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第20話 悪路王2

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 夜になり、たけると鈴鹿、カメラマンの3人は髪洗岩へ向かう。
 岩の周りには警察が張った黄色のテープで立ち入り禁止となっており、警察官が2人警戒している。
 たけるは髪洗岩の近くの崖の途中の岩から見張ることにする。
 たけるは、人間業と思えない身軽さで崖の岩肌を登っていく。
 鈴鹿はカメラマンを背負い、たけるの後に続く。
 鈴鹿は見た目は、人間の女性であるが鬼姫であり、たけるよりはるかに力持ちである。
 3人は、崖の途中の岩から髪洗岩を見下ろす。
 岩は犠牲者の血で赤黒く染まっている。
 深夜になり3人は交代で見張ることにした時、人が2人こちらに来るのが見える。
 2人が近づくと男女で、女は相談者である、警察官が2人に声をかけるが、女が手をかざすと警察官は2人とも糸が切れたように倒れる。
 女は男を連れて髪洗岩の上に登る。
 たけるは髪洗岩の近くに飛び降りる、鈴鹿もカメラマンをお姫様抱っこして飛び降りる
 「何をしている。」
たけるは2人に声をかける、女はたけるを見るが男は反応しない魂が抜けているような感じで立ったままである
 「あら見張っていたの。」
女は岩から降りてくる、たけるは女が人を操ることができると考える
 「お前、普通じゃないな、何を考えている。」
 「あなた、もうすぐ死ぬんだから教えてあげようかしら、ちょうど贄も足りるようだし。」
女は倒れている警察官を見ながら言う。
 彼女は警察官を1人生贄にするつもりだ
 「私は親友と彼氏に裏切られたわ、その時、鬼が現れたの。」
 「鬼だって。」
 「そうよ、契約したのよ、復讐を手伝う代わりに悪路王を復活させると、そしてあなたは悪路王の送り物にするために呼んだのよ。」
 「鬼と契約だって馬鹿馬鹿しい、利用されているだけだぞ。」
 「私は鬼の血を飲んだわ、そうしたら人を幻惑することができるようになった、親友も彼氏も贄にしてやったわ。」
たけるは鬼の血を人間が飲んだことに驚くが平静を装う、カメラマンは2人の会話を撮る
 「俺が来たからもう終わりだぞ。」
 「鬼切りの刀を持つ逢神、昔、悪路王を封じたそうね。」
 「俺の先祖か。」
 「そうね子孫のあんたが悪路王に復讐されるの。」
その時、たけるは鬼の気配に気づく。
 いつの間にか鬼が岩の上におり、男の腹を裂いている。
 そして肝臓を内蔵ごと引っ張り出す。
 鈴鹿が虚空から大通連を抜き鬼に切りかかるがかわされ、片腕を切り落とすだけに終わる。
 鬼は肝臓を岩の中心に置き、自分の腹を裂き始める。
 鈴鹿は、まずいと思い鬼の首をはねるが、鬼は自分の肝臓を引き出し倒れる。
 そして、肝臓が落ちる岩の中心に・・・
 復活の儀式が完成したのだ。

 鈴鹿は、岩から肝臓を蹴りだし、叫ぶ
 「たける、まずいわ、復活するわよ。」
たけるが鈴鹿に気を取られるとその隙に女は岩に登る。
 たけるは女を追いかけるが、異様に足が速い。
 鈴鹿が女を捕らえようとするが振りほどかれる。
 女は倒れている鬼の所へ行くと鬼の腹からはみ出した内臓を食べ始める。
 すると女は苦しみだし、のたうち回る。
 鈴鹿は女を無視する、放っておけば女は死ぬと思ったのだ。
 そして空気が振動しだす。
 たけると鈴鹿は大きな鬼気を感じる。
 そして、髪洗岩が揺れ出す。
 たけると鈴鹿は岩から離れる。
 2人は、倒れている警察官を起こし逃げるように言うが、警察官はとどまり無線で連絡を入れる。
 たけるは空に異様なものが浮いているのに気づく。
 それは長さ2メートル位の両腕と両足、そして、鬼の頭である。
 悪路王が復活しようとしている。



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