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78話 泉水鏡
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玉枝は男に言う。
「まずは、名を名乗ったら。」「泉水鏡、まだ修行中の身だ。」
「私を退治するつもり。」「怨霊が人と一緒にいるんだ。放っておくことはできないな。」
「私は九郎ちゃんを気に入って一緒にいるのよ。害をなすつもりはないわよ。」「怨霊の話を信じろというのか。」
九郎とあやめが割り込む。
「玉枝さんは悪いことしていないよ。」「何度も助けられているわ。」
「君たちは、この怨霊を信用しているのか。」
「そうです。」「そうよ。」
水鏡は頭を振る。
「君たちは騙されているんのではないか。」「玉枝さんのこと知らないで決めつけないでください。」
「これ以上の話し合いは無駄のようだね。」
水鏡は札を2枚投げる。札は鬼の姿になり、玉枝に迫る。2匹の鬼の爪が玉枝に届く前に鬼は燐火に包まれる。鬼はもがきながら消える。
玉枝が水鏡を睨みつける。水鏡は新たに札を取り出すと札は燐火に包まれ消失する。水鏡が玉枝に言う。
「俺を殺さないのか。」「弱い者いじめはしないの。それに九郎ちゃんとあやめちゃんが嫌な思いをするわ。」
「今、殺さないと後悔するぞ。」「誰に向かって言っているの。」
玉枝は気配を大きくする。水鏡は青くなって言う。
「何者だお前は・・・」「知る必要ないわ。」
水鏡はその場から立ち去る。九郎が玉枝に言う。
「玉枝さん、大丈夫。」「大丈夫よ。私にかなう霊能者なんていないわよ。」
「でも、水鏡と言う人、しつこそうだよ。」「追い払うだけよ。殺したりしないから安心して。それよりデートが台無しね。」
「まだ、打ち上げ花火があるよ。」「楽しんでね。」
玉枝は気配を小さくしてあやめから見えなくなる。九郎があやめに言う。
「邪魔が入っちゃったね。」「玉枝さんが無事でよかったわ。」
そうして打ち上げ花火が始まる。九郎とあやめは手をつないで神社の境内から花火を見る。
九郎は花火はきれいだがあやめの方がきれいだと思う。彼はあやめを見る。
あやめは花火に見とれている。そして、九郎が見つめていることに気づく。
彼女は九郎の方を向いて目をつむる。九郎はあやめを抱きしめてキスをする。
玉枝は静かに2人を見守っている。
「まずは、名を名乗ったら。」「泉水鏡、まだ修行中の身だ。」
「私を退治するつもり。」「怨霊が人と一緒にいるんだ。放っておくことはできないな。」
「私は九郎ちゃんを気に入って一緒にいるのよ。害をなすつもりはないわよ。」「怨霊の話を信じろというのか。」
九郎とあやめが割り込む。
「玉枝さんは悪いことしていないよ。」「何度も助けられているわ。」
「君たちは、この怨霊を信用しているのか。」
「そうです。」「そうよ。」
水鏡は頭を振る。
「君たちは騙されているんのではないか。」「玉枝さんのこと知らないで決めつけないでください。」
「これ以上の話し合いは無駄のようだね。」
水鏡は札を2枚投げる。札は鬼の姿になり、玉枝に迫る。2匹の鬼の爪が玉枝に届く前に鬼は燐火に包まれる。鬼はもがきながら消える。
玉枝が水鏡を睨みつける。水鏡は新たに札を取り出すと札は燐火に包まれ消失する。水鏡が玉枝に言う。
「俺を殺さないのか。」「弱い者いじめはしないの。それに九郎ちゃんとあやめちゃんが嫌な思いをするわ。」
「今、殺さないと後悔するぞ。」「誰に向かって言っているの。」
玉枝は気配を大きくする。水鏡は青くなって言う。
「何者だお前は・・・」「知る必要ないわ。」
水鏡はその場から立ち去る。九郎が玉枝に言う。
「玉枝さん、大丈夫。」「大丈夫よ。私にかなう霊能者なんていないわよ。」
「でも、水鏡と言う人、しつこそうだよ。」「追い払うだけよ。殺したりしないから安心して。それよりデートが台無しね。」
「まだ、打ち上げ花火があるよ。」「楽しんでね。」
玉枝は気配を小さくしてあやめから見えなくなる。九郎があやめに言う。
「邪魔が入っちゃったね。」「玉枝さんが無事でよかったわ。」
そうして打ち上げ花火が始まる。九郎とあやめは手をつないで神社の境内から花火を見る。
九郎は花火はきれいだがあやめの方がきれいだと思う。彼はあやめを見る。
あやめは花火に見とれている。そして、九郎が見つめていることに気づく。
彼女は九郎の方を向いて目をつむる。九郎はあやめを抱きしめてキスをする。
玉枝は静かに2人を見守っている。
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