97 / 118
第5章 メルヘム暗躍
第9話 ディートハルト部隊介入
しおりを挟む
団長は、両軍がぶつかり合う最前線の中にいて、アンドレアスだけしかいないように目を見開いている。近衛騎士が団長に向かって行く。だが、団長は気づいていないようにアンドレアスに集中している。
近衛騎士が団長の間合いに入り突きを繰り出す。団長は魔剣グラムントを左手に持ち少し掲げて、突きの剣筋をずらす。近衛騎士に魔剣グラムントの力が作用して右腕と両目が切り裂かれる。
両眼を切り裂かれた近衛騎士は視界を奪われ地面に倒れる。団長が言う。
「ここはハエがうるさいな。」
アンドレアスはまともな剣同士の戦いなら互角に渡り合える自信がある。だが、相手の魔剣と剣を交えてはならないのでかなり不利になる。それでも団長は自分が倒さなければならない。
放っておけば被害が広がるだけだ。アンドレアスは少しずつ団長との距離を詰める。間合いに入った瞬間、団長が魔剣を横なぎに大振りする。
アンドレアスは姿勢を低くしてかわすと剣を腰だめにして団長に突っ込む。次の瞬間、アンドレアスは横に飛び団長から離れる。団長の前には魔剣が突き立てられていた。
そのまま突っ込んでいたら上から魔剣に貫かれていただろう。団長はアンドレアスの動きを読んでいた。アンドレアスは手に汗がにじむ。
魔剣をかわしながら、隙をつくことは不可能のように思えてくる。
団長は再び周りにいる兵を敵味方関係なく切り、魔剣グラムントに魂を吸収させる。そして、アンドレアスに向き直る。狂人の顔に笑みが張り付く。
アンドレアスの指揮の無い右翼の近衛騎士たちは善戦するが組織的に戦えず反乱軍に飲み込まれていく。
この頃、クリストハルトは、軍勢の前で戦闘が始まったことを知る。クリストハルトは大声を出して聞く。
「前線はどうなっている。」
答えられるものはいない。クリストハルトは初めて指揮を執る。
「私に続け、迂回して敵を挟み撃ちにするぞ。」「「「おう」」」
クリストハルトを先頭に後方の兵が走り出す。2000ほどの兵が別動隊になって国軍の背後に回り込もうとする。
この動きに、タダツグ、トウヤ、アンドレアスは気づけずにいる。クリストハルトの戦術が成功すれば、国軍を殲滅できるだろう。
別動隊に近づく一軍が現れる。ディートハルトの部隊だ。数は50人にも満たない。ディートハルトたちは別動隊の後ろに着くと別動隊を飲み込み始める。兵たちが叫び声を上げる。
「マッチョ、マッチョが来る。いやだー、助けてくれー」
ディートハルトのマッチョ兵は仕上がった筋肉を見せつけながら別動隊の兵を倒していく。マッチョ兵は、動きが化け物のように速く並みの兵には対抗できなかった。
クリストハルトは悪夢のような光景を目にする。2000の兵がマッチョたちに追いかけられて、泣き叫びながら倒れていくのだ。もちろん、クリストハルトにとっても他人事ではない。
全力で走って逃げる。しかし、マッチョ兵ははるかに速い。クリストハルトは叫ぶ。
「やめてくれ、降参するから。助けてくれ。」
叫び声はマッチョ兵たちに飲み込まれる。別動隊を全滅させるとディートハルトはマッチョ兵を横列体形にする。そして、反乱軍に突入させる。
マッチョ兵は反乱軍の左翼に面で衝突する。マッチョ兵がぶつかると敵兵がバラバラになって飛んでいく。敵兵がマッチョ兵に気づいた時には切り刻まれている。
アンドレアスたちは、反乱軍に飲み込まれて自分たちの位置がわからなくなっている。アンドレアスは団長の攻撃をかわし続けている。持ちこたえているのはこれまでの実戦経験があるためだ。
団長に向かって反乱軍の兵が飛んでくる、団長はぎりぎりでかわす。飛んできた兵は上半身だけで下半身がなかった。マッチョ兵が近くまで来たのだ。
団長はアンドレアスに興味が無くなったように兵が飛んできた方向に構える。マッチョ兵が反乱軍の兵を雑草でも刈るように薙ぎ払って団長の前に現れる。
マッチョ兵は団長を剣で横なぎに切りかかる。団長は魔剣で受け止める。いや、受け止めることはできなかった。マッチョ兵の剣は魔剣グラムントを折り、団長をそのまま横から二つに切る。
マッチョ兵はアンドレアスに気づいて言う。
「アンドレアス殿、お久しい。今のうちに兵をまとめられよ。」「助かります。」
マッチョ兵は再び反乱軍の兵を雑草でも刈るように剣を振って真直ぐ進んで行く。
近衛騎士が団長の間合いに入り突きを繰り出す。団長は魔剣グラムントを左手に持ち少し掲げて、突きの剣筋をずらす。近衛騎士に魔剣グラムントの力が作用して右腕と両目が切り裂かれる。
両眼を切り裂かれた近衛騎士は視界を奪われ地面に倒れる。団長が言う。
「ここはハエがうるさいな。」
アンドレアスはまともな剣同士の戦いなら互角に渡り合える自信がある。だが、相手の魔剣と剣を交えてはならないのでかなり不利になる。それでも団長は自分が倒さなければならない。
放っておけば被害が広がるだけだ。アンドレアスは少しずつ団長との距離を詰める。間合いに入った瞬間、団長が魔剣を横なぎに大振りする。
アンドレアスは姿勢を低くしてかわすと剣を腰だめにして団長に突っ込む。次の瞬間、アンドレアスは横に飛び団長から離れる。団長の前には魔剣が突き立てられていた。
そのまま突っ込んでいたら上から魔剣に貫かれていただろう。団長はアンドレアスの動きを読んでいた。アンドレアスは手に汗がにじむ。
魔剣をかわしながら、隙をつくことは不可能のように思えてくる。
団長は再び周りにいる兵を敵味方関係なく切り、魔剣グラムントに魂を吸収させる。そして、アンドレアスに向き直る。狂人の顔に笑みが張り付く。
アンドレアスの指揮の無い右翼の近衛騎士たちは善戦するが組織的に戦えず反乱軍に飲み込まれていく。
この頃、クリストハルトは、軍勢の前で戦闘が始まったことを知る。クリストハルトは大声を出して聞く。
「前線はどうなっている。」
答えられるものはいない。クリストハルトは初めて指揮を執る。
「私に続け、迂回して敵を挟み撃ちにするぞ。」「「「おう」」」
クリストハルトを先頭に後方の兵が走り出す。2000ほどの兵が別動隊になって国軍の背後に回り込もうとする。
この動きに、タダツグ、トウヤ、アンドレアスは気づけずにいる。クリストハルトの戦術が成功すれば、国軍を殲滅できるだろう。
別動隊に近づく一軍が現れる。ディートハルトの部隊だ。数は50人にも満たない。ディートハルトたちは別動隊の後ろに着くと別動隊を飲み込み始める。兵たちが叫び声を上げる。
「マッチョ、マッチョが来る。いやだー、助けてくれー」
ディートハルトのマッチョ兵は仕上がった筋肉を見せつけながら別動隊の兵を倒していく。マッチョ兵は、動きが化け物のように速く並みの兵には対抗できなかった。
クリストハルトは悪夢のような光景を目にする。2000の兵がマッチョたちに追いかけられて、泣き叫びながら倒れていくのだ。もちろん、クリストハルトにとっても他人事ではない。
全力で走って逃げる。しかし、マッチョ兵ははるかに速い。クリストハルトは叫ぶ。
「やめてくれ、降参するから。助けてくれ。」
叫び声はマッチョ兵たちに飲み込まれる。別動隊を全滅させるとディートハルトはマッチョ兵を横列体形にする。そして、反乱軍に突入させる。
マッチョ兵は反乱軍の左翼に面で衝突する。マッチョ兵がぶつかると敵兵がバラバラになって飛んでいく。敵兵がマッチョ兵に気づいた時には切り刻まれている。
アンドレアスたちは、反乱軍に飲み込まれて自分たちの位置がわからなくなっている。アンドレアスは団長の攻撃をかわし続けている。持ちこたえているのはこれまでの実戦経験があるためだ。
団長に向かって反乱軍の兵が飛んでくる、団長はぎりぎりでかわす。飛んできた兵は上半身だけで下半身がなかった。マッチョ兵が近くまで来たのだ。
団長はアンドレアスに興味が無くなったように兵が飛んできた方向に構える。マッチョ兵が反乱軍の兵を雑草でも刈るように薙ぎ払って団長の前に現れる。
マッチョ兵は団長を剣で横なぎに切りかかる。団長は魔剣で受け止める。いや、受け止めることはできなかった。マッチョ兵の剣は魔剣グラムントを折り、団長をそのまま横から二つに切る。
マッチョ兵はアンドレアスに気づいて言う。
「アンドレアス殿、お久しい。今のうちに兵をまとめられよ。」「助かります。」
マッチョ兵は再び反乱軍の兵を雑草でも刈るように剣を振って真直ぐ進んで行く。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる