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第73話 紅葉6

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 たけるは紅葉を倒すのに、首をはねるか、心臓に刀を刺して刀に血を吸わせる方法を考える。
 しかし紅葉は簡単に間合いに入らせてくれない。
 紅葉は鬼切の刀が危険であると感じている。
 彼女は力をたけるに飛ばして、たけるを近づけさせない。
 たけるは飛んでくる力を刀で切り伏せて、すきを窺っている。
 戦いは膠着状態のなる。
 突然、紅葉の胸に刀が生える。
 鈴鹿が後ろから大通連で紅葉の心臓を貫いている。
 鈴鹿は骨を砕かれ、呼吸も心臓の鼓動も止まっていたが復活している。
 紅葉は自分の失態に焦りながら言う
 「おぬしも普通の鬼ではないな。」
たけるには十分な隙ができる。
 彼は神速で紅葉に迫り、首をはねる。
 しかし、紅葉の鬼気は消えない。
 紅葉の体が頭を拾おうとする。
 たけるは頭を蹴り飛ばし、紅葉の両手足を切り飛ばす。
 彼は気持ちを落ち着け刀を鞘に納める。
 刀は虚空へと沈んでいく。
 彼の心の中はまだ鬼への憎しみで満たされている。
 憎しみの沼の中でもがき這い出ようとする。
 その時、暖かい光が差し、彼は這い出ることができる。
 たけるが気が付くと鈴鹿が抱き着いている。
 彼は気持ちが安らぐ。
 紅葉の鬼気は依然として強いままである。
 たけるは鈴鹿に聞く
 「どうしたらいいと思う。」
 「悪路王のように体をばらばらに封印するしかないわ。」
しかし、立ち会っていた警察が、紅葉の体を回収し始める。
 たけるは警察官に言う
 「封印しないと危ないぞ。」
 「上から回収するように指示されています。」
警察は紅葉の体を持ち去ってしまう。
 たけるにはどうにもできない
 「大丈夫かしら。」
鈴鹿が言う。
 たけるたちは、相談者に紅葉を退治したことを報告に行く。
 相談者は娘の敵がうたれたことを聞いて涙を流す。
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