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第13話 食いしん坊犬、ニキ登場
しおりを挟む「この後どうすっか、アンディーをとっ捕まえたいところだけど、どこ行ったか分からないしな~……諦めるしか」
「それなら諦めんでもええで~ウチに任せとき~」
ツールボックス(カンナ)がパカリと開くと光が照射されマップが現れた。
「おーこれなんだよカンナ!もしかしてこのマップにアンディーの位置がのってるのか?」
「そや、一度ウチに捕捉されたら地の果てまで追えるでぇ~」
コワッ!スゲー便利だけど、追われる立場からすると恐ろしすぎる能力。
「アンディーの野郎覚悟してろ!とっ捕まえて空中に貼り付けにしてやる」
俺はグー◯ルマップの様に便利な能力を使い、アンディーを追いかける。
「この感じからすると町の方に行ったみたいだな!それにしてもアンディーは足が速いな!」
町まではかなりの距離があったにも関わらずマップを見るともうすぐ町に着きそうだ。
俺達はあと少しで森を抜けようとしていところで、一匹の犬が片足上げて木にションベンをしていたところに遭遇する。
「こんなところに可愛い犬がいるな~珍しい」
白い毛並みに黒ぶちの小型犬、この森は魔物が多く生息する危険な森、こんな可愛い小犬なんてすぐに捕まって食べられちゃう。可哀想だな~
う~でもな~家に連れて帰っても、飼ってもいいか分からないしな。
俺は犬を見ながら連れて帰るか悩んでいると、
「おい!何見てんだ!見せもんじゃね~ぞ」
可愛い風貌から考えられないくらいドスの効いた声でガンつけられてる。えっと~なにこれ、そもそも犬って喋るの?
一度冷静になって考えてみよう。そもそもここは異世界、俺の常識はなんて通用しない。犬はきっと喋るんだ!うんうんそれならば謝らなければいけないよな。用を足している姿を見られれば怒りたくもなる。
「ごめんよ!別にジロジロと見るつもりはなかったんだ。ただ君がここに居ると危ないかな~と思って声をかけようと思ったんだよ」
「はっ、大きなお世話だ!さっさとどっか行け」
前足を器用に動かし、シッシと追い払われる。
なんて態度の悪い犬だ!可愛げがあるのは見た目だけかよ。
俺は町に帰ろうと足を踏み出す。
「待て!お前……」
さっさとどっか行けと言われたのに何故か呼び止められた。
「あ?どうしたワン公」
「お前……さっきの事を悪いと思っているんだよな」
「は?……いや、ま~、そうだけど、それがどうした?」
確かにさっきのは失礼であったと認めるしかないが謝っただけじゃ許してくれないのか?
「出せ!何か食べ物を出せ!」
「……………」
ワン公は見た目通りの可愛いお腹の音をくぅぅ~と鳴らしていた。
「なんだ、そう言うことね!お腹空いたから飯を寄こせと、なるほど分かったよ!それくらいで許してくれるなら」
アンディーはどうせ町に泊まる。慌てて戻る必要はないし、アンディーにサンドイッチを食われて、俺も腹ペコだ!なんか作るか。
俺はゴソゴソと風呂敷を開けフライパンを出す。道中倒したホロホロコッコの卵と森で取れた山菜でキノコのオムレツを作ることにする。
「よっ、ほっ、はっと」
オムレツがくるくると回る。
前世は一人暮らしだったから料理はそこそこ出来る。前より力持ちになったからフライパンも自由自在なもんだ。
「よ~し出来た!完璧だ!うまそ~」
ホロホロコッコの卵、いつも食べているニワトリの卵に比べて二段は高い高級食材、いつものオムレツに比べて濃い色だ。なんか旨味が濃縮して美味しそうだ。
俺のお腹もぐぅ~となりつい手が出そうになったが我慢我慢、まずはワン公に食べさせないと、
「ワン公出来たぞ~食ってくれ!」
「おー!何だこれは美味そうだな!食っていいのか?」
さっきまでのふてぶてしい態度がなくなり、可愛げが出た。
「ハハッ、遠慮しなくて良いぞ!卵はまだあるからじゃんじゃん作るから食べてくれ」
「分かった!それでは頂く」
「タクト我の分も忘れるでないぞ」
「はいはーい先生分かってますよ!」
「おー何だこれは!美味い美味すぎる」
「タクトやるではないか!」
ワン公はあまりの美味さに毛が立ち震えて感動している。大袈裟だろ。
先生は親指を立てグットサインとおかわり要求、その小さな身体のどこにオムレツが行っているのか謎である。
さて俺も食うか!一口パクリ、
「うっ………」小さく声が漏れる。
自分で言うのもなんだが美味すぎる。
卵は半熟トロトロ、キノコは苦みが一切なく噛むと旨味が溢れ出る。最高の出来栄え。でもこれは恐らく俺が上手く作れた事が要因ではないと思う。こちらの世界は前世の世界に比べて食材の旨味が多い。俺がちょっと失敗しても美味しく作れそうだ。
全く、オムレツを食ったくらいで生きてて良かった~って思う日が来るとは思わなかった。
「ワン公まだ食うか?」
食べ終わった気のお皿を見つめていたので聞いてみ
ると、皿を加えて渡されたので山菜と一角うさぎの山菜炒めを作り食べさせたら、「ワーン」って衝撃を受けていた。
「さて、そろそろ行くよワン公、お腹一杯になっただろ」
「お腹は一杯ではないが、満足したぞ!」
いや!お前あれから何杯も作って食わせただろ。お前も身体と食べた量の比率合ってないからな!
「おい!お前名前を教えろ!」
「ん?僕の名前か、そういえば自己紹介してなかったな。ボクの名前はタクト宜しくな!」
手のひらを前に出す。
「そうかタクトだな。俺はニキだ!宜しくな」
ニキは前足を俺の手のひらに置く。
ニキちゃん良く出来ました~パチパチ
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