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第2章 建国
第16話 タダツグとセリア
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勇者タダツグは、セリア・ド・バシュラールを連れて、オルドビスの森の中で1カ月以上過ごしている。セリアは、すでに携帯食は無く、食料を森の中で調達しているので、うんざりして言う。
「いつまで森にこもっているの。一旦、町に戻りましょ。」「森を出たければ、1人で出ればいい。」
「私はタダツグについて行くと決めたのよ。」「なら、我慢するのだな。」
タダツグは、ストーンスネークを狙っていた。ストーンスネークは剣が通用しない岩のように硬いうろこに覆われていて、冒険者殺しの異名を持っている。
ストーンスネークと倒すには剣だけでは無理である。魔法を剣と同時に使って戦う必要がある。タダツグはファイヤーボールを剣にまとわせる練習をしている。
炎の剣ならばいくら硬いと言っても相手は生物であるダメージを与えることが出来ると考える。練習を続けると炎の剣が完成する。
数日後、タダツグはストーンスネークと対峙する。ストーンスネークは正面からタダツグに向かってくる。タダツグはすれ違いざま炎の剣で切りつける。
炎の剣はストーンスネークの岩のように硬いうろこを焼くが切りつけるまではいっていない。それでもストーンスネークはひるむ。そして、獲物をセリアに変える。
ストーンスネークはセリアに向かって行く。セリアは剣を持っていたが、通用しないことは知っているので走って逃げ出す。
タダツグはストーンスネークの予想外の動きに慌てる。ストーンスネークに追いつき、炎の剣を振るうが効いていない。タダツグは炎をさらに鋭くすることを念じる。
炎の剣の炎は刃と化す。それでも切ることが出来ない。このままではセリアが危ない。炎の刃は鋭さを増す。初めてタダツグの剣がストーンスネークを切り裂く。
ストーンスネークはセリアを諦めて逃走を謀るが、タダツグの剣の方が早い。ストーンスネークの頭を切り落とすとしばらく体がうねって動いていたが静かになる。
セリアがタダツグに抱き着いて泣き出す。
「怖かったよー」「一度森を出るか。」「うん。」
セリアはホッとしたように返事をする。タダツグは仕留めたストーンスネークの解体を始める。タダツグは炎の剣の扱いが判ったのでストーンスネークをぶつ切りにして硬い皮をはがす。
そして、肉を適当な大きさに切り分けると串に刺して焼き始める。味付けは塩だけである。焼きあがるとタダツグとセリアは食べ始める。
セリアは、はじめ倒した獣を食べることに躊躇したが、今では食べ慣れている。食べ終わると焚火の周りで眠って夜を過ごす。
翌朝、タダツグはストーンスネークの皮を戦利品にして森を出る。当然、セリアが一緒である。2人はタリンの町に入る。タダツグは、すぐに町の変化に気づく。
町の雰囲気が明るくなっていた。タダツグは武具屋にストーンスネークの皮を持ち込むと店主に質問する。
「町の雰囲気が明るくなったようですが何かあったのですか。」「ロック様が領主を倒してくれたんだよ。これからは町は住民で管理することになったんだ。」
セリアは、ロックと聞いて機嫌が悪くなる。
「ロックは魔王ですよ。何か企んでいるかもしれませんわ。」「お嬢ちゃん、ロック様が勇者だろうが魔王だろうが構わないよ。私たちの生活が楽になっているのだから。」
セリアが何か言おうとするがタダツグがおしとどめて言う。
「ロック様が良い国を作ることを願っています。」「本当にその通りだ。ところでストーンスネークはお兄さんが倒したのかい。」
「はい、そうです。」「それはすごい、勇者様のようだ。良かったらこれからもひいきにしてくれよ。」
ストーンスネークの皮は、予想外に高値で売れた。タダツグは数日町に留まることにする。その間、タダツグはセリアに剣術を教える。
ヴァルハラ王国のメジナでは、6人の勇者がダンジョンに挑み始める。もちろんアンドレアス騎士団長が先導して、他に護衛の兵がついている。
彼らの前にスライムが3体現れる剣士のトウヤ、ユキコ、戦士のヒナタが前に出てそれぞれ剣、斧でスライムに切りかかる。しかし、スライムは不定形で切れない。
スライムがトウヤ、ユキコ、ヒナタに飛び掛かる。トウヤはかわすがユキコとヒナタがスライムに捕まる。アンドレアスが3人に言う。
「スライムは核をつぶすんだ。」
トウヤは剣でスライムの核を切る。ユキコはへばりついているスライムの核を剣で突き刺す。ヒナタは手をスライムに突っ込んで核を握り潰す。
スライムは地面に落ちて、ばっちゃりとつぶれる。ユキコが叫び声を上げる。
「何よ。これー」「服が溶けたぞ。」
ヒナタが落ち着いて言う。しかしユキコはそうはいかない。
「見ないでよ。」
男性陣が後ろを向く。ユキコは替えの服に着替える。アンドレアスが説明する。
「スライムは鎧などは消化できないが、服はすぐにボロボロになってしまう。飛び掛かってくるから気を付けるように。」「もう、遅いです。」
ユキコが涙目で言う。アンドレアスは想像以上に大変だと覚悟する。何しろ彼らは1層の入り口から入ったばかりの所にいるのだ。
「いつまで森にこもっているの。一旦、町に戻りましょ。」「森を出たければ、1人で出ればいい。」
「私はタダツグについて行くと決めたのよ。」「なら、我慢するのだな。」
タダツグは、ストーンスネークを狙っていた。ストーンスネークは剣が通用しない岩のように硬いうろこに覆われていて、冒険者殺しの異名を持っている。
ストーンスネークと倒すには剣だけでは無理である。魔法を剣と同時に使って戦う必要がある。タダツグはファイヤーボールを剣にまとわせる練習をしている。
炎の剣ならばいくら硬いと言っても相手は生物であるダメージを与えることが出来ると考える。練習を続けると炎の剣が完成する。
数日後、タダツグはストーンスネークと対峙する。ストーンスネークは正面からタダツグに向かってくる。タダツグはすれ違いざま炎の剣で切りつける。
炎の剣はストーンスネークの岩のように硬いうろこを焼くが切りつけるまではいっていない。それでもストーンスネークはひるむ。そして、獲物をセリアに変える。
ストーンスネークはセリアに向かって行く。セリアは剣を持っていたが、通用しないことは知っているので走って逃げ出す。
タダツグはストーンスネークの予想外の動きに慌てる。ストーンスネークに追いつき、炎の剣を振るうが効いていない。タダツグは炎をさらに鋭くすることを念じる。
炎の剣の炎は刃と化す。それでも切ることが出来ない。このままではセリアが危ない。炎の刃は鋭さを増す。初めてタダツグの剣がストーンスネークを切り裂く。
ストーンスネークはセリアを諦めて逃走を謀るが、タダツグの剣の方が早い。ストーンスネークの頭を切り落とすとしばらく体がうねって動いていたが静かになる。
セリアがタダツグに抱き着いて泣き出す。
「怖かったよー」「一度森を出るか。」「うん。」
セリアはホッとしたように返事をする。タダツグは仕留めたストーンスネークの解体を始める。タダツグは炎の剣の扱いが判ったのでストーンスネークをぶつ切りにして硬い皮をはがす。
そして、肉を適当な大きさに切り分けると串に刺して焼き始める。味付けは塩だけである。焼きあがるとタダツグとセリアは食べ始める。
セリアは、はじめ倒した獣を食べることに躊躇したが、今では食べ慣れている。食べ終わると焚火の周りで眠って夜を過ごす。
翌朝、タダツグはストーンスネークの皮を戦利品にして森を出る。当然、セリアが一緒である。2人はタリンの町に入る。タダツグは、すぐに町の変化に気づく。
町の雰囲気が明るくなっていた。タダツグは武具屋にストーンスネークの皮を持ち込むと店主に質問する。
「町の雰囲気が明るくなったようですが何かあったのですか。」「ロック様が領主を倒してくれたんだよ。これからは町は住民で管理することになったんだ。」
セリアは、ロックと聞いて機嫌が悪くなる。
「ロックは魔王ですよ。何か企んでいるかもしれませんわ。」「お嬢ちゃん、ロック様が勇者だろうが魔王だろうが構わないよ。私たちの生活が楽になっているのだから。」
セリアが何か言おうとするがタダツグがおしとどめて言う。
「ロック様が良い国を作ることを願っています。」「本当にその通りだ。ところでストーンスネークはお兄さんが倒したのかい。」
「はい、そうです。」「それはすごい、勇者様のようだ。良かったらこれからもひいきにしてくれよ。」
ストーンスネークの皮は、予想外に高値で売れた。タダツグは数日町に留まることにする。その間、タダツグはセリアに剣術を教える。
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スライムがトウヤ、ユキコ、ヒナタに飛び掛かる。トウヤはかわすがユキコとヒナタがスライムに捕まる。アンドレアスが3人に言う。
「スライムは核をつぶすんだ。」
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「何よ。これー」「服が溶けたぞ。」
ヒナタが落ち着いて言う。しかしユキコはそうはいかない。
「見ないでよ。」
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「スライムは鎧などは消化できないが、服はすぐにボロボロになってしまう。飛び掛かってくるから気を付けるように。」「もう、遅いです。」
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本当に、ありがとうございます。
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