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第九章 邪神降臨
第289話 挑発するゾール!堪える蒼字
しおりを挟む「あのさ~随分と余裕だね。まさかこんなに放置されるなんて夢にも思わなかったよ」
ほっぺをぷく~っと膨らませて子供のような可愛い仕草をするゾール、どうせからかっているだけなのだが、俺は話に乗ってやることにした。
「別に待ってくれとは言ってないが」
「あれ?セレーナが殺されて怒っていたんじゃないの?」
テメェーコノヤロー………ヌケヌケとセレーナさんのことを………分かっているこれは挑発だ。乗るわけにはいかない。俺は煮えたぎるような怒りを抑える。
「もちろん怒っていたさ。いや怒っている。だから冷静にお前にこの怒りをぶつける。溜めて溜めてぶつけでやるつもりだから覚悟しておけ」
お…思ったより我慢出来ていないかも知れないが、絶対に暴走だけは出来ないぞ!堪えろ堪えろ!
「ふふっ、怒っててくれて良かった。さ~ボクを殺しに来たよ。なんなら動かないであげようか」
「ゾール……煩い!流石に挑発し過ぎだ。これ以上は聞いてやんねぇ~よ!」
その言葉をきっかけに風太とジャンヌが走り出す。風太は風に乗り加速、ジャンヌも身体強化を発動し一気にゾールに接近する。
風太は爪に風を纏わせ『烈風爪(れっぷうそう)』でジャンヌは剣に光を纏わせ『シャインソード』で攻撃する。
「ガキーン」金属が衝突する硬い音が響く。
ジャンヌと風太の攻撃は宙に浮く10cm程の大きさの緑色の玉によって防がれた。
二人は即座に方向転換し攻撃をするが、その緑の玉も高速て移動し攻撃を防ぐ。しかし二人は攻撃をやめない。
「えへへ、その宝玉は簡単には突破出来ないよ。ある国の宮廷魔術師が王を守るために作った特別なものさ。強力な魔石に何年も魔力を込め続けて作ったらしいからとっても硬いでしょ」
「御託はいいから黙って俺達の攻撃を防いでみな!」
二人が走り出した後、俺もゾールの前まで来ていた。魔力を筆に込め力を溜める。
「うーん……蒼字(そうじ)、強気な発言はいいけど、防がれたらカッコ悪いよ。プププって笑っちゃうかも」
「いいぜ!笑っていられればな」
俺の持つ筆先が白銀に光る。
『破魔の筆払い 無間(むげん)』
俺は筆を振る。ただ振ればいい。
ゾールを守ろうと動く緑の玉は自ら筆に当たり消滅、ゾールを守るものはなくなった。
「へぇー流石は蒼字(そうじ)、いとも簡単にあの宝玉を破壊するなんて、驚きだよ」
「別に大したことはないよ。その宝玉に込められた以上の魔力を筆に込めただけだ。それよりしっかりと受け止めろよゾール」
俺は筆を持っている手を強く握りしめると拳を振り上げる。
「うふーーん!殴る前に良いこと教えてあげようか」
ゾールは自ら顔を突き出し嬉しそうに笑っている。
こいつは~まただこちらを挑発し、殴れるものなら殴ってみろと言わんばかりなことをしやがってー!
本来なら怒りたいところだが、コイツの言葉には常に何か裏があり不気味さがある。だから振り上げた腕を下ろした。
「へぇー……思っていたより冷静になれたんだね。ボクはてっきり殴られるかと思ったけど、それとも蒼字(そうじ)はボクが思っていたより冷たかったのかな~」
「お前は本当にいい性格しているよ。ここまで挑発されたら逆に冷静になるわ。それにお前、今の状況が分かっているのか?」
俺はもちろんのことゾールの両隣には鋭い刃を向ける風太とジャンヌが居る。おかしな動きをすれば、すぐにその首を切り裂き殺すことが出来る。
「うん!もちろん、ボクは目も頭を良い方だからね!」
「本当にお前は口が回る男だよ。それで何を教えてくれるんだ。聞いてやるよ」
「ソウジ~ダメだよ!教えてください。だろ!」
「うるさい!さっさと言え!言わないなら…もういいな!」
俺は筆に魔力を込め臨戦体勢なる。
「今ならセレーナを生き返らせることが出来るよ」
なんてことを言いやがる!
ゾールお前は本当にクソ野郎だ!
だが人の心を…欲している物を熟知している。
俺達はまんまと引っかかり、あっさりと隙を作る。
ゾールは懐からさっきと同じ宝玉を出し、俺達にぶつける。俺を含めた風太、ジャンヌは直前でなんとか反応し攻撃を防いだが十メートルほど飛ばされた。
「ゾールお前!」
俺は全身から怒気は発する。
「蒼字(そうじ)今度はちゃんと怒れた?なんてね。もう飽き飽きだろうから教えてあげるよ。さっきの話は嘘じゃないよ。セレーナはまだ死んでそんなに経っていない。大司教クラスの術者なら生き返すことは可能だよ~。で~も!一つ問題があるんだ。何か分かるかな?」
「…………………」
俺は無言でゾールを睨みつける。
今すぐにでも突撃したい衝動を抑えて……
「イヒヒヒ、その顔はちゃんと分かってるみたいだね!」
ゾールはセレーナに突き刺した短剣を出し見せつけるように言った。
「この短剣にセレーナの魂を封印した。セレーナが生き返れるかどうかはボクの手の中だよ」
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