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第8章 魔獣を操る者
第17話 カロリーネ、考える
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ドラゴンの遺体は情報省が回収する。情報省は、ドラゴンの生息域でないこの国にどうして現れたのか、これからも現れるのか、どう対処するのかといったことを調べなければならない。
調べの付いた情報は、カロリーネに伝えられる。まず、ドラゴンがレッドドラゴンで間違いないことが知らされる。
さらにレッドドラゴンは、ラフォン語圏の南方の国の山奥に生息しており、非常に珍しいことが判る。レッドドラゴンが現れると国家存亡の危機に見舞われるほどの脅威である。
そのため、ラフォン語圏の南方の国はレッドドラゴンに手を出す者はいない。現れたら息をひそめて立ち去ることを待つことが常識とされている。
ここまでの情報を聞いてカロリーネはつぶやく。
「我が国は存亡の危機にさらされているでしょうか?」
執事がカロリーネの横に現れ答える。
「決してそのようなことはございません。勇者一行がいますから。」「あのドラゴンは、我が国にけしかけられたということかしら。」「お調べします。」
執事は姿を消す。カロリーネは、ドラゴンが現れたことに意図的なものを感じている。それだけではなく、シルバーグリズリーの群れについても疑っていた。
しかし、情報省はシルバーグリズリーの群れについて何の結論も出していない。情報省の大臣は元冒険者ギルドマスターで優秀な男だ。職員にも腕利きを何人も入れている。
だが、彼らは何かを見落としているような気がする。冒険者や商人等の考えの及ばない相手なのか。
カロリーネは待つしかない。欲しい情報がもたらされることを・・・、意図したものが再び動くことを・・・
俺とアネットはローズにファイヤーサイクロンを教えてくれるように頼みこむ。ローズは答える。
「自分たちで何とかしなさい。さもなければ、代わりに新しい魔法を教えなさい。」「グラビトンではどうですか。ドラゴンを落とせますよ。」
「いいでしょ。グラビトンを教えてくれたら、ファイヤーサイクロンを教えるわ。」「ありがとうございます。」
グラビトンの習得は難しくない。ローズが飛んでいる鳥を狙って、詠唱する「神の鎖を与えたまえ。グラビトン」
鳥は翼をばたつかせながら地面に落ちる。アネットもちゃっかりグラビトンを覚えてしまった。
次にローズがファイヤーサイクロンの詠唱を教えてくれる「冥府に集う炎と風よ刃と化せ。ファイヤーサイクロン」
なにか物騒な詠唱である。ローズの感性の問題だろうか。アネットが詠唱して発現させ目標に固定して撃ち出す。
目標の土壁は完全に崩れる。アネットが言う。
「これ魔力消費が大きいわ。」「そうでしょう。気軽に使えないのよ。」
ローズがぼやく。俺もファイヤーサイクロンを試す。俺の場合、魔力の消費を気にするほどではなかった。
強力な魔法を使えるようになったのは大きい。
調べの付いた情報は、カロリーネに伝えられる。まず、ドラゴンがレッドドラゴンで間違いないことが知らされる。
さらにレッドドラゴンは、ラフォン語圏の南方の国の山奥に生息しており、非常に珍しいことが判る。レッドドラゴンが現れると国家存亡の危機に見舞われるほどの脅威である。
そのため、ラフォン語圏の南方の国はレッドドラゴンに手を出す者はいない。現れたら息をひそめて立ち去ることを待つことが常識とされている。
ここまでの情報を聞いてカロリーネはつぶやく。
「我が国は存亡の危機にさらされているでしょうか?」
執事がカロリーネの横に現れ答える。
「決してそのようなことはございません。勇者一行がいますから。」「あのドラゴンは、我が国にけしかけられたということかしら。」「お調べします。」
執事は姿を消す。カロリーネは、ドラゴンが現れたことに意図的なものを感じている。それだけではなく、シルバーグリズリーの群れについても疑っていた。
しかし、情報省はシルバーグリズリーの群れについて何の結論も出していない。情報省の大臣は元冒険者ギルドマスターで優秀な男だ。職員にも腕利きを何人も入れている。
だが、彼らは何かを見落としているような気がする。冒険者や商人等の考えの及ばない相手なのか。
カロリーネは待つしかない。欲しい情報がもたらされることを・・・、意図したものが再び動くことを・・・
俺とアネットはローズにファイヤーサイクロンを教えてくれるように頼みこむ。ローズは答える。
「自分たちで何とかしなさい。さもなければ、代わりに新しい魔法を教えなさい。」「グラビトンではどうですか。ドラゴンを落とせますよ。」
「いいでしょ。グラビトンを教えてくれたら、ファイヤーサイクロンを教えるわ。」「ありがとうございます。」
グラビトンの習得は難しくない。ローズが飛んでいる鳥を狙って、詠唱する「神の鎖を与えたまえ。グラビトン」
鳥は翼をばたつかせながら地面に落ちる。アネットもちゃっかりグラビトンを覚えてしまった。
次にローズがファイヤーサイクロンの詠唱を教えてくれる「冥府に集う炎と風よ刃と化せ。ファイヤーサイクロン」
なにか物騒な詠唱である。ローズの感性の問題だろうか。アネットが詠唱して発現させ目標に固定して撃ち出す。
目標の土壁は完全に崩れる。アネットが言う。
「これ魔力消費が大きいわ。」「そうでしょう。気軽に使えないのよ。」
ローズがぼやく。俺もファイヤーサイクロンを試す。俺の場合、魔力の消費を気にするほどではなかった。
強力な魔法を使えるようになったのは大きい。
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