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chapter10:And wait...
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エレベーターに乗り込み下へ降りた私たちは閉じているハッチを開けて下水道へとさらに降りていった。
下水道はしばらく掃除をしていないからいたるところから臭いがすごい。動物が干からびていたりして衛生上最悪だった。
「うわ、なんだここ!?」
「気をつけな、いたるところで干からびてるから。確かそのまままっすぐ進めばB3エリアに着くよねホープ?」
「はい、なので最短で救助は可能になります。
問題なのはヒストリッカーの巣の真下を通ることになりますので念のためこちらを用意しました。」
私が用意したのは泥。1Fの入り口付近に溜まってありそれをバッグの中に保存していた。
泥を体に塗れば人の体温を感知しにくくなるためヒストリッカーたちに見つかりにくくはなる。あとはあまり音を立てないようにしていけば救助活動はできる。
しかし嗅覚がある人間にはこの泥の臭いが相当きついらしく。
「めっちゃクセェよホープ。
なんでこんなものバッグに詰めてたんだよ。」
「いざという時に役に立つと思いました。」
「確かにこれはまるで家畜の糞の臭いに近いな。正直体に塗りたくないものだな。」
皆さんは塗ることに抵抗していた。
私にはそれが理解することができなかった。
カスミ様はいち早く泥を手にとり自分の体や顔に塗っていった。
「んーくっせ.w
確かにホープやっちゃったなーw
みんなも早く付けなよ。」
「いやさすがにこんな臭いの泥つけれるわけないだろ!?」
「いや付けろ。ホープが待ってるぞー」
カスミ様は無理やりに泥を皆様に付けていく。それはまるで雨の日にはしゃぐ子供のように。
泥をつけて前へ進み続けていく。
もう下水道の匂いが感じられないくらいに各々から異臭が漂っている。
特にツトム様は思いっきり被ってしまったため、周りが離れながら行動を共にしていた。
ーーーーーー
そしてついにB3エリアまで辿り着いた私たちは衝撃の光景を目にしてしまった。
「なんなんだこれ...」
先ほどは確認できていたはずだったのに、ものの1時間ですでにヒストリッカーに襲われた後だった。
周りの人間は無惨に引き裂かれたり噛み殺されていたり、または繭につかまり爆発したあとだったりしていた。これがあの生物の凄まじい戦闘力、そして繁殖力だ。
そこに何も感情などない、ただ本能のままに動きまわった結果、開拓者は全滅することになった。
「こりゃひでぇよ...」
「もうすでにあいつらの餌食にされてる...」
全員この惨状を目の当たりにして絶句していた。しばらくはご飯をまともに口に入れられないくらいの光景を見てしまったのだから。
しかしヒストリッカー達はどこから侵入したのだろうか。シャッターからも、天井からも侵入した形跡はない。まさか下水道からかと思ったが下水道にはいなかった。
私たちが移動している間にはさすがに全員が一斉にやられるなんてことはない。熱源反応からして生き残っていたことは間違いないはず。
「とりあえず手分けしてまだ生き残りがいるか確認しよう。」
マコト様の意見に賛成して手分けして探していった。マコト様はヒストリッカーがどこから侵入したかを調べる。ツトム様とカスミ様は死体の損傷を確認する。アラタ様は唖然として棒立ちしている。
私も周りを確認して生き残りがいないか確認した。すると下に何か穴がある。そこはダクトの通気管に繋がっている。
ダクトの中に入り、進んでいくと...
奥で何か音が聞こえる。
ガサゴソと何かいるのが間違いない。カスミ様からもらった短刀を構えて静かに忍び寄る。ゆっくりと、ゆっくりと音を立てないように近づいていく。
もうあと2~3mまで近づいていき、すぐ近くに置いてあったネジを投げ込む。
それはビクッと動いたのを確認し、ついに目の前まで構えながら小走りして覗いた。
すると震えながら毛布にくるまっている1人の少女だった。
「生き残り...」
「あの化け物じゃない....?誰..,?」
震えながらも勇気を振り絞って私に聞いてきた。
「私はホープ、人型ロボットです。
救難信号を受け取り、救助しに参りました。もう大丈夫です。」
「救助...?」
「はい、まずは皆様のところにいきましょう。」
私は手を差し出して彼女を皆様の所へ案内しようとするが、彼女はこう言った。
「もう無駄よ、みんなあの化け物に寄生されて殺された。
あの化け物は突然現れる、このダクトも、下水道も、シャッターも全部塞いでいたのに私たちのいたエリアに突然ワープされて来たの。どこにいようと監視されてるように。」
どうやら何かしらの力が働いてあの生物は人や動物がいるところに突き動かされてるとここで知った。
ーーーーーー
少女を皆様のところに連れて行き、報告することにした。
「皆様!生存者を発見しました。」
「マジか!でかしたぜホープ!」
「ホープすごいよ!そのダクトにいたのかい?」
皆様は生存者を発見したことで少しだけ緊張がほぐれてきた。
私はダクトで少女が話していたことを皆様に共有をした。ヒストリッカーが何者かの力で塞いでも関係なく現れること。誰かに監視されていることを。
「なるほど、つまりはもうこの施設から脱出するほかないな。1人でも救助ができたのが救いだ。みんなすぐに脱出するぞ。
ツトムくんと傭兵は少女を守ってくれ。ホープ、お前はあいつらが襲ってきたら私と共に迎撃する。」
マコト様は皆様に発破をかけ、協力して脱出をすることを指示した。
ツトム様やカスミ様は少女の面倒を見ていた。私はマコト様と共に迎撃をするためにそれぞれ前と後ろに配置することに。アラタ様はようやく気を取り戻していた。
「じゃ僕は船に連絡をとります。」
そう言ってアラタ様は船の通信室へと連絡を取る。
『こちらアラタ、通信室応答願います!』
『こちらミスズです。通信どうぞ』
『緊急事態です。救助に向かった施設で謎の生物に遭遇、救助者は1名だけです。女の子です。』
通信にラグがあるのか、一定の沈黙のあとに通信室にいるミスズ様から返答があった。
『了解しました。至急皆様は帰還してください。ミナミ様に医務室の準備をさせておきます。』
『了解です、すぐに帰還します!』
通信を切り、私たちは帰還を急ぐことになった。ツトム様とカスミ様は少女を落ち着かせるために会話をしていった。
「そういえば君名前はなんて言うの?」
「レナです。」
「レナちゃんね、お父さんとお母さんは?」
「もう死んだ。みんな寄生されて爆発したよ。」
「そう、ごめんなさい嫌なこと聞いてしまって...」
「いえ、別に...」
余計に気まずくなってしまった。
目の前で家族を亡くしてしまったらそうなってしまうのは無理もない。
脱出ルートはさっき通った道を戻っていけば
入り口まで最短で戻れるためそこへ向かうことにした。
下水道はしばらく掃除をしていないからいたるところから臭いがすごい。動物が干からびていたりして衛生上最悪だった。
「うわ、なんだここ!?」
「気をつけな、いたるところで干からびてるから。確かそのまままっすぐ進めばB3エリアに着くよねホープ?」
「はい、なので最短で救助は可能になります。
問題なのはヒストリッカーの巣の真下を通ることになりますので念のためこちらを用意しました。」
私が用意したのは泥。1Fの入り口付近に溜まってありそれをバッグの中に保存していた。
泥を体に塗れば人の体温を感知しにくくなるためヒストリッカーたちに見つかりにくくはなる。あとはあまり音を立てないようにしていけば救助活動はできる。
しかし嗅覚がある人間にはこの泥の臭いが相当きついらしく。
「めっちゃクセェよホープ。
なんでこんなものバッグに詰めてたんだよ。」
「いざという時に役に立つと思いました。」
「確かにこれはまるで家畜の糞の臭いに近いな。正直体に塗りたくないものだな。」
皆さんは塗ることに抵抗していた。
私にはそれが理解することができなかった。
カスミ様はいち早く泥を手にとり自分の体や顔に塗っていった。
「んーくっせ.w
確かにホープやっちゃったなーw
みんなも早く付けなよ。」
「いやさすがにこんな臭いの泥つけれるわけないだろ!?」
「いや付けろ。ホープが待ってるぞー」
カスミ様は無理やりに泥を皆様に付けていく。それはまるで雨の日にはしゃぐ子供のように。
泥をつけて前へ進み続けていく。
もう下水道の匂いが感じられないくらいに各々から異臭が漂っている。
特にツトム様は思いっきり被ってしまったため、周りが離れながら行動を共にしていた。
ーーーーーー
そしてついにB3エリアまで辿り着いた私たちは衝撃の光景を目にしてしまった。
「なんなんだこれ...」
先ほどは確認できていたはずだったのに、ものの1時間ですでにヒストリッカーに襲われた後だった。
周りの人間は無惨に引き裂かれたり噛み殺されていたり、または繭につかまり爆発したあとだったりしていた。これがあの生物の凄まじい戦闘力、そして繁殖力だ。
そこに何も感情などない、ただ本能のままに動きまわった結果、開拓者は全滅することになった。
「こりゃひでぇよ...」
「もうすでにあいつらの餌食にされてる...」
全員この惨状を目の当たりにして絶句していた。しばらくはご飯をまともに口に入れられないくらいの光景を見てしまったのだから。
しかしヒストリッカー達はどこから侵入したのだろうか。シャッターからも、天井からも侵入した形跡はない。まさか下水道からかと思ったが下水道にはいなかった。
私たちが移動している間にはさすがに全員が一斉にやられるなんてことはない。熱源反応からして生き残っていたことは間違いないはず。
「とりあえず手分けしてまだ生き残りがいるか確認しよう。」
マコト様の意見に賛成して手分けして探していった。マコト様はヒストリッカーがどこから侵入したかを調べる。ツトム様とカスミ様は死体の損傷を確認する。アラタ様は唖然として棒立ちしている。
私も周りを確認して生き残りがいないか確認した。すると下に何か穴がある。そこはダクトの通気管に繋がっている。
ダクトの中に入り、進んでいくと...
奥で何か音が聞こえる。
ガサゴソと何かいるのが間違いない。カスミ様からもらった短刀を構えて静かに忍び寄る。ゆっくりと、ゆっくりと音を立てないように近づいていく。
もうあと2~3mまで近づいていき、すぐ近くに置いてあったネジを投げ込む。
それはビクッと動いたのを確認し、ついに目の前まで構えながら小走りして覗いた。
すると震えながら毛布にくるまっている1人の少女だった。
「生き残り...」
「あの化け物じゃない....?誰..,?」
震えながらも勇気を振り絞って私に聞いてきた。
「私はホープ、人型ロボットです。
救難信号を受け取り、救助しに参りました。もう大丈夫です。」
「救助...?」
「はい、まずは皆様のところにいきましょう。」
私は手を差し出して彼女を皆様の所へ案内しようとするが、彼女はこう言った。
「もう無駄よ、みんなあの化け物に寄生されて殺された。
あの化け物は突然現れる、このダクトも、下水道も、シャッターも全部塞いでいたのに私たちのいたエリアに突然ワープされて来たの。どこにいようと監視されてるように。」
どうやら何かしらの力が働いてあの生物は人や動物がいるところに突き動かされてるとここで知った。
ーーーーーー
少女を皆様のところに連れて行き、報告することにした。
「皆様!生存者を発見しました。」
「マジか!でかしたぜホープ!」
「ホープすごいよ!そのダクトにいたのかい?」
皆様は生存者を発見したことで少しだけ緊張がほぐれてきた。
私はダクトで少女が話していたことを皆様に共有をした。ヒストリッカーが何者かの力で塞いでも関係なく現れること。誰かに監視されていることを。
「なるほど、つまりはもうこの施設から脱出するほかないな。1人でも救助ができたのが救いだ。みんなすぐに脱出するぞ。
ツトムくんと傭兵は少女を守ってくれ。ホープ、お前はあいつらが襲ってきたら私と共に迎撃する。」
マコト様は皆様に発破をかけ、協力して脱出をすることを指示した。
ツトム様やカスミ様は少女の面倒を見ていた。私はマコト様と共に迎撃をするためにそれぞれ前と後ろに配置することに。アラタ様はようやく気を取り戻していた。
「じゃ僕は船に連絡をとります。」
そう言ってアラタ様は船の通信室へと連絡を取る。
『こちらアラタ、通信室応答願います!』
『こちらミスズです。通信どうぞ』
『緊急事態です。救助に向かった施設で謎の生物に遭遇、救助者は1名だけです。女の子です。』
通信にラグがあるのか、一定の沈黙のあとに通信室にいるミスズ様から返答があった。
『了解しました。至急皆様は帰還してください。ミナミ様に医務室の準備をさせておきます。』
『了解です、すぐに帰還します!』
通信を切り、私たちは帰還を急ぐことになった。ツトム様とカスミ様は少女を落ち着かせるために会話をしていった。
「そういえば君名前はなんて言うの?」
「レナです。」
「レナちゃんね、お父さんとお母さんは?」
「もう死んだ。みんな寄生されて爆発したよ。」
「そう、ごめんなさい嫌なこと聞いてしまって...」
「いえ、別に...」
余計に気まずくなってしまった。
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