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練習
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「そうか?まあ、森田自身が別に良いって言うならそれで良いけど……ま、練習も頑張れよ、応援してるぜ!」
一応は先輩も納得してくれたのか、これ以上何か言う事もなく明から離れた。
ーーーどうして。
どうして話しかけて来るのか、それがわからない。理解できない。
ーーー僕なら無理だ。
三年最後の試合のメンバー枠を奪った相手にどうして笑顔で、友人に話しかけるような表情で相対せるのか。
ーーーわからない。
その笑顔は太陽のように眩しくて、目が眩んで失明しそうになる。
先輩と分かれて1年のネット張りを手早く済ませた明は1年と一緒に走って部長のところまで行った。
「部長、コートの準備全部終わりました」
「ああ、ありがとう。じゃあ始めようか、まずはランニングから」
2年、1年、3年の順番に二列ずつに並ぶ。
何故3年が一番後ろなのか、それはもうすぐで引退だからだ。
だから2年に譲る。立つ鳥が後を汚さないで去っていくのと同じように、彼等もすべき事を2年に任せ引退する。
そう、もうすぐで3年は引退だ。次の団体戦が最後の試合になるのだ。
ーーーあの先輩も次の団体戦で最後のはず、だったのに。
部内の選考戦で勝ってしまった。あの先輩にはそれまで一度も勝てなかっというのに。
この学校は実力に見合わず部員数が多い。だから団体戦の時はいつも複数のグループに分かれて、そのグループ内で試合をする。
そして、一番勝利数が多い部員が団体戦のメンバーに選ばれるのだ。
何度も挑戦して、何度も打ち負かされた。もう勝てないのか、そう思った。それくらい強かったのだ。
でも、勝ちたかった。あの人に一度でいいから勝ちたかった。
そう思って練習した。大会で勝つよりも、先輩に勝ちたかった。
ーーーなのに、喜べない。
最も望んだ勝利のはずなのに、あれほど勝ちたいと願っていたはずなのに、喜べなかった。喜びたくなかった。
考えている事が、感じている感情がころころと変わる。
ーーー何なんだお前は。
そう自分に問いかける。
踏み出した右足がやけに重く感じた。まるで暗い感情の重しを付けているかのように。
一応は先輩も納得してくれたのか、これ以上何か言う事もなく明から離れた。
ーーーどうして。
どうして話しかけて来るのか、それがわからない。理解できない。
ーーー僕なら無理だ。
三年最後の試合のメンバー枠を奪った相手にどうして笑顔で、友人に話しかけるような表情で相対せるのか。
ーーーわからない。
その笑顔は太陽のように眩しくて、目が眩んで失明しそうになる。
先輩と分かれて1年のネット張りを手早く済ませた明は1年と一緒に走って部長のところまで行った。
「部長、コートの準備全部終わりました」
「ああ、ありがとう。じゃあ始めようか、まずはランニングから」
2年、1年、3年の順番に二列ずつに並ぶ。
何故3年が一番後ろなのか、それはもうすぐで引退だからだ。
だから2年に譲る。立つ鳥が後を汚さないで去っていくのと同じように、彼等もすべき事を2年に任せ引退する。
そう、もうすぐで3年は引退だ。次の団体戦が最後の試合になるのだ。
ーーーあの先輩も次の団体戦で最後のはず、だったのに。
部内の選考戦で勝ってしまった。あの先輩にはそれまで一度も勝てなかっというのに。
この学校は実力に見合わず部員数が多い。だから団体戦の時はいつも複数のグループに分かれて、そのグループ内で試合をする。
そして、一番勝利数が多い部員が団体戦のメンバーに選ばれるのだ。
何度も挑戦して、何度も打ち負かされた。もう勝てないのか、そう思った。それくらい強かったのだ。
でも、勝ちたかった。あの人に一度でいいから勝ちたかった。
そう思って練習した。大会で勝つよりも、先輩に勝ちたかった。
ーーーなのに、喜べない。
最も望んだ勝利のはずなのに、あれほど勝ちたいと願っていたはずなのに、喜べなかった。喜びたくなかった。
考えている事が、感じている感情がころころと変わる。
ーーー何なんだお前は。
そう自分に問いかける。
踏み出した右足がやけに重く感じた。まるで暗い感情の重しを付けているかのように。
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