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88話 古井戸
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朝目覚めると九郎の腕の中にはあやめがいる。九郎は幸せな気分になる。背中から玉枝が九郎に声をかける。
「私を無視して幸せに浸らないで。」
玉枝はまるで九郎の心を読んでいるかのようである。
「玉枝さん今目が覚めたんだ。無視していないよ。」「本当?」
この時、あやめが目を覚ます。
「あやめ、おはよう。」「おはよう、九郎。」
2人は口づけをする。玉枝が2人に言う。
「朝からお熱いわね。」「玉枝さん、おはよう。」
あやめは平然と挨拶をする。玉枝があやめに言う。
「今のうちに部屋に戻った方がいいわよ。」「そうね。ありがとう。」
あやめは起きると自分の部屋に戻る。しばらくすると一久が部屋に来る。
「九郎君、玉枝さん、おはよう。」「おはようございます。」
「朝食を済ませたら、お祓いに出かけるからよろしく。」「はい。」
挨拶を済ませると一久は部屋から去る。玉枝が九郎に言う。
「お祓いの内容聞いていないけど良かった?」「そういえば、聞いていないよ。」
「どちらにしろ私がついているから大丈夫よ。」「お願いします。」
九郎たちが朝食を終えて30分位するとタクシーが来る。九郎と玉枝、一久はタクシーに乗り込む。
一久が助手席に乗り、九郎と玉枝は後部座席に乗る。九郎が一久に話しかける。
「今日はどんなお祓いですか。」「古井戸を埋めてしまって不幸が続いているそうなんだ。」
「井戸ですか。」「井戸を埋めるときはちゃんとしないとだめよ。」
玉枝が話に割り込む。一久が玉枝に聞く。
「玉枝さん、何か知っているのかな。」「井戸には龍神様がいるから埋めるときはお祓いをして息抜きの穴を埋めるときに付けるのよ。」
「今回は神様が相手かい。」「私は手を出さないわよ。」
「どうすればいいかな。」「お祓いをして、井戸を埋めなおすしかないわ。今度は息抜きの穴をつけてね。」
「ありがとう。助かったよ。」
一久は玉枝に礼を言う。タクシーは依頼主の家に着く。
九郎たちは、居間に招かれる。九郎はこの家が暗く湿っているように感じる。一久が依頼主に話を聞く。
「何があったか説明してもらえますか。」「敷地の隅に古井戸があったのですが、駐車場を作るために埋めてしまったのです。」
「お祓いはしましたか。」「していません。それから業者の社長が寝込んでしまって、うちは妻が転んだ時、骨折して入院しています。」
「それは大変ですね。」「私は微熱が続いています。医者は原因がわからないというのです。」
「お祓いをしますので、井戸は埋めなおしてください。埋めるときに息抜きの穴を設けてください。」「そんな迷信のようなことをするのですか。」
「あなたはお祓いを依頼したのでしょ。信じて試してください。」「分かりました。」
一久はお祓いをする。すると九郎の感じていた暗い湿った感じが弱くなる。
九郎たちはお祓いを終えタクシーで帰る。一久が玉枝に礼を言う。
「玉枝さんのおかげで助かったよ。」「あの家、放っておいたら滅んでいたわよ。」
「玉枝さん、暗く湿った感じがしたんだけど。」「龍神様が祟っているのよ。九郎ちゃん、見えなくても感じることが出来たのね。」
「九郎君は、すごいな。」「分かるだけで何もできないですけど。」
「それだけでもすごいよ。」「ありがとうございます。」
一久は家に帰ると2人を昼食に誘う。
「私を無視して幸せに浸らないで。」
玉枝はまるで九郎の心を読んでいるかのようである。
「玉枝さん今目が覚めたんだ。無視していないよ。」「本当?」
この時、あやめが目を覚ます。
「あやめ、おはよう。」「おはよう、九郎。」
2人は口づけをする。玉枝が2人に言う。
「朝からお熱いわね。」「玉枝さん、おはよう。」
あやめは平然と挨拶をする。玉枝があやめに言う。
「今のうちに部屋に戻った方がいいわよ。」「そうね。ありがとう。」
あやめは起きると自分の部屋に戻る。しばらくすると一久が部屋に来る。
「九郎君、玉枝さん、おはよう。」「おはようございます。」
「朝食を済ませたら、お祓いに出かけるからよろしく。」「はい。」
挨拶を済ませると一久は部屋から去る。玉枝が九郎に言う。
「お祓いの内容聞いていないけど良かった?」「そういえば、聞いていないよ。」
「どちらにしろ私がついているから大丈夫よ。」「お願いします。」
九郎たちが朝食を終えて30分位するとタクシーが来る。九郎と玉枝、一久はタクシーに乗り込む。
一久が助手席に乗り、九郎と玉枝は後部座席に乗る。九郎が一久に話しかける。
「今日はどんなお祓いですか。」「古井戸を埋めてしまって不幸が続いているそうなんだ。」
「井戸ですか。」「井戸を埋めるときはちゃんとしないとだめよ。」
玉枝が話に割り込む。一久が玉枝に聞く。
「玉枝さん、何か知っているのかな。」「井戸には龍神様がいるから埋めるときはお祓いをして息抜きの穴を埋めるときに付けるのよ。」
「今回は神様が相手かい。」「私は手を出さないわよ。」
「どうすればいいかな。」「お祓いをして、井戸を埋めなおすしかないわ。今度は息抜きの穴をつけてね。」
「ありがとう。助かったよ。」
一久は玉枝に礼を言う。タクシーは依頼主の家に着く。
九郎たちは、居間に招かれる。九郎はこの家が暗く湿っているように感じる。一久が依頼主に話を聞く。
「何があったか説明してもらえますか。」「敷地の隅に古井戸があったのですが、駐車場を作るために埋めてしまったのです。」
「お祓いはしましたか。」「していません。それから業者の社長が寝込んでしまって、うちは妻が転んだ時、骨折して入院しています。」
「それは大変ですね。」「私は微熱が続いています。医者は原因がわからないというのです。」
「お祓いをしますので、井戸は埋めなおしてください。埋めるときに息抜きの穴を設けてください。」「そんな迷信のようなことをするのですか。」
「あなたはお祓いを依頼したのでしょ。信じて試してください。」「分かりました。」
一久はお祓いをする。すると九郎の感じていた暗い湿った感じが弱くなる。
九郎たちはお祓いを終えタクシーで帰る。一久が玉枝に礼を言う。
「玉枝さんのおかげで助かったよ。」「あの家、放っておいたら滅んでいたわよ。」
「玉枝さん、暗く湿った感じがしたんだけど。」「龍神様が祟っているのよ。九郎ちゃん、見えなくても感じることが出来たのね。」
「九郎君は、すごいな。」「分かるだけで何もできないですけど。」
「それだけでもすごいよ。」「ありがとうございます。」
一久は家に帰ると2人を昼食に誘う。
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