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第2章 建国
第5話 エッカルト・ジールマン
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ディルクは、カールに指示されてゼーテ商会に来ている。店員がディルクに声をかける。
「いらっしゃいませ。きれいな布地が入ってきていますから奥さんに服を新調してはどうですか。」「いや、人に会いに来たんだ。エッカルト・ジールマンはいるかな。」
「あいつ、何をやったんですか。」「それはどういうことかな。」
「あいつは前にいた商会を実質的に経営していたんですが、つぶしてしまったんです。」「彼のせいなのか。」
「そうに決まっていますよ。今、呼んできます。」
ディルクはエッカルトが店の人間に信用されていないと考える。カールはどうして信用の無い者をスカウトするのかわからない。信用が無ければ人は動かないだろう。エッカルトがやって来る。
「私に何の用ですか、うわさは知っているでしょう。」「私は、ディルク・グラッェルと言います。王城でロック様の元で働いています。」
「勇者様と働いている人が私に何の用がるのです。」「宰相のカール・プロイセがあなたを内務大臣に推薦しています。」
「カールですか。あれは遊び人をしていましたが優秀な男です。」「エッカルト、あなたも優秀なのではないですか。」
「商会をつぶしているのですよ。」「理由があるでしょう。」
「主が夢見がちの人で商売に向いていない人でした。私は何とか切り盛りしていましたが主が口を出すので、とうとうどうにもならなくなったのです。」「あなたは仕える主を間違えただけです。」
「ディルクさん、あなたに私の何が判る。」「分かりますとも、カールが欲しがる人材です。優秀に決まっている。それなら主が無能だったからだ。」
「主は、私の親も同然です。若い頃は優秀な商人でした。」「無能は言いすぎでしたかな。私はあなたを信用します。仕事を受けてくれませんか。」
「出来ません。今、店を離れると商会が傾きます。」「店の人は、あなたを信用していないようですよ。」
「でも、私を拾ってくれた商会です。」「分かりました。また、あなたを納得させる材料をもってきましょう。」
ディルクはエッカルトが恩義に厚い人物だと判断する。そして、一旦戻ってロックとカールに話して対策を練ることにする。
夕食の時、カールはディルクに聞く。
「エッカルト・ジールマンはどうですか。」「彼は恩義に厚い性格です。」
「それは、彼の欠点です。」「私には美徳に感じるのですが・・・」
「彼は商会が傾くからと断ったのではありませんか。」「その通りです。」
「ゼーテ商会は国外から生地を仕入れて、オーダーの服を作っています。」「貴族が客ではないのですか。」
「ええ、しかし王国がつぶれて貴族には先行きが見通せない状況です。服を作る余裕はないでしょう。」「ゼーテ商会は他の客を作ろうとしている。」
「そうです、エッカルトは在庫の多い生地で既製品を作り、町の余裕のある人々に売り出し始めています。」「立て直すつもりですね。」
「カール、ゼーテ商会をどうかすれば、エッカルトは内務大臣を引き受けてくれるんだね。」「ロックの言う通りです。」
「お前様、商売と言うものをやってみたい。ゼーテ商会を買い取っても良いか。」「リース、買い取るって資金はあるの。」
「魔王城の宝物庫にから少し持ってくれば足りるわ。」「そう・・・試してみれば。」
「ロック様、リース様、商売をなめてはいけません。」
ディルクが慌てて言うが、リースは本気だった。リースは財宝を売って多量の金貨を用意する。そして、ゼーテ商会を買い取り、授業員をそのまま引き継いでエッカルトを手に入れる。
「お前様、どんな服を売るとしましょうか。」「僕はリースの浴衣姿を見たいな。」
「浴衣とな異世界の着物か。」「そうだよ。中西さんにも手伝ってもらおう。」
ディルクは、2人の計画の無さに商売は失敗すると考える。それよりもエッカルトに内務大臣を引き受けさせることが重要だ。ディルクはエッカルトに会いに行く。
「やってくれましたね。まさか商会を買い取るとは思いませんでしたよ。」「それは私も同意見だ。はっきり言って商会の未来は暗い。何せ新しい主は素人だからな。」
「私のためにここまでするのですから応えなければならない。仕事を引き受けますよ。」「期待していますよ。」
エッカルト・ジールマンは内務大臣になる。彼は仕事を覚えると次々に仕事をこなしていく。カールは宰相の仕事に集中できるようになる。
フールとユリアンの法律議論は続いている。ロックはユリアンが法律を完成させたらみんなで議論するすることにする。カールはユリアンの法律作成を面白がっている感じである。
「いらっしゃいませ。きれいな布地が入ってきていますから奥さんに服を新調してはどうですか。」「いや、人に会いに来たんだ。エッカルト・ジールマンはいるかな。」
「あいつ、何をやったんですか。」「それはどういうことかな。」
「あいつは前にいた商会を実質的に経営していたんですが、つぶしてしまったんです。」「彼のせいなのか。」
「そうに決まっていますよ。今、呼んできます。」
ディルクはエッカルトが店の人間に信用されていないと考える。カールはどうして信用の無い者をスカウトするのかわからない。信用が無ければ人は動かないだろう。エッカルトがやって来る。
「私に何の用ですか、うわさは知っているでしょう。」「私は、ディルク・グラッェルと言います。王城でロック様の元で働いています。」
「勇者様と働いている人が私に何の用がるのです。」「宰相のカール・プロイセがあなたを内務大臣に推薦しています。」
「カールですか。あれは遊び人をしていましたが優秀な男です。」「エッカルト、あなたも優秀なのではないですか。」
「商会をつぶしているのですよ。」「理由があるでしょう。」
「主が夢見がちの人で商売に向いていない人でした。私は何とか切り盛りしていましたが主が口を出すので、とうとうどうにもならなくなったのです。」「あなたは仕える主を間違えただけです。」
「ディルクさん、あなたに私の何が判る。」「分かりますとも、カールが欲しがる人材です。優秀に決まっている。それなら主が無能だったからだ。」
「主は、私の親も同然です。若い頃は優秀な商人でした。」「無能は言いすぎでしたかな。私はあなたを信用します。仕事を受けてくれませんか。」
「出来ません。今、店を離れると商会が傾きます。」「店の人は、あなたを信用していないようですよ。」
「でも、私を拾ってくれた商会です。」「分かりました。また、あなたを納得させる材料をもってきましょう。」
ディルクはエッカルトが恩義に厚い人物だと判断する。そして、一旦戻ってロックとカールに話して対策を練ることにする。
夕食の時、カールはディルクに聞く。
「エッカルト・ジールマンはどうですか。」「彼は恩義に厚い性格です。」
「それは、彼の欠点です。」「私には美徳に感じるのですが・・・」
「彼は商会が傾くからと断ったのではありませんか。」「その通りです。」
「ゼーテ商会は国外から生地を仕入れて、オーダーの服を作っています。」「貴族が客ではないのですか。」
「ええ、しかし王国がつぶれて貴族には先行きが見通せない状況です。服を作る余裕はないでしょう。」「ゼーテ商会は他の客を作ろうとしている。」
「そうです、エッカルトは在庫の多い生地で既製品を作り、町の余裕のある人々に売り出し始めています。」「立て直すつもりですね。」
「カール、ゼーテ商会をどうかすれば、エッカルトは内務大臣を引き受けてくれるんだね。」「ロックの言う通りです。」
「お前様、商売と言うものをやってみたい。ゼーテ商会を買い取っても良いか。」「リース、買い取るって資金はあるの。」
「魔王城の宝物庫にから少し持ってくれば足りるわ。」「そう・・・試してみれば。」
「ロック様、リース様、商売をなめてはいけません。」
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「私のためにここまでするのですから応えなければならない。仕事を引き受けますよ。」「期待していますよ。」
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本当に、ありがとうございます。
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