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第4章 7国の王集合
第9話 ロック対サタナキア
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翌朝、ロックとリースは城に響く振動に起こされる。ロックとリースが何事かと部屋から出るとタダツグとユキコも廊下に出ていた。
ロックたちは振動の原因を確かめるために城の中を移動する。途中、宰相イペスとロキに出会う。イペスがロックたちに言う。
「起こしてしまいましたか。朝早くからすみません。」「これは何なの。」
「こちらです。」
イペスはロックたちを玉座の間に案内する。そこではサタナキアが柱に張り手をしていた。サタナキアはロックたちに気づき言う。
「朝早いな。ロック、お前も戦いを前に高ぶっているのか。我は我慢できず張り手をして気を静めていたところだ。」「そうですか。よく眠れましたか。」
「眠れんかったわ。お前とどのように戦うかと考えると気が高ぶって目がさえてしまってな。」「私はリースがいるので良く眠れました。」
「美女と熱い夜を過ごしたか。戦いを前に大胆だな。良いぞ。」
サタナキアのテンションが高い。昨夜は一睡もしていないのだろう。ロックはサタナキアの期待に応えるためにも全力で戦わねばならないと考える。
朝食はサタナキアの国らしく、ステーキが出てくる。リース、タダツグ、ユキコは軽い食事を頼む。ロックはサタナキアに対抗してステーキ肉を口に放り込む。
食事が終わるとサタナキアの配下の魔族が集まって来る。ロックは配下の魔族が全て魔王セベクより強いことを感じる。
タダツグも魔族たちがこれまで相手にした魔族と比べ物にならな程強いことを気づく。敵でなくても冷や汗が出てくる。
サタナキアは先頭に立って城を出る。配下の魔族が後に続く、イペスがロックたちに声をかける。
「私たちも行きましょう。」「はい。」
ロックたちも後について行く。サタナキアが街を歩くと民衆が気楽に声をかけてくる。商人たちが食べ物をサタナキアに差し入れる。
差し入れの多さに配下の魔族の両手がふさがる。タダツグがイペスに言う。
「すごい人気ですね。」「サタナキア様は人間の身分制度を無くして解放したのです。この国には他の国を追われた者が流れてくるのです。サタナキア様はその全てを受け入れています。」
「確かに村や町では自由のようでした。」「サタナキア様とその配下が守っているから安全なんですよ。」
タダツグは教会が力を持つヴァルハラ王国を何とか自由な国にしたいと思う。
サタナキアは、街を出て荒野に向かって歩いていく。そして街が見えなくなるとサタナキアは立ち止まる。
「ここにしよう。だが、まずは腹ごしらえだ。」
サタナキアは差し入れられた食べ物を広げる。配下も魔族も食べ物を広げてロックたちに言う。
「こちらに来て一緒に食べましょう。」「これから戦うんですよね。」
「これだけ歩けば腹が減るでしょう。」「では、遠慮なくいただきます。」
ロックが揚げパンを手に取って食べるとカレーパンだった。
「これ、カレーパンだ。」「ロック、カレーパンだって。」
タダツグも手に取って食べる。
「どうしてカレーパンがあるんだ。」「お前らそれが気に入ったのか。帰りに買って行こう。」
「サタナキア、これは僕たちの世界の食べ物なんだ。」「そうなのか。いろんな人間が集まっているからな。」
ロックはどこかの国で召喚された人がサタナキア魔王国に流れ着いて、作りだしたのだと考える。
食事が終わるとサタナキアが言う。
「そろそろ始めるか。」
すると配下の魔族たちは直径100メートル位の円を描くように立つ。イペスがタダツグたちに言う。
「観戦は配下の張る防御障壁の外側で見てください。」
リース、タダツグ、ユキコは配下の魔族が描く円の外側に出る。
円の中にはロックとサタナキアの2人になる。サタナキアが抑えていた魔力を開放する。空気が揺れて。魔族の張った障壁が反応する。ロックも抑えていた気配を開放する。
サタナキアがロックに言う。
「やはり、お前は魔族化しているな。セベクなどよりはるかに大きな魔力を持っている。だが、我には及ばない、どう戦う。」「僕には武器があります。」
ロックは自分の刀「岩切り」を抜く。長さ1.5メートル、重さ15キロの大刀である。ロックは縮地を使って一瞬にしてサタナキアの間合いに入り心臓めがけて突きを放つ。
サタナキアは左腕で受ける。刀は左腕を貫くが抜けなくなる。サタナキアは力を入れて刀を固定している。そして右こぶしをロックの顔面めがけて打ち込む。
ロックは左手で受けるが左手がバラバラにはじける。顔面に受けていたら首から上が消し飛んでいただろう。ロックはサタナキアの腹にけりを入れて刀を抜く。
ロックは後ろに2度飛んでサタナキアから距離を取る。右手の刀「岩切り」を上に掲げると刀の先に巨大な火球を作りだす。サタナキアは腕を組んで独り言を言う。
「今度は魔法か、面白い。」
サタナキアの左腕の刀傷は消え無くなっている。ロックの左手も再生を始めている。火球は直径2メートル位になりそこから熱量を上げ始める。火球は太陽のように輝きだす。
すると突然火球はバレーボールほどの大きさに圧縮する。ロックは刀の先をサタナキアに向ける。サタナキアはとっさに魔力障壁を作りだす。火球はサタナキアに撃ち込まれる。
火球は爆発して地面を溶かしてマグマの池を作りだす。サタナキアはかばった両腕が消し炭と化し体は炎に包まれる。ロックは肩で息をしながら警戒を解いていない。
サタナキアの魔力は衰えていない。炎の中からサタナキアが出てくる。黒焦げに焼けているが脱皮するように焼けた皮を脱ぎ捨て新しい体を現す。体には炭化したはずの両腕もある。
さらに全裸の体に新しい鎧が現れて体に装着されている。サタナキアは満足げに言う。
「我をここまで追いつめたのは、ロック、お前が初めてだ。誇るが良いぞ。今度は我から行こう。」「くっ・・・・・」
ロックが厳しい顔になり構える。サタナキアの姿が消える。同時にロックはかがむ。ロックの目の前にサタナキアが立っている。両腕には魔力を纏っている。サタナキアはこれで右フックをロックに繰り出したのだ。
サタナキアが驚いたように言う。
「我の攻撃をかわしたな。見事だ褒めてやる。本気で攻撃してやろう。」「・・・・・」
サタナキアの両腕が見えなくなる。ロックは上半身が見えなくなる。サタナキアは両腕で高速のパンチを連続して繰り出している。さらにパンチには魔力を纏っている。
ロックは、パンチをぎりぎりでかわしている。サタナキアのパンチは強力な兵器である。一発でもかすれば重傷は免れない。サタナキアのパンチは、エスリムの水の斬撃よりも早い。
ロックは、パンチを交わすことで精一杯で攻撃に転じることはできない。この状態で時間が過ぎていく。
そして、配下の魔族から戦いの中止が入る。
「サタナキア様、時間切れです。切り上げないと夕方までに城に戻れません。」「そうか、残念だ。ロックよ。戦いはまたの機会にしよう。今日は引き分けだ。」
ロックは息が上がって声が出ない。引き分け?冗談ではない。僕は全く手が出なかった。防戦一方だったんだ。善戦したはずなのにロックは悔しかった。
ロックたちは振動の原因を確かめるために城の中を移動する。途中、宰相イペスとロキに出会う。イペスがロックたちに言う。
「起こしてしまいましたか。朝早くからすみません。」「これは何なの。」
「こちらです。」
イペスはロックたちを玉座の間に案内する。そこではサタナキアが柱に張り手をしていた。サタナキアはロックたちに気づき言う。
「朝早いな。ロック、お前も戦いを前に高ぶっているのか。我は我慢できず張り手をして気を静めていたところだ。」「そうですか。よく眠れましたか。」
「眠れんかったわ。お前とどのように戦うかと考えると気が高ぶって目がさえてしまってな。」「私はリースがいるので良く眠れました。」
「美女と熱い夜を過ごしたか。戦いを前に大胆だな。良いぞ。」
サタナキアのテンションが高い。昨夜は一睡もしていないのだろう。ロックはサタナキアの期待に応えるためにも全力で戦わねばならないと考える。
朝食はサタナキアの国らしく、ステーキが出てくる。リース、タダツグ、ユキコは軽い食事を頼む。ロックはサタナキアに対抗してステーキ肉を口に放り込む。
食事が終わるとサタナキアの配下の魔族が集まって来る。ロックは配下の魔族が全て魔王セベクより強いことを感じる。
タダツグも魔族たちがこれまで相手にした魔族と比べ物にならな程強いことを気づく。敵でなくても冷や汗が出てくる。
サタナキアは先頭に立って城を出る。配下の魔族が後に続く、イペスがロックたちに声をかける。
「私たちも行きましょう。」「はい。」
ロックたちも後について行く。サタナキアが街を歩くと民衆が気楽に声をかけてくる。商人たちが食べ物をサタナキアに差し入れる。
差し入れの多さに配下の魔族の両手がふさがる。タダツグがイペスに言う。
「すごい人気ですね。」「サタナキア様は人間の身分制度を無くして解放したのです。この国には他の国を追われた者が流れてくるのです。サタナキア様はその全てを受け入れています。」
「確かに村や町では自由のようでした。」「サタナキア様とその配下が守っているから安全なんですよ。」
タダツグは教会が力を持つヴァルハラ王国を何とか自由な国にしたいと思う。
サタナキアは、街を出て荒野に向かって歩いていく。そして街が見えなくなるとサタナキアは立ち止まる。
「ここにしよう。だが、まずは腹ごしらえだ。」
サタナキアは差し入れられた食べ物を広げる。配下も魔族も食べ物を広げてロックたちに言う。
「こちらに来て一緒に食べましょう。」「これから戦うんですよね。」
「これだけ歩けば腹が減るでしょう。」「では、遠慮なくいただきます。」
ロックが揚げパンを手に取って食べるとカレーパンだった。
「これ、カレーパンだ。」「ロック、カレーパンだって。」
タダツグも手に取って食べる。
「どうしてカレーパンがあるんだ。」「お前らそれが気に入ったのか。帰りに買って行こう。」
「サタナキア、これは僕たちの世界の食べ物なんだ。」「そうなのか。いろんな人間が集まっているからな。」
ロックはどこかの国で召喚された人がサタナキア魔王国に流れ着いて、作りだしたのだと考える。
食事が終わるとサタナキアが言う。
「そろそろ始めるか。」
すると配下の魔族たちは直径100メートル位の円を描くように立つ。イペスがタダツグたちに言う。
「観戦は配下の張る防御障壁の外側で見てください。」
リース、タダツグ、ユキコは配下の魔族が描く円の外側に出る。
円の中にはロックとサタナキアの2人になる。サタナキアが抑えていた魔力を開放する。空気が揺れて。魔族の張った障壁が反応する。ロックも抑えていた気配を開放する。
サタナキアがロックに言う。
「やはり、お前は魔族化しているな。セベクなどよりはるかに大きな魔力を持っている。だが、我には及ばない、どう戦う。」「僕には武器があります。」
ロックは自分の刀「岩切り」を抜く。長さ1.5メートル、重さ15キロの大刀である。ロックは縮地を使って一瞬にしてサタナキアの間合いに入り心臓めがけて突きを放つ。
サタナキアは左腕で受ける。刀は左腕を貫くが抜けなくなる。サタナキアは力を入れて刀を固定している。そして右こぶしをロックの顔面めがけて打ち込む。
ロックは左手で受けるが左手がバラバラにはじける。顔面に受けていたら首から上が消し飛んでいただろう。ロックはサタナキアの腹にけりを入れて刀を抜く。
ロックは後ろに2度飛んでサタナキアから距離を取る。右手の刀「岩切り」を上に掲げると刀の先に巨大な火球を作りだす。サタナキアは腕を組んで独り言を言う。
「今度は魔法か、面白い。」
サタナキアの左腕の刀傷は消え無くなっている。ロックの左手も再生を始めている。火球は直径2メートル位になりそこから熱量を上げ始める。火球は太陽のように輝きだす。
すると突然火球はバレーボールほどの大きさに圧縮する。ロックは刀の先をサタナキアに向ける。サタナキアはとっさに魔力障壁を作りだす。火球はサタナキアに撃ち込まれる。
火球は爆発して地面を溶かしてマグマの池を作りだす。サタナキアはかばった両腕が消し炭と化し体は炎に包まれる。ロックは肩で息をしながら警戒を解いていない。
サタナキアの魔力は衰えていない。炎の中からサタナキアが出てくる。黒焦げに焼けているが脱皮するように焼けた皮を脱ぎ捨て新しい体を現す。体には炭化したはずの両腕もある。
さらに全裸の体に新しい鎧が現れて体に装着されている。サタナキアは満足げに言う。
「我をここまで追いつめたのは、ロック、お前が初めてだ。誇るが良いぞ。今度は我から行こう。」「くっ・・・・・」
ロックが厳しい顔になり構える。サタナキアの姿が消える。同時にロックはかがむ。ロックの目の前にサタナキアが立っている。両腕には魔力を纏っている。サタナキアはこれで右フックをロックに繰り出したのだ。
サタナキアが驚いたように言う。
「我の攻撃をかわしたな。見事だ褒めてやる。本気で攻撃してやろう。」「・・・・・」
サタナキアの両腕が見えなくなる。ロックは上半身が見えなくなる。サタナキアは両腕で高速のパンチを連続して繰り出している。さらにパンチには魔力を纏っている。
ロックは、パンチをぎりぎりでかわしている。サタナキアのパンチは強力な兵器である。一発でもかすれば重傷は免れない。サタナキアのパンチは、エスリムの水の斬撃よりも早い。
ロックは、パンチを交わすことで精一杯で攻撃に転じることはできない。この状態で時間が過ぎていく。
そして、配下の魔族から戦いの中止が入る。
「サタナキア様、時間切れです。切り上げないと夕方までに城に戻れません。」「そうか、残念だ。ロックよ。戦いはまたの機会にしよう。今日は引き分けだ。」
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【作者より、感謝を込めて】
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本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
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