祓い屋の俺は異世界で魔法剣士となって金髪碧眼美少女と旅をしながら無双する

18章 華妖仙の策略

6話 桔梗

　華妖仙は、つなを誘惑することを失敗すると次の手を考える。
　彼女は、桔梗と言う屋号の呉服屋に目をつける。
　どの店でもよかったのだがたまたま目に着いたのである。
　彼女は男たちに追われ桔梗に逃げ込む。
　すぐに番頭が出てきて華妖仙に言う
　「どうしたのですか。」
　「町のごろつきに襲われそうになったのです。」
番頭は彼女の美しさに心を奪われる。
　「それは、難儀でした。家まで送りましょう。」
　「私は、今日この町に来たのです。行くところがありません。」
　「ならば、この店にいてください。旦那様に掛け合いましょう。」
華妖仙は、店で座って休む。
　店にいる男たちは、皆、彼女に見とれる。
　そして店主が帰ってくる。
　番頭は店主に華妖仙を紹介する
　「ごろつきに襲われていたところを助けた者です。行くところがないのでうちで雇ってみませんか。」
　「はなと申します。なにとぞ、ここにおいてください。」
店主は一目で華妖仙を気に入る
　「好きなだけいてください。」
　「出来れば、ご奉公したいのですが。」
　「分かりました。明日から働いてください。」
桔梗は、その日のうちに華妖仙の手に落ちる。
　彼女はごろつきを店に引き入れ女たちを黙らせる。
　翌日から、華妖仙は館の門番に接触を開始する。
　門番は、桔梗に着物を仕立てに来る。
　華妖仙は、門番に付きっきりで世話をして、帰りは手をつないで館まで送る。
　門番は、館の使用人たちにはなと名乗る華妖仙のことを話す。
　しかし、館には、華妖仙という美女に注意するようにと警告がされている。
　使用人たちは、こっそり桔梗に通うようになる。
　使用人たちは、はなと名乗る華妖仙について話をする
　「今日、はなさんに腕組んでもらったぞ。」
　「俺だって着物選ぶとき付きっきりだったんだぞ。」
こうして館の使用人の大半が桔梗に通うようになる。
　宗七が影平に言う
　「最近、使用人たちがこぎれいにしていますね。」
　「良いことではないですか。」
影平は使用人の身なりが良くなることを歓迎する。
　「しかし、普段着の着物が新しいだけでなく、質の良い物になっています。」
　「博打や酒に使うより良いのではないですか。」
影平はそこまで言って、不審に思う。
　「奴らは、着物だけ買って何をしているのでしょうか。」
宗七も言う
　「これは調べたほうがよさそうですね。」
宗七は、使用人の中から着物が以前と変わりなく古い物を着ている使用人を呼ぶ。
　宗七は使用人に言う
　「給金は足りていますか。」
　「はい、足りています。」
　「他の使用人は着物を新しくしているようですが、何かありますか。」
　「私が話したことを黙っていていただけますか。」
　「約束します。」
　「桔梗と言う呉服屋にはなと言う女性がいるのです。」
　「みんなそれを目当てに店に行っているのですか。」
　「そうです。すごい美人だそうです。」
　「あなたは行かないのですか。」
　「美人に注意するように言われていますし、私ではもてませんので。」
　「ありがとうございます。」
宗七はどうしたものか考える。
　彼は配下の役人2人に桔梗のはなについて調べさせる。
　はなは、２０歳代の妖艶な美人で、つなが華妖仙とあった日にごろつきに追われ桔梗に逃げてきたことが判る。
　さらに、はなは桔梗で奉公働きをはじめるとごろつきを店に引き入れ、我が物顔で振る舞っている。
　しかし、はな目的で客が殺到しているため、誰も文句を言えない状態になっている。
　宗七は役人の報告にはなは華妖仙ではないかと推測する。