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14章 囚われの菊姫

10話 3人の旅

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 俺と清音、菊は、昼前に大治を出発する。
 菊は平静を保っているのか、震えも止まっている。
 菊は俺に言う
 「こうして馬に乗るのも良いですね。」
 「乗り心地はどうですか。」
 「揺れますが、良いですよ。」
清音が横に来て言う
 「次は、私が菊を乗せる。」
俺たちは菊を休憩の度に交代で菊を乗せることにする。
 1日目の夕方になり、寝る場所を決めて陣を張る。
 「こうやって外で寝るのは初めてです。」
菊は嬉しそうに言う
 「寒かったら言って、風邪をひくわ。」
清音が気を使う。
 俺たちは3人で体を寄せ合って寝る。
 幸い、この夜は化け物は来なかった。
 2日目も夕方まで走って、寝る場所を決め陣を張る。
 深夜になると地面の振動で起こされる。
 清音はすでに起きている。
 しばらくすると赤鬼が2匹近づいてくる。
 赤鬼は陣の周りをうろつく。
 菊が目を覚ます。
 菊は目を丸くするが静かにしている。
 赤鬼は何もないと思ったのか立ち去って行く。
 清音が菊に言う
 「菊、驚かなかった。えらいわ。」
 「驚きましたよ。でもつなと清音がいるから怖くありませんでした。」
菊はそういうと笑う。
 清音も面を付けているので表情は分からないが微笑んでいるに違いない。
 3日目は何事もなく過ぎていく。
 4日目の深夜、再び地面の振動で目が覚める。
 しばらくすると青鬼が5匹近づいてくる。
 俺たち3人は静かにしていたが馬が鳴いてしまう。
 俺と清音は陣から飛び出す。
 俺は1匹目の胴を深く切って致命傷を与えると2匹目を力の刃で2つにする。
 3匹目の青鬼が俺を捕まえようとするが、ひどく動きが遅く感じる。
 俺は、青鬼に迫ると腹を切り裂き、かがんだところを首をはねる。
 清音は1匹目の後ろに回り込むと背中から心臓を貫く。
 2匹目が腕を振りまわして清音をつぶそうとする。
 清音は余裕でかわして右足を切り飛ばすと倒れてきた青鬼の首をはねる。
 菊は驚く、つなと清音の動きが早すぎて目で追えないのだ。
 菊は2人に言う
 「強くなりましたね。」
 「ありがとうございます。」
俺たちは菊に言う。
 5日目の午後、俺たちは国府に着く。
 菊は言う
 「必ず、処罰させません。」
菊は俺たちの罪を帳消しにするつもりらしい。
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