戦場で死ぬはずだった俺が、女騎士に拾われて王に祭り上げられる（改訂版）

第47話 アクセル

　俺はドニィーシャとの剣術の訓練中である。ドニィーシャの斬撃をかわし突きを入れるが軽くいなされてしまう。動きを読まれている。
　そこで考えていた方法を試してみる。これは、瞬間的に体の一部に魔力を集中し身体能力を強化するのである。
　しかし、一瞬で一連の動作をしなければならないのでこれまで不可能だったのである。ドニィーシャから離れ間合いを取り、じわじわとドニィーシャの間合いに近づく。
　俺は間合いに入った瞬間、足に魔力を集中し、飛び出すとともに下から切り上げる。しかし、ドニィーシャの姿が消えた、次の瞬間俺の体は腹の所で両断されていた。
　また、俺は医療ポッドに入ることになった。ドニィーシャは、俺に言う
　「さっきのはよかったわよ、とっさだったから手加減できなかったわ。」
ドニィーシャは、俺に合わせて手加減しながら訓練していたらしい。
　「あれは、何だったんだ、消えたぞ。」「やはり、見えてないのね。瞬間的に身体能力を強化するって言ったでしょ。それの究極の業、アクセルよ。」
　「俺に使えるようになるか。」「あなた次第よ。」
俺の剣の道は長そうだ。
午後はアピルが講義に来た。アピルは医療ポッドに入った俺を見て言う。
　「はむら、今回はひどくやられたな、夜には治るか。」「まあ、いつもと一緒です。」
　「今日は、我の夜伽の番だからな、この前の礼を兼ねて裸で添い寝してやろう。」「アピル様、楽しみにしてますよ。」
　「添い寝だけだからな、勘違いするなよ。」
　アピルの講義は、魔力を収束する魔術式についてであった。俺は、戦闘中に魔術式を展開する方法はないか質問する
　「魔剣マノーブルには魔術式が組み込まれているだろ。」「えっ。」
　「サイーシヤから聞いていないのか。」「剣を返されただけですから。」
　「そういうこともあるか。」「それはないですよ。」
あったらたまらない、サイーシヤには分かったことを教えてもらう約束をしていた。
　マノーブルは、ロア博士の傑作らしいので有効な魔術式が組み込まれていることを期待する。