異世界、皇子です

晴れのち曇り

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三章、帝国内乱

風雷

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「……っ!」

嵐の如き魔力の奔流。

少女はその圧にたたらを踏む。

「…………そういえば、名乗っていなかったね。
私はフリート=ヴァン=ガウル、きっと短い付き合いになると思うけど宜しく」

フリートは不遜に笑いながら、しかし更に殺気を高めながら口を開く。

「…………私は、エレメンヒルデ。ただのエレメンヒルデだ」

黄金の少女は気圧されながらも名乗る。

「…………エレメンヒルデ、か。うん、良い名前だ。
でも、何処かで聞いたことのある名前だね。
確か……ルミナーレ神国の姫君にそんな名前の方がいたね」

フリートはポツリとしかし少女に聞こえるように呟く。
それは、明らかに少女を動揺させる為のものだったがその事に少女は気づかない。

「なっ、何を言う!?私は神国の姫ではないぞ!」

「うーん、別にそんな事を聞いたつもりじゃ無かったんだけどなぁ……」

少女は聞かれてもいないことを言ってしまった。
その言葉でフリートはこの武装蜂起がどこの差し金か悟った。

少女の様子はこの状況でも苦笑を誘うもので、フリートは少し笑みを浮かべた。

「ーーー何を笑っている!?」

その緩んだ空気に耐えられなくなったのか、白く美しい顔を紅く染め、照れ隠しなのか、怒ったように叫ぶ。

「いやぁ、ただ純粋だなぁ、と思っただけだよ」

その少女の姿にも和んでしまうフリート。

エレメンヒルデはフリートの態度にプライドを傷つけられたのか、更に怒りを募らせる。

「ーーーっ!黙れ!帝国の害悪が!」

エレメンヒルデの言葉に少し動きを止めたフリートであったが、少女の正体を知った時から気になっていた事を聴くことを優先した。

「……………………君が神国の姫君だという風に仮定して、疑問に思うことがある」

エレメンヒルデは突然のフリートの様子の変化に戸惑った。

「なんだ、突然?」

少女は訝しむように尋ねる。

「……………………君は何故、帝国に対し、とでも言うかのような武装蜂起を起こしたんだい?」

そう、これは聴かなければならないのだろう。
帝国の皇子として。

「君はなのであって、では無いのだから」




エレメンヒルデはその質問に明らかな動揺を見せた。
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