戦場で死ぬはずだった俺が、女騎士に拾われて王に祭り上げられる（改訂版）

第186話 ティグラトの面会

　俺たちが浮島に帰還するとやはりハーレム王のコールが続いている。俺は黙って受け入れるしかない。
　町はお祭り騒ぎになっている。これは他の町でも同じ状態だそうだ。初めて上位の神族を倒したのだ仕方のないことである。
　俺はドニィーシャに言う。
　「ハーレム王というの何とかならないのかな。」「そのままではありませんか。」
俺は返す言葉がない。
　東京の拠点から来訪者の連絡が来る。グリムのティグラト・ナンマ、ノモスのアサド・バース、アイユのアマル・キリヤが面会を求めてきているのである。
　グリム、ノモス、アイユはフレイムランドと同じ対神族魔族の戦闘集団である。それぞれのリーダーが面会を求めているのだ。
　俺は連携せずに戦ったことへの抗議かとも思うが、会ってみないとわからないと腹をくくる。
　俺はとりあえず１人ずつ会ってみることにする。グリルのティグラトと会う、アルム・シャルがついて来ている。
　アルムはバビロニアのブラッティー・クリムゾンと言われ、アンダルシアのブラッティー・クリムゾンのドニィーシャとはライバルである。
　ティグラトは俺に言う。
　「シバの討伐おめでとうございます。」「ありがとう、今回はとどめを刺せたよ。」
アルムが口をはさむ
　「私とドニィーシャどちらが上ですか。」「ドニィーシャだよ。」
ティグラトとアルムの顔色が変わる。
　「よく言えますね。」「弟子の私が証明しょうか。」「ぜひ。」
俺についていたサイーシャが止めようとするが俺は手を挙げて止める。
　アルムはアクセルを使って俺に迫る。彼女は横なぎに剣を振るが俺は姿勢を低くしてかわし柄頭つかがしらで剣を打ち上げ跳ね飛ばす。
　そして俺は彼女ののど元に刀を突き付ける。俺はアルムに言う。
　「ドニィーシャは私より強いですよ。」
アルムは言葉が出ない。俺はティグラトに言う。
　「要件はなんでしたか。」「協力関係を結びたかったのだが、少し考えさせてほしい。」「わかりました。」
ティグラトとアルムは部屋を出る。サイーシャが俺に言う。
　「こういうことは控えてください。」「時には必要だよ、たぶん対等の立場で協力関係を結びたかったに違いないよ。」
　「そうですね、陛下はどうするのですか。」「フレイムランドに入ってもらおうと思っている。」
サイーシャは首を振る。あきれているのだろう。