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第33話 鬼神様5

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 たけるたちは鬼女を追うことに集中するため、オカルト相談コーナーを一時中止することになる。
 テレビ局は鬼女退治の方が視聴率をとれると考えたのだ。
  毎晩、たけるたちは夜9時から町に出て午前2時ころまで町に出て鬼の気配を探る。
 たけると鈴鹿が鬼の気配を察知するとテレビ局は緊急放送に切り替えることになっている。
 10日目の11時頃、たけると鈴鹿は鬼の気配を感じる。
 2人はその場所に駆け出す、カメラマンが追いかける、今回は実況をするアナウンサーもついている。
 他のマスコミは非難があったためいない。
 その場所に行くと鬼女に中年の男が捕まっているところである
 「助けてくれ。」
男はたけるに助けを求める。
 たけるの血は騒ぐ早く刀を出して、その刀に鬼の血を与えろと・・・
 彼は心に呪われた鬼切りの刀の名をつぶやく
 「来い、羽左衛門ノ贄ノ夜叉」
虚空から護符に包まれた鞘に収まった刀が虚空から浮かびあがる。
 彼が刀を手に取り、抜き祓うと、心の中が鬼への憎しみで満たされる。
 鬼女は目の前で男の頭を笑いながらもぎ取る。
 そしてしたたり落ちる血をすする。
 たけるは神速で鬼女の前に立ち、刀を振るう。
 鬼女は後ろに飛びかわす。
 そこには大通連を抜いた鈴鹿が神速で移動し待ち構えている。
 鈴鹿は鬼女の首を狙って刀を振るう。
 切っ先がかすり鬼女の首から血が噴き出るが、傷口が塞がっていく。
 大通連で切られれば傷口が塞がらないはすなのに傷口が塞がる。
 鬼女は普通の鬼ではない。
 鬼女が刀を抜く。
 この時、カメラマンとアナウンサーが追い付いて来る。
 たけるが鬼女の間合いに入り上段から刀を切り下す。
 鬼女は刀で剣筋をそらしかわす。
 鈴鹿がほぼ同時に鬼女の腰を狙って横なぎにする。
 しかしこれも鬼女の持つ鞘で受け止められる。
 鬼女は飛んで逃げようとするが鈴鹿が同じく飛んで背中を切りつける。
 鬼女の背中に傷を負わせることが出来るが殺すまで行かない。
 しかし深手である
 「なぜ、鬼が鬼切りを手伝う。」
 「鈴鹿は人間だ。」
たけるは嘘を言う。
 今の会話は全国に放送されているのだ
 「鈴鹿、裏切者の鬼姫か。」
たけるは無言で鬼女を袈裟切りにする。
 切り口から体液が座れるように干からびていき、激痛が走る
 「ぎやあぁぁー」
鬼女が叫ぶ、たけるは鬼女の首を切り落とす。
 たけるは気持ちを落ち着けながら刀を鞘に収める。
 刀は虚空へと沈んでゆく。
 しかし、彼の心は鬼への憎しみに満たされたままである。
 そこへアナウンサーが来る、たけるは苦しそうに右手を上げ近づかないように指示する。
 彼は今憎しみの沼の中でもがいている。
 アナウンサーは標的を鈴鹿に代える
 「凄い剣技でしたね、とても強いのですね。」
 「まだまだですわ。」
鈴鹿は適当にごまかそうとする
 「鬼女があなたのことを鬼とか鬼姫と言っていたようですが。」
 「勘違いでしょう、私には角はありませんわ。」
カメラマンは鈴鹿の異常な身体能力を悪路王の時、体験しているが黙っておくことにする。
 たけるはやっと憎しみから解放される。
 彼はアナウンサーに向かって言う
 「鬼女は退治しました。」
 「凄かったですね、人にあんな速い動きができるんですね。」
 「鍛えていますから。」
たけるもごまかす
 「今回も犠牲者が出てしまいましたね。」
 「はい、間に合いませんでした、ご冥福をお祈りいたします。」
アナウンサーはしゃべり続ける
 「只今、鬼女が退治されました。」
 「たくさんの犠牲者を出した鬼はいなくなったのです。」
間もなく他のマスコミも駆けつけてくるだろう。
 たけると鈴鹿は逃げることにした。


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