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13章 町の改革

11話 門番の処罰

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 弥次郎と千代音、達郎、美代が、村の調査の護衛について行ったので、おれと清音は2人で剣技の訓練をしている。
 4人がいなくなったことで、ずいぶん静かに感じる。
 休憩の時、清音が言う
 「始めは、2人きりだったよね。」
 「ああ、迷い人と忌み人の組み合わせで宿は馬屋だったよな。」
 「今は、みんながいて貴族になってしまったわ。」
 「随分変わったよな。」
 「でも、つなは変わらないね。」
 「清音もそうだよ。」
そこへ千代が割り込む
 「私もつな様への愛は変わりませんわ。」
 「千代、どうしたの。」
 「今、騒ぎになっていますわ。」
 「何があった。」
俺と清音は刀を手に取る。
 「門番が入場料をくすねていたそうですわ。」
俺と清音は宗七と影平の所に行く。
 宗七は俺と清音を見ると話しかけてくる
 「ちょうどよかった。これから門番を館に連れてきます。兵たちと行って騒ぎにならないように連れて来てください。」
 「私たちが話しかければ抵抗しないと思うの。」
清音が聞くと宗七が答える
 「2人がいれば抵抗はしないでしょう。」
 「分かりました。なるべく穏便に連れてきますが、門番がお金をくすねたのは本当ですか。」
 「はい、彼らは人の入りを少なく報告していました。人の入りを調査していて分かったのです。」
 「では、連れてきます。」
 「お願いします。」
俺と清音は、6人の兵を連れて門に行く。
 門に着くと門番たちが言う
 「つな様、清音様お疲れ様です。」
俺は挨拶を無視して
 「4人とも館に来てもらう。心当たりはあるだろう。」
門番は、4人ともうつむく
 「おとなしくついて来てくれ。」
俺は4人の兵に門番の代わりを任せる。
 俺が先頭に立ち、4人の門番が続き、清音と2人の兵が後につく。
 門番たちは、一言も話さず、おとなしくついてくる。
 館に着くと門番たちは、役人に調べられる。
 俺は、影平に聞く
 「門番たちは、どうなる。」
 「横領は、斬首になる可能性が高いです。」
 「罰は重いんだな。」
 「許せば真似をするものが出るでしょう。」
俺は気が重い。
 調べは3日続き横領の事実が明らかになる。
 影平の話では、門番の1人の子供が病気で薬代を得るために4人が協力して行ったとのことである。
 清音が言う
 「子供のためでも許されないの。」
 「法を破ったのだから罰は受けなくてはならないよ。」
 「でも・・・」
 「宗七さんに相談してみよう。」
俺と清音が宗七に話しかけると
 「門番のことですね。処罰は、影平殿と相談して決めましたので安心してください。」
宗七はそういって忙しそうに行ってしまう。
 俺たちは影平に聞くことにするが菊に呼ばれる。
 部屋に入って座ると菊が俺たちに話しかける
 「門番の処罰について知りたいのですね。」
 「いいえ、斬首などの重い罪はやめてもらおうと思ったのです。」
 「4人は家族と一緒に四宮を追放になりました。」
 「病気の子供がいるのよ。」
清音が声を荒げる。
 「落ち着きなさい。病気の子供は、健康になるまで預かることになりました。」
 「あの人たちはどうなるの。行くところがないわ。」
 「宗七の計らいで角倉で働くことになりました。」
 「そうなの、安心したわ。」
 「つな、清音様、あなた方は貴族なのですよ。」
 「はい。」
 「必要ならば感情を殺して、切ることも必要です。心構えを持ってください。」
 「分かりました。」
俺と清音は感情に走ったことを反省する。
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