勇者失格宣告~魔王と静かに暮らしたい

ぽとりひょん

文字の大きさ
107 / 118
第6章 反撃

第4話 サタナキアの決断

しおりを挟む
 ユキコがサタナキア魔王国の王城に到着する。ユキコはサタナキアに謁見する。
 「元気にしていたか。タダツグ殿は内乱で大変だったな。」「国内は治まりつつあります。我が国の内乱の原因はご存じでしょうか。」
 「バシュラール魔王国の宰相カールの調査報告書を読んで知っているぞ。貴国は戦争をするのか。」「まだ、決まっていません。」
 「そうか、貴公も我の出方が知りたいか。」「他にも来訪しているのですか。」
 「バシュラール魔王国の情報局長ディルクが同じ用件で来ている。」「サタナキア様は動かれるのですか。」
 「我は動くつもりはない。コール神教国に強い奴がいれば別だが、キーシリングについている奴など我の相手は務まらないさ。」「そうですか。」
ユキコはバシュラール魔王国のディルクがやり手であることは聞いている。彼がサタナキアをうごかせないのなら自分が交渉しても無理だろう。ユキコは引き下がることにする。
 ユキコが玉座の間から下がるとディルクが待っていた。
 「私はバシュラール魔王国の広報大臣兼情報局長のディルクです。」「ヴァルハラ王国外務大臣のユキコです。」
 「サタナキア様は動きませんよ。」「はい、ディルク様がダメでしたら、私には無理です。」
 「私はこの後ヴァルハラ王国へ行こうと思います。」「本国への報告は良いのですか。」
 「すでに使者を送り出しています。」「では、一緒にヴァルハラ王国へ向かいましょう。」
ユキコは、ディルクの仕事が早いと感心する。バシュラール魔王国がディルクをサタナキア魔王国へ送ったのはサタナキア魔王国軍を重要視していたからだと判断する。
 次はヴァルハラ王国の軍を調べるつもりなのだろう。
 ユキコはディルクとヴァルハラ王国へ向かう。バシュラール魔王国にはディルクが送った使者が到着してロックたちに報告が来る。
 「やはり、サタナキア魔王国は動きませんね。」「コール神教国に強い奴がいれば違って来ただろうね。」
 「タダツグ様もいますから会議を始めてもよろしいですか。」「ああ、早く手を打とう。」
ヴァルハラ王国の王城にユキコとディルクが到着する。ケンゴがディルクを見て言う。
 「ディルク様と一緒だったのかい。」「ええ、サタナキア魔王国で出会ったから一緒に来たのよ。」
 「そうか、旅の途中はどうだったのかな。」「それは関係ないでしょ。」
 「そうなんだけど。」「ケンゴ様はユキコ様を心配しているのですよ。」
ディルクがフォローし、サチ、セネカの目が輝く。
 「どうして心配するの。」「いや・・・その・・・」「私とユキコ様は何もありませんよ。」
ユキコも気づいて、赤くなり怒ったように言う。
 「ケンゴ、ディルク様に失礼でしょ。」「はい、ディルク様、バカなことを考えてすみません。」
 「いいえ、ユキコ様はかわいいから心配なことは分かりますよ。」「ええ、そうなんです。」
ケンゴはディルクに誘導され口走ってしまう。ユキコはさらに赤くなりケンゴを見ることが出来ない。サチが面白そうに言う。
 「ケンゴ、責任取りなさいよ。」「まだ、何もしていないよ。」
 「これからするんでしょ。」「それは、ユキコ次第だから・・・」
 「サチ、追いつめたらかわしそうよ。」
セネカが止めに入る。ケンゴは深呼吸して気持ちを落ち着かせると真剣な顔でユキコに言う。
 「後で、話せないかな。真剣な話があるんだ。」「は・・・い・・・」
ユキコは戸惑うように小さな声で返事をする。ディルクはユキコとケンゴを嬉しそうに見守る。サチとセネカは興味深々で結果待ちをする。ユキコが壊れかけているのでディルクが報告する。
 「魔王サタナキアは、この件では動かない。バシュラール魔王国とヴァルハラ王国で対処することになる。」
これまで黙っていたトウヤが発言する。
 「早く、バシュラール魔王国にいるタダツグ様とロック様に伝えないといけませんね。」「それは、すでに使者を送っています。」
 「バシュラール魔王国でコール神教国への対処が決まりますね。」「とりあえず。軍を動かす用意をした方が良いでしょう。」
 「ディルク様は戦争が起こるとお考えですか。」「私はコール神教国はヴァルハラ王国を狙っていると考えています。戦争は不可避ではないかと。」
 「戦争だけは避けたいのに・・・」「覚悟を決めようぜ。」
ヒナタはトウヤに覚悟するように促し、ユキコとケンゴに言う。
 「そろそろ、2人の話をするために行ったらどうだ。」「ありがとう。ユキコ、来てくれ。」「うん。」
ユキコとケンゴは部屋を出ていく。サチが目を輝かせてセネカに言う。
 「プロポーズよ。ユキコ、どう返事するかな。」「お似合いじゃないの。うまくいくといいわ。」
トウヤがヒナタ、サチ、セネカに言う。
 「結果がどうであろうと、仲間のことだ。成功したら祝福して、失敗したらフォローしよう。」「そうだな。で、どちらにかけるんだ。」「不純よ。私は成功。」「私も成功かな。」
 「俺は当然成功だ。トウヤはどっちだ。」「かけなんて良くないよ。僕も成功してほしい。」「みんな、成功じゃ、かけは成立しないよ。」
 「では、私が失敗にかけましょう。成功したら皆さんに食事をおごりますよ。」
ディルクが申し出る。ディルクはお祝いに食事の席を設けることにする。
 ユキコとケンゴが戻って来る。2人とも顔が赤い。ケンゴが宣言するように言う。
 「僕たち、付き合うことになりました。」「わああぁぁ、おめでとう。」「やったな。」「では、食事に出かけましょう。」
2人の交際はみんなに祝われて始まることになる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...