異世界では平穏な生活を目指します!チートスキル『ツールボックス』を活用した平和な国作り

銀塊 メウ

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第20話 可愛いタンクくん16歳

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「タクトくん、ノルンお嬢様、お話を聞けますか?」
 衛兵のおじさんが心配そうに膝をつき顔を覗き込む。

「はい、大丈夫です。だいぶ落ち着きましたから」
 俺は衛兵のおじさんに笑顔で答える。
 そして横では不満そうな顔でノルンが座っていた。

 あの後、俺は部屋に入って来ようとしているノルンを無理やり止めて外に出た。何の説明もせず外に出されたノルンは納得がいかずに怒るが、説明すると静かになり黙ってそばの石に腰掛けた。

「だいたいの状況は分かった。ノルンお嬢様には迎えが来ます。タクトくんは我々の誰かが付き添うから安心してくれ」

「ありがとうございます」
 衛兵のおじさんは周辺の確認のため少し離れた場所に行ってしまった。

「ね~タクトどう思う?」

「おかしい……と思う。ノルンは気がついていると思うけど、ゴブリン達はどうやってこの町に入ったんだ!」

「そう、この町には魔物避けの結界が張られてるのよ。ドラゴンがって言うなら分かるけど、ゴブリン如きが壊せるような結界じゃないわ」

「誰かが手引きしたのかも」
 
「はぁー!?そうな訳ないじゃない!そんな人がこの町にいるわけがないわ!」

 俺の言葉にノルンは驚き、そして怒鳴った!
 ノルンはこの町の事が大好きだ。そんな酷い事をする人がこの町にいるなんて言われれば激怒するのも分からなくはない。

「いや、何もこの町の住人とは限らない。この町にも貿易のためにたくさんの商人や他所から来た冒険者だって来る。疑うべき人はいるよ」

「そ、そうね。怒鳴ってごめんなさい。でも許せないは、どこのどいつよ!そんなヤツ絞め殺してやるわ!」

「もう、ノルンは怖いな~」
 
 気合を入れて犯人を探す気満々のノルンを見て笑って答える。でも俺もこいつを放ってはおけない。父さんや母さん、ノルンに危害は加えさせないためにも。

「ノルンは探すんだよね犯人」
「もちろんよ!探すに決まってるじゃない!」
 ノルンは拳を強く握り締めて誓うように言う。

「そっか、分かった。じゃ~ボクも手伝うよ」
「タクト…………止めないの?」
 ノルンはぽかーんとした顔に変わる。

「どうしたの?いつもだったら危ないからやめようって止めるのに」

「いやだって、ノルンはどうせ止まらないでしょ。一人で動かれても危ないし、それに………」
 
「それに?」

 俺はふと考え込み、ノルンは気になり顔を近づける

「…………いやなんでも……ま~ノルン一人だけだと暴走しそうだし、ストッパーがいないとね!」

「なんですってぇー、私をバカにしたな~」
「あ!いやそう言うつもりでは」
 
 ポカポカとじゃれ合うように俺は叩かれる。こう言う事が普通に出来る平穏な日常を守らないと。


「それでまずはどうするの?」
「そうだな~まずは………にげる」
「逃げる?タクトなに言ってるの」
 
 ノルンは気がついていないけど、かなりの怒気を放っている方があなたの後ろから来るんですよ。

「よ~ノルン大丈夫か、巻き込まれたって聞いて心配して来たぜ!」
「あれ、タンクじゃん、久しぶり」
「おう、ここ最近忙しくてよ。会うタイミングがなくってな!それよりこれを見てくれよ!」
 タンクはポケットから手のひらくらいのカードを取り出す。

「あーこれって冒険者ギルドのカード、もしかしてタンク冒険者になったの~」
 ノルンはカードを手に取り嬉しそうにそのカードを見る。

「お、おうそうなんだオレ……冒険者になったんだ。どうだすごいだろうノルン」

「うん、すごい!良いな~タンク」
 ノルンはカードを空にかざし楽しそうに眺め、その姿を見たタンクは鼻の下を伸ばしてデレデレしている。タンクってゴリラマッチョの怖いやつって感じだったけど、案外年相応16歳の少年なんだな~冒険者に登録して自慢したかったんだ。なんか逆に可愛く見えてきたぞ。

「あ!いけない。つい夢中になっちゃた。タンクカードを見せてくれてありがとう。私達やる事があるからもう行くね」

 ノルンはタンクにカードを渡すとボクのところに戻ってきた。

「タクト~どこに行く?タクトの家でいいかな?」
 俺の手を引っ張り走り出すノルン。

「ノルン、手を離して欲しんだけど」
「え~なに恥ずかしいの~お子ちゃまだな~タクトは!離してあ~げない!ウフフフッ」

 ノルン気がついてくれ~タンクが怒ってるんだよ!

 タンク、お前の気持ちは分かる。だけど出来れば俺をイジメるのはやめて欲しい。………たぶん無理だと思うけど、俺はガックリとしながらノルンに引っ張られ家に帰る。(衛兵のおじさんには話を通して帰りました)


…………▽

「おう、戻ったかタクト……ん!小娘も一緒じゃったか」
 部屋に入るとローム先生が俺の肩に乗る。

「ロームさん、小娘は止めてっていつも言ってるじゃない!」
 
 ムスッとするノルン

「おう、悪いのじゃ、どうしても歳のせいか子供扱いしたくなる。ノルンじゃな。覚えておる」

「うん、ありがとう」
 
「良し、事件の話をしようか」
 俺が言ったことに先生は首を傾げる。

「なんじゃ?なんかあったのかタクト」
「あ!そうだよね~さっきの事だし先生は知らないよな。分かった。先生にも意見が聞きたいし、事件についてまず説明するね。先生実は…………」

 
 それから十分程で先生に説明をして本題に入る。

「やはり気になるのは結界をどう切り抜けたかじゃ、結界を破ったとは考えにくい」

「うん、私もロームさんが言った通りだと思う。もしかしたら結界の何処か不備があるのかも知れない。今確認しているはずだから、それは後で父様に聞いておく」

「じゃ~結界が壊れていれば明日にも分かるか、パルメさんの家は町の外側になるから最初に被害が出やすい。でもそうなったらこれは事件じゃなくて事故になる」

「タクトはそうは思ってないんだよね」
 俺の様子からノルンはまだ何が言いたい事があると感じたようだ。

「ゴブリンっていうのが引っかかるんだよ。あいつ等は頭がそれ程いいわけじゃないけど臆病で用心深い、結界が壊れたところを見つけてもたったの4匹で入って来ないんじゃないかな」

「そっか確かにそうかも」
 ノルンに俺が言いたい事が伝わったみたい。

「ならばタクトが言いたいのはこうか、仮に結界が壊れた箇所があっても誘導した者がいる。つまり事故ではなく事件だと」

「もちろん絶対じゃない、なんの考えなしのゴブリンもいるかも、あくまでも可能性は低いとボクは考えている」

「そうじゃな、事故であれば今回の事で終わりであろうが、やはり情報が足りない。調べる必要があるのじゃ」

「先生の言うとおりだな、明日調べるか」
「えー今から調べた方が良いんじゃい!」
「ダメだよノルン、お迎えが来たみたい」
 父さんが誰かと喋りながらこちらにやって来る。
 ドアをノックして入ってきたのは、

「父様!?」
「バロン様!?」

 この町を治めるバロン男爵だった。
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