同棲しているけど彼女じゃない～怨霊は恋のキューピット

80話 どうするの

　九郎と玉枝は、アパートに帰る途中スーパーに寄って行く。九郎は玉枝の指示で夕食の食材をかごに入れていく。２人は買い物を終えるとアパートへ帰る。
　帰ると九郎は本を読んで過ごす。玉枝は九郎のスマホを使っている。夕方になると玉枝は夕食を作り始める。彼女はテーブルに夕食を並べる。
　夕食はオムライスにコーンスープである。
　オムライスはチキンライスにふわトロの卵を乗せたオーソドックスなものである。玉枝が料理の出来を聞く。
　「お味はどお。」「おいしいよ。オムライスよくできているよ。」
　「おかわりは私だから、遠慮しないでね。」「遠慮します。」
九郎の玉枝への感謝の気持ちが目減りする。彼は夕食を食べると風呂に入る。玉枝が裸で風呂に入って来る。彼女は九郎の体を洗いながら言う。
　「九郎ちゃん、婚約の話どうするの。」「玉枝さんが言い出したでしょ。」
　「そうだったかしら。」「そうです。」
　「一久さんは本気だと思うわ。」「そうだね。どうしよ。」
　「よく考えた方が良さそうね。」「そうするよ。」
九郎は風呂から出るとぼーっとしている。頭の中では、婚約のことを考えているが答えは出ない。
　まだ大学に入学してから半年たっていないのである。まだ、早いと思う。
　彼は早めに寝ることにする。玉枝がネグリジェ姿で添い寝する。玉枝が九郎に言う。
　「私として、頭の中をリセットしたらどお。」「リセットするのになぜ玉枝さんとするのですか。」
　「私としたら、また一つ一線を越えられるでしょ。」「越えたくありません。」
　「残念、九郎ちゃん、頭堅い。」
九郎は、玉枝を意識してしまう。彼は頭の中でこれは怨霊、これは怨霊、これは怨霊・・・とつぶやいて色欲を退散させる。
　しかし、玉枝が抱き着き、柔らかいものが背中に当たる。九郎は寝付くまで精神統一することになる。