってしまった。
「ガイル!!マリンちゃん、はやく助けに行かなきゃ!」
 セレナが叫ぶ。彼女の言う通り、迷っている暇など無かった。このままぼんやり眺めていたら仲間まで巻き込まれてしまう。
 マリンの脳裏に八年前の出来事が過る。これ以上、大切な人達を失いたくない──
「……ごめんなさいセティ、あなたの気持ちはよくわかるわ。あたしだって弟の命を奪った魔族を許せない。でも、今ここでやつらを見殺しにしたら、あたし達まで同じ罪を背負う事になるの。だから……行きましょうセレナ!ガイルを援護するわよ!」
「うん……!!」
 セレナとマリンは強く頷き合うと、群れの中心へと勢いよく駆け出して行った。
 
 一人残されたセティ。
 去って行く少女達の背中を、無我夢中で得物を振り回す男達を、その仇である男達を助ける為に剣を振るうガイルを、彼は虚ろな眼差しで見詰めていた。
「やめてくれ……」
 絞り出した声はもう誰にも届かない。
 その間にも、悲鳴を上げ緑色の血を流しながら、ワーム達は刃を前にのたうち、抗い続ける。
「これ以上オイラの故郷を……“仲間”を傷付けないでくれ」
 そして、とうとう深手を負ったワームが地面へ崩れ落ちた時──
 
「やめろおおオォーーーー!!」
 
 地鳴りが轟き大地が揺れる。
 周囲の至る箇所で地面が陥没し、巨大な砂の渦が生まれる。同時に、ワーム達は手負いの仲間を連れ、その中へと姿を消していった。
 立っていられない程の激しい振動が続き、砂の波に飲まれ渦へと引きずり込まれぬように、その場に居る誰もが地面に身を伏せる。 
「な、何が始まるって言うのよ!?」
「マリンちゃんあれを見て!」
 マリンに庇われながら空を仰いでいたセレナは、誰よりも早くその存在に気付く。セティとの間を遮るようにして、取り分け大きな窪みから現れたそれは──
「信じられない……あんなワームがまだ潜んでいたの!?」
 皆が息を飲み、そして目を見張る。
 つい先頃まで相手にしていたワーム達の数十倍は有するであろう、ミミズと言うよりも、むしろドラゴンをも彷彿とさせるそれは、体節が幾重にも連なって造られた体に、何百ものごつごつとした突起を持ち、上部へ進むにつれ両端の突起が昆虫の足の様な形状になってゆく。
 頭部は、もはやこの世のものとは思えないおぞましい形状をしており、それは先頃のミミズに例えられたワーム達とは全く別物の、長い一対の鋏と強靭な顎を備え合わせた、さながら凶暴化した巨大蠍であった。
「ちょっとセティ、何してるのよ!?さっさとその化け物から逃げなさい!」
「違うよマリンちゃん」
 血相を変えるマリンを制止したのは、腕の中に居るセレナだった。
「私にはわかるの。あれは……“あの子”はきっと──」
 
「──神だ」
 
 ガイルの隣で伏せていた、パオ民族の男が呟いた。
「何だって?」
 眉を顰めながら、ガイルは男の顔を見やった。
「エンシェントキングワーム。水神インディゴや炎神アスラと並ぶ、この地方では砂漠の守り神として語られる伝説上の生物さ。古文に記されていた姿とまるでそっくりだ」
「アスラと同等って……マジかよ。神を怒らせたって訳か。そりゃ分が悪いな」
 炎神アスラ。故郷の守護神として古くから馴染みのある竜人族でなくとも、セイル=フィードではその名を聞いて震え上がらぬ者は居ないだろうとまで言われている程の剛猛な神である。
「俺達はもう引くぜ。砂漠の神を相手になんか、恐れ多くて出来るわけがねえからな……これまでの行い、天罰は覚悟してるさ」
「ああ、でもそう簡単には逃がしちゃくれないらしいぜ」
 ガイルが再び剣を構えると同時に、耳を劈くような奇声が岩場全域に木霊する。
 皆の視線が集まる中、キングワームは地鳴りと共に恐ろしい速さで地中へと戻って行き、そこには視界を遮る砂埃だけが残った。
 辺りが一気に静まり返り、不意に訪れた静けさが皆の恐怖心を更に煽る。息苦しい静寂がしばらく続き、やがて視界がだんだんと晴れてゆが、ガイルやパオの男達は微動だにせず、尚も視認でもって周囲を警戒していた。
 なぜなら、目も耳も持たないワームと言う生物は、振動によって敵の位置を把握するとされていたからだ。
 しかし──

「マリンちゃん行っちゃだめ!」
 張り詰めた空気の中で、セレナの叫びが突如一帯に響き渡る。
「な、何してんだよお前ら!」
 視線の先に、岩壁の下に佇むセティの方へ駆けて行くマリンと、彼女の後を追うセレナの姿があった。
 砂埃が晴れるのを待っていたのだろう。ワームの生態を知らないのか、はたまた知っていて尚、彼をもとへと急いだのか。どちらにせよ今のマリンの行為は、誰の目から見ても危険そのものであった。
 そして、間も無くして危惧していた事態は現実となる。セティの僅か手前まで走り寄っていたマリンの足元の砂が、急激に窪み始めたのである。
 
 足を取られバランスを崩したマリンは、その場にへたり込み立ち上がる事もままならない。動けば動くほど、体が渦の中心へと引き寄せられてゆく。
 それでも彼女は、空虚なセティへ向け叫び続けた。「目を覚まして」と。
「そこを動くなよ!今助けに行くからな!」
「おい待て、あんたまで死ぬつもりか?」
 目の前に広がる巨大な窪みへ向け駆け出そうとしたガイルを、男が制止する。
「ああなっちまったら打つ手はねえ!……もう諦めるしか──」
「諦められるかよ!!あいつは大事な仲間なんだ!あいつは俺とセレナで助けるんだ……!あの時みたいに……何があっても……!!」
 絶望的な現状を目の当たりにし、狼狽したガイルが勢い良く飛び出した、その時であった。
 
『冷気よ!』
 
 何処からともなく響いた声が、不意に彼の足を止めた。
 直後、マリンの落ちた窪みが徐々に霜を帯び固まり始め、子供達、そしてパオの男達が見守る中で、深い砂の渦は美しい氷の螺旋へと変貌を遂げたのである。
 氷の足場を駆け降りたセレナとガイルは、恐怖に青褪めたマリンを支え、急いでその場から後退する。子供達が窪みから離れると、降り注ぐ陽光と熱によって螺旋は音もなく溶け落ちていった。
「この魔法…… 」
 マリンが二人の腕の中で力なく呟く。
 
 あの日の記憶が蘇る──八年前のあの日、命を救ってくれた──……
 
「だ~いせいこ~!今日もまたミラクルキュートなプリティプリンセス、エミリーちゃんが世界の平和を守ったわ☆」
 緊迫の救出劇を終え、ようやっと息をついた子供達のもとに、突如あまりにも場違いな甲高い声が、切り立った岸壁の上の方から聞こえてきた。
「姫、体を張ったのは私ですがね……」
「ぶ~。いいじゃない、ライサのいじわる!」
 緋色の太陽を思わせる二つのシニヨンが特徴的な、フリルをあしらった華やかな衣装を纏った幼い少女と、黒のローブを羽織り身の丈程もある杖を持った長身の男は、呆気に取られている地上の一団を他所に、二人にしか理解の出来ないやり取りを続けている。
 
 ガイルは、「姫」と呼ばれている少女の名前を何処かで耳にしたような記憶があったが、中々思い出す事が出来ずにいた。しかしマリンだけは、その氷の魔術を駆使するモーブの髪の男に、はっきりと見覚えがあったのだ。
 そう、彼こそが彼女の探していた──
 
「こんなに早く出会えるなんて……あたしの……王子様」
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