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第61話 愛の果て3

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 白井日葵は、斎藤陽子にあった日から外へ出ることができなくなる。
 陽子の目が焼き付いているのである。
 彼女は自室に閉じこもり、テレビを見て1日を過ごす。
 ある日、情報番組で、スタジオに鬼が出る。
 鬼の顔がアップになる。
 日葵はびっくりする。
 鬼の目が陽子の目と重なったのだ。
 彼女は考える
 「陽子は鬼なの」
番組では、男が刀で鬼と戦っているが壁まで突き飛ばされ動かなくなる。
 日葵は鬼なんてどうにもならないし、誰も信じてくれないと思う。
 男は立ち上がり鬼を倒す。
 彼女は希望が見えた気がする。
 彼女は番組に電話をかけるか悩む。
 数日後、日葵はカーテンを開けたままベットで眠り込み夜になる。
 すると視線を感じる。
 彼女が窓を見ると目が見える。
 彼女は叫ぶ
 「キャー」
両親が部屋に駆け付ける。
 日葵は両親に窓を指さす。
 両親は窓を開けてみるが、何もいない。
 「何もいないぞ。」
 「目が、目が、目が。」
 「目がどうしたんだ。」
日葵は答えない。
 日葵の部屋は2階である。
 話しても信じてもらえないだろうし、両親には何もできない。
 彼女は番組に電話をする。
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