勇者失格宣告~魔王と静かに暮らしたい

ぽとりひょん

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第4章 7国の王集合

第18話 帰国

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 サタナキアの部屋にロックが入って来る。
 「サタナキア、どうして議定書にサインしなかったんだい。」「我がサインしようがしないが我が国の状況は変わらないからだ。」
 「それでも他の国には影響があるぞ。」「我らは国王だ。他国の利益まで考えねばならないか。」「言う通りだよ。済まなかった。」
ロック、タダツグ、サタナキアたちはサマエル魔王国から出発する。ロックとリースが帰国すると立ち寄る村や町で歓迎を受ける。人々はロックに税が3割になって生活が楽になったことを感謝する。
 ロックは貴族たちが努力して税を3割にしていることを知る。王都に戻ると人々が通りに出て声援を送ってくれる。王城に戻るとカール、エッカルト、ユリアン、中西、四天王、オーガ、ディートハルトたちが迎え出る。カールが代表して言う。
 「我らの王、ロック様とリース様のお帰りをお待ちしていました。」「留守をありがとう。留守中何かあったかい。」
 「計画通り政策を進めています。ロック様の功績は後程伺います。」「分かった。」
ロックとリースが部屋に戻るとカールが入って来る。
 「どこかの国と友好条約でも結んできたか。」「ああ、サタナキア魔王国とヴァルハラ王国と友好条約を結んだよ。」
 「そこは元々友好国だろ。」「それから、不可侵の議定書にサインしたよ。」
 「不可侵ですか。どのようなペナルティがあるのです。」「無いよ。約束を書面にしただけですよ。」
 「7か国すべてがサインしたのですか。」「サタナキア魔王国とアスモダイオス魔王国はサインしませんでした。」
 「5か国だけのサインですか。ほとんど名目上の書類ですね。」「どういうこと。」
 「魔王サマエルは各国の王を集めた功績の形が欲しかったのです。そこで不可侵の議定書です。」「僕たちは利用されたのか。」
 「サマエルはサインしなかったサタナキアとアスモダイオスに説得を試みましたか。」「いいや、1週間の熟考期間をおいただけです。」
 「これでサマエルは成果を出したと主張できます。」「そう言うことか。」
 「他にはありませんでしたか。」「タダツグがコール神教国と友好関係を築こうとしました。」
 「失敗したでしょう。」「その通りだ。なぜわかるんだ。」
 「コール神教国はヴァルハラ王国を狙っていると思います。」「キーシリングは不可侵の議定書にサインしたよ。」
 「ペナルティはありませんから、議定書を破ったことも後から理由をつければいい。」「対策はしているの。」
 「まだ、コール神教国の出方が分かりませんから。」「そーかー、だからキーシリングはイクブスと共闘同盟を結んだのか。」
 「共闘同盟だって・・・想定外だぞ。」「困るのか。」
 「イクブス魔王国まででばって来ると戦いが長引く。」「魔王イクブスはキーシリングを信用していません。と言うか嫌っています。」
 「そうか付け入る隙はあるな。」
カールは考え始める。ロックは話はここまでだなと思う。カールはぶつぶつ言いながら部屋を出ていく。
 タダツグとユキコは王城に戻るとセリアとトウヤたちが迎え出る。
 タダツグはセリアを抱きしめる。ユキコが2人に言う。
 「タダツグはどこに行っても女の人と一緒ね。」「タダツグ、どういうこと。」
セリアの目が怖い。タダツグは冷や汗をかく。
 「セリア聞いてくれ、サマエル魔王国に着いたら魔王イクブスに気に入られて言い寄られていたんだ。」「それで楽しかったの。」
 「そんなことはないよ。イクブスのペースに乗せられてしまったけど。」「で・・・」「それは~」
 「魔王キーシリングの前でいちゃついたのよね。」「はあぁ~」「セリア待ってくれ。」
セリアはタダツグの頬を叩く。ユキコはフォローする。
 「でも、リースが怒ってイクブスを怒ったら、イクブスは青くなって震えていたわよ。」「それなら、いいけど。惜しかったわねタダツグ。」
 「僕は災難だよ。イクブスは僕を自分の国へ連れ帰るつもりだったんだよ。」「とんでもないわ、タダツグと一緒にいるのは私なんだから。」
セリアはイクブスを怒る。トウヤがそろそろかと声をかける。
 「そろそろ、質問していいかな。」「ええ、報告があるわ。」
ユキコが答えて報告する。
 「バシュラール魔王国とサタナキア魔王国と友好条約を結びました。」「それはよくやった。」
 「しかし、コール神教国とは友好関係を作れませんでした。」「こちらの意向は伝えたんだよね。」
 「はい、コール神教国はイクブス魔王国と共闘同盟を結びました。」「キーシリングは何を警戒しているんだ。」
 「それはロック様だと思います。ロック様はサタナキアと戦って勝負がつかなかったのです。」「ロックが・・・あのサタナキアと・・・」
トウヤはロックの力に驚く。いつの間にかに最強と言われる魔王サタナキアに追いついてきたのだ。バシュラール魔王国とサタナキア魔王国と友好関係はヴァルハラ王国の外交の武器になる。
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