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第2章 建国
第18話 タリンの自治
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タリンの領主の粛清の後、ロックが金で態度を変えないこととロックの配下にゴブリン部隊がいて、彼らがかなり強いことが国内に広まる。
こうして貴族たちは、税を高くしていた者は、法律の税率まで税を安くする。しかし、タリンの住民による自治については失敗するだろうと冷ややかに見ていた。
タリンでは自治のための議員の選挙が始まった。立候補したのは、商人ギルドの職員、冒険者ギルドのマスター、領主の元で働いていた者、成功している商人などであった。
立候補者たちは広場で演説をして自分が町を治めるのにふさわしいことをアピールする。住民たちは広場に集まって候補者たちの演説を聞く。
そして、投票日が来る。投票所は広場である。住民は集まって投票していく。住民の関心が高いため、投票率は9割を超える。
5人の議員が決まる。商人ギルドの職員が2人、商人が2人と意外にも領主の下で働いていた者が1人当選する。
議会は翌日から開かれる。最初に4割だった徴税率の審議が始まる。
「税率は低い方がいい。」「待ってください。議会の運営や私たちの給料もこの税から払われることになります。」
「税が安すぎると町の運営にかかわるのか。」「そうです。法律と同じ3割5分ではどうでしょう。」
「1割でいい。領主の蓄財があるだろう。」「領主の蓄財は国に没収されています。」
「仕方ない、2割でいいだろ。」「これでは議会を続けられませんよ。」
「税が安ければ、流通が盛んになる。税収は増えるだろう。」「他に意見はありませんか。」
「税収が増えないと住民の自治は失敗しますよ。」「大丈夫だ。私が保証する。」
議会は3日目に住民への課税を4割から2割へ減税する。住民は議会の判断を歓迎する。
次に町の防衛について議論する。
「兵たちは、町の防衛に役に立たなかったが冒険者を雇うか。」「ゴブリン部隊にこのまま駐留してもらうことはできないか。」
「費用はどうする。」「税収が増えるまでは予算を多く回せないぞ。」
「自警団はどうだ。」「そうだな。予算が出来るまで自警団でしのぐことにしよう。」
タリンの議会は町の様々なことを決めていく。こうして、タリンの自治は始まった。
当初は不安視する者もいたが、無事に住民の自治は安定して続いている。タリンは以前と比べて活気のある町になり、治安も良くなっている。
自警団が活動することで住民が自分の町を守る意識が高くなったのだ。
タリンの自治の成功は、貴族たちに大きな影響を与える。そして、貴族が住民に目を向けるきっかけになる。
フールは小人を使って国内各地の情報を集めている。小人たちは貴族が大きく態度を変えて住民に人気取りの行動をしていることを伝えてくる。
ディルクもまた街の顔役たちから国内の暮らしが良くなっていることを聞く。宰相のカールは、フールとディルクから国の状況を聴取してロックに報告する。
「タリンの自治の成功は、貴族に影響を与えたようです。貴族たちは生き残りをかけて住民の生活改善に努めています。」「民衆の生活は良くなったかな。」
「はい、ディルクからの報告でそうあります。」「それは良かった。」
「ロック様、情報局を創設しようと考えています。」「諜報機関かな。」
「はい、ディルクに情報局長を兼務してもらおうと考えています。」「彼が適任なのかい。」
「ディルクは街の中で顔が聞きますので部下を集めやすいと考えます。」「彼の負担が大きくならないように気を付けてくれ。」
「分かりました。」
即日でディルクに情報局長の椅子が用意される。ディルクは広報大臣に加えて兼務することになるが広報ですでに有能な部下をそろえているので大きな負担にはならなかった。
ディルク自身、自分の特技が生かせるとやる気になっている。
勇者タダツグは、滞在しているタリンが住民の自治が行われると知って驚く。セリアは貴族がいなくて町が治まるわけがないと言い切る。
タリンの町は住民の自治に移行しても混乱は起きなかった。タダツグはロックを倒すために修行を始めたが、ロックは倒すべき相手かわからなくなってきている。
「このままだと国がロックに壊されてしまうわ。」「本当にそうかな。」
タダツグはセリアの言葉に疑問を口にする。
「タダツグどうしたの。ロックを倒すために修行しているのでしょ。」「それはロックが倒すべき相手だと思っていたからだよ。」
「今は違うの。」「ロックが国をよくするのなら戦う理由は無くなるよ。」
「どちらにしろ、修行を続けましょ。」
セリアの言葉にタダツグは強くなることしかやることが無くなっていることに気づく。
こうして貴族たちは、税を高くしていた者は、法律の税率まで税を安くする。しかし、タリンの住民による自治については失敗するだろうと冷ややかに見ていた。
タリンでは自治のための議員の選挙が始まった。立候補したのは、商人ギルドの職員、冒険者ギルドのマスター、領主の元で働いていた者、成功している商人などであった。
立候補者たちは広場で演説をして自分が町を治めるのにふさわしいことをアピールする。住民たちは広場に集まって候補者たちの演説を聞く。
そして、投票日が来る。投票所は広場である。住民は集まって投票していく。住民の関心が高いため、投票率は9割を超える。
5人の議員が決まる。商人ギルドの職員が2人、商人が2人と意外にも領主の下で働いていた者が1人当選する。
議会は翌日から開かれる。最初に4割だった徴税率の審議が始まる。
「税率は低い方がいい。」「待ってください。議会の運営や私たちの給料もこの税から払われることになります。」
「税が安すぎると町の運営にかかわるのか。」「そうです。法律と同じ3割5分ではどうでしょう。」
「1割でいい。領主の蓄財があるだろう。」「領主の蓄財は国に没収されています。」
「仕方ない、2割でいいだろ。」「これでは議会を続けられませんよ。」
「税が安ければ、流通が盛んになる。税収は増えるだろう。」「他に意見はありませんか。」
「税収が増えないと住民の自治は失敗しますよ。」「大丈夫だ。私が保証する。」
議会は3日目に住民への課税を4割から2割へ減税する。住民は議会の判断を歓迎する。
次に町の防衛について議論する。
「兵たちは、町の防衛に役に立たなかったが冒険者を雇うか。」「ゴブリン部隊にこのまま駐留してもらうことはできないか。」
「費用はどうする。」「税収が増えるまでは予算を多く回せないぞ。」
「自警団はどうだ。」「そうだな。予算が出来るまで自警団でしのぐことにしよう。」
タリンの議会は町の様々なことを決めていく。こうして、タリンの自治は始まった。
当初は不安視する者もいたが、無事に住民の自治は安定して続いている。タリンは以前と比べて活気のある町になり、治安も良くなっている。
自警団が活動することで住民が自分の町を守る意識が高くなったのだ。
タリンの自治の成功は、貴族たちに大きな影響を与える。そして、貴族が住民に目を向けるきっかけになる。
フールは小人を使って国内各地の情報を集めている。小人たちは貴族が大きく態度を変えて住民に人気取りの行動をしていることを伝えてくる。
ディルクもまた街の顔役たちから国内の暮らしが良くなっていることを聞く。宰相のカールは、フールとディルクから国の状況を聴取してロックに報告する。
「タリンの自治の成功は、貴族に影響を与えたようです。貴族たちは生き残りをかけて住民の生活改善に努めています。」「民衆の生活は良くなったかな。」
「はい、ディルクからの報告でそうあります。」「それは良かった。」
「ロック様、情報局を創設しようと考えています。」「諜報機関かな。」
「はい、ディルクに情報局長を兼務してもらおうと考えています。」「彼が適任なのかい。」
「ディルクは街の中で顔が聞きますので部下を集めやすいと考えます。」「彼の負担が大きくならないように気を付けてくれ。」
「分かりました。」
即日でディルクに情報局長の椅子が用意される。ディルクは広報大臣に加えて兼務することになるが広報ですでに有能な部下をそろえているので大きな負担にはならなかった。
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「このままだと国がロックに壊されてしまうわ。」「本当にそうかな。」
タダツグはセリアの言葉に疑問を口にする。
「タダツグどうしたの。ロックを倒すために修行しているのでしょ。」「それはロックが倒すべき相手だと思っていたからだよ。」
「今は違うの。」「ロックが国をよくするのなら戦う理由は無くなるよ。」
「どちらにしろ、修行を続けましょ。」
セリアの言葉にタダツグは強くなることしかやることが無くなっていることに気づく。
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