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第30話 プールの霊1

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 テレビ局のディレクターは、プールの心霊スポットを探している。
 海の取材の反響が良かったのだ。
 水着と言えば海とプールである。
 中野沙衣と五條美湖にとっては迷惑な話であるが、視聴率のためである。
 そして、東海市市民プールに目をつける。
 市民プールは朝宮町の海岸近くにあり、プールの水は海水である。
 屋内温水プールなので年中開いているが、人気があるのは、やはり夏である。
 プールは流れるプールとウォータースライダー、ジャグジーと揃っており、水着のまま入れるレストランがある。
 この市民プールでは流れるプールで子供が水死する事件があり、以来、流れるプールでは足を引っ張られたなど怪奇現象がある。
 それが噂になり流れるプールでは、子供の霊がいると言われている。
 ディレクターは五條美月に話をする
 「次の取材なのですが東海市市民プールを考えています。」
 「魂胆が見え見えですよ。」
 「いや、厳しい、視聴率のためです。」
 「プールには何が起きるのですか。」
 「流れるプールで足を引っ張られたなどがありまして、少年の霊がいると言われています。」
 「分かりました、いいでしょう。」
ディレクターは美月の許可を取ると、市民プールと交渉する。
 ディレクターは
 「流れるプールの取材をしたいのですが。」
 「ただの噂です、ほかの客が不安になるのでやめてください。」
 「営業時間後でいいんです。」
 「しかし、照明をつけるとそれだけで予算がかかります。」
 「その分の代金は払いますし、照明は暗めがいいです。」
 「そうですか。」
 「除霊すれば、流れるプールの噂はなくなりますよ。」
 「分かりました。」
こうして、市民プールとも話をつける。
 美湖は沙衣にスマホで連絡する
 「次の仕事決まったよ」
 「どこの仕事」
 「テレビ局」
 「いやな予感がするわ」
 「当たりよ」
 「断れないの」
 「無理よ」
 「どこに行くの」
 「東海市市民プールよ」
 「きっと流れるプールね」
 「そうよ」
 「また水着ね」
 「そうよ」
 「あのディレクター、エッチね」
 「視聴者がエッチなのよ」
 「分かったわ、いつするの。」
 「明日の夜よ」
沙衣と美湖は仕事を受けることになる。
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