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とある場所の異世界人
四話目
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どことなく薄汚れている石畳がペンキをぶちまけたようにベチャ、と赤黒く染まる。あたりに錆びた鉄のような、おそらく常人ならば思わず顔を大きく歪めるほどの匂いが周囲に立ち込める。
そんな目を疑うような光景の中、女は変わらず綺麗な笑みを浮かべている。そして、くるくると喜びを全身で表すかのように回っていた。それははたから見れば一枚の絵画のように美しく、また、狂いそうなほど違和感を感じさせるものだった。
引きつったような笑い声が響く。その笑いがさらにこの光景への嫌悪感を抱かせる。
女はしばらく笑い続けていたが、ピタリと身体の動きをやめ、表情を消した。
「とりあえずは満足したわ」
そう呟く女の顔は先ほど殺した男たちのことなどどうとも思っていないとでも言うようだった。
「それにしても、この槍はどうやったら消えるのかしら?」
そう首を傾げて不思議そうに呟く。どうやら無意識にその純白の槍を出現させたようだ。
「この槍も、身体能力もあいつのおかげっていうことでしょう」
その一人納得したように頷き、女は槍を消す方法を考え始めた。
その後、女が無事に槍を消すことができたのは10分ほど経った後だった。どうやら自在に槍を出し入れできるようだ。
薄汚く血の匂いが充満する路地裏から抜け出し、大通りと思われる場所に出た女はさて、と呟く。
「これからどうしようかしら」
あの男ども三人を殺したのだ。もしかすると騒ぎになって、ともすれば自分がやったとばれて拘束されるかもしれない。
であるのなら、この街から離れるのべきなのだろうが、あいにくとこの世界の事情や地理などは分からない。
まずは情報を集めるとしようと女は考えた。
「でも、どこで情報を手に入れればいいのかしら?……しまったわね、あの男たちから聞き出せばよかったわ」
惜しいことをしたと少し後悔していると、コツコツと石畳を軽く蹴るような、小走りでこちらへ近づいてくるような音が聞こえた。
「…………」
女はすぐに動けるように脚に力を入れて足音の主を待ち構えた。
すぐにでも殺せるように。
すぐに音の主は姿を現した。その姿は金属製の胸当てをして、腰に長剣をぶら下げたさながら中世の兵士か傭兵のような年若の少年だった。
「おーい!そこの君!」
どうにも女を呼んでいるのだろう。こちらを見ながら何度も声をかけてきた。当たり前だが二人の間に接点は一切ない。警戒しながらその声に応えた。
「あら、ひょっとして私の事?」
そう女が言うと少年は少し焦った様子で女に語りかけた。
「ああ、君のことだ。実はね仲間と逸れてしまって困っていたんだ。僕と同じくらいの歳で茶髪の男なんだけど……見なかったかい?」
素人目だが、女は目の前の少年が嘘をついておらず本当に困っているのだと感じた。
丁度いい、そう考えながら。
「男の子、ね。残念ながら見てないわ」
「そっか……」
そう言いながら肩を落とす少年に対して女はそうだ、と続けた。
「なら、私も一緒に探しましょうか?」
その言葉が予想外だったのだろう。ポカンとした表情でこちらを見つめていた。
「二人の方が早く連れの子が見つかるかもしれないでしょう?」
「えっと、いいのかい?」
「もちろん、その代わりと言ってはなんだけど……この街を案内してくれない?」
そう女が言うと少年は納得したのか頷いた。
「わかった、それくらい構わないよ」
「じゃあ、行きましょうか。その連れの子も貴方を探しているかもしれないし……ね?」
そう女が微笑みながら言うと、さっと少年の頬に赤みがさした。
「あ、ああ!そうだね!そうしよう!」
そんな初心な反応を見せながら少年は目の前の美女を連れて歩き出した。
望外の幸運を神に感謝しながら。
そんな目を疑うような光景の中、女は変わらず綺麗な笑みを浮かべている。そして、くるくると喜びを全身で表すかのように回っていた。それははたから見れば一枚の絵画のように美しく、また、狂いそうなほど違和感を感じさせるものだった。
引きつったような笑い声が響く。その笑いがさらにこの光景への嫌悪感を抱かせる。
女はしばらく笑い続けていたが、ピタリと身体の動きをやめ、表情を消した。
「とりあえずは満足したわ」
そう呟く女の顔は先ほど殺した男たちのことなどどうとも思っていないとでも言うようだった。
「それにしても、この槍はどうやったら消えるのかしら?」
そう首を傾げて不思議そうに呟く。どうやら無意識にその純白の槍を出現させたようだ。
「この槍も、身体能力もあいつのおかげっていうことでしょう」
その一人納得したように頷き、女は槍を消す方法を考え始めた。
その後、女が無事に槍を消すことができたのは10分ほど経った後だった。どうやら自在に槍を出し入れできるようだ。
薄汚く血の匂いが充満する路地裏から抜け出し、大通りと思われる場所に出た女はさて、と呟く。
「これからどうしようかしら」
あの男ども三人を殺したのだ。もしかすると騒ぎになって、ともすれば自分がやったとばれて拘束されるかもしれない。
であるのなら、この街から離れるのべきなのだろうが、あいにくとこの世界の事情や地理などは分からない。
まずは情報を集めるとしようと女は考えた。
「でも、どこで情報を手に入れればいいのかしら?……しまったわね、あの男たちから聞き出せばよかったわ」
惜しいことをしたと少し後悔していると、コツコツと石畳を軽く蹴るような、小走りでこちらへ近づいてくるような音が聞こえた。
「…………」
女はすぐに動けるように脚に力を入れて足音の主を待ち構えた。
すぐにでも殺せるように。
すぐに音の主は姿を現した。その姿は金属製の胸当てをして、腰に長剣をぶら下げたさながら中世の兵士か傭兵のような年若の少年だった。
「おーい!そこの君!」
どうにも女を呼んでいるのだろう。こちらを見ながら何度も声をかけてきた。当たり前だが二人の間に接点は一切ない。警戒しながらその声に応えた。
「あら、ひょっとして私の事?」
そう女が言うと少年は少し焦った様子で女に語りかけた。
「ああ、君のことだ。実はね仲間と逸れてしまって困っていたんだ。僕と同じくらいの歳で茶髪の男なんだけど……見なかったかい?」
素人目だが、女は目の前の少年が嘘をついておらず本当に困っているのだと感じた。
丁度いい、そう考えながら。
「男の子、ね。残念ながら見てないわ」
「そっか……」
そう言いながら肩を落とす少年に対して女はそうだ、と続けた。
「なら、私も一緒に探しましょうか?」
その言葉が予想外だったのだろう。ポカンとした表情でこちらを見つめていた。
「二人の方が早く連れの子が見つかるかもしれないでしょう?」
「えっと、いいのかい?」
「もちろん、その代わりと言ってはなんだけど……この街を案内してくれない?」
そう女が言うと少年は納得したのか頷いた。
「わかった、それくらい構わないよ」
「じゃあ、行きましょうか。その連れの子も貴方を探しているかもしれないし……ね?」
そう女が微笑みながら言うと、さっと少年の頬に赤みがさした。
「あ、ああ!そうだね!そうしよう!」
そんな初心な反応を見せながら少年は目の前の美女を連れて歩き出した。
望外の幸運を神に感謝しながら。
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