22 / 359
第21話 バロン男爵と父さん
しおりを挟む「お父様、なぜこちらに……」
ノルンはバロン男爵に駆け寄る。
「何を言っているノルン、お前を迎えに来たに決まっているだろう。このじゃじゃ馬娘が、危険に突っ込むような事をあれほどするなど言ったはずだが!」
バロン男爵からすごい威圧かヒシヒシと伝わってくる。
「えっと、それはですねお父様……」
ノルンはゆっくりと後退して行くが、突然地面を這って何かが伸びて来た!
「ひぃ~お母様お許しを!」
ノルンは一瞬でムチでぐるぐる巻に拘束される。
「あら、今晩はタクトくん」
「スカーレット様、今晩はです!」
バロン男爵の後ろからスカーレット様が現れる。笑顔を向けているがその笑顔をそのまま受け取ってはいけないとすぐに判断、俺はビクビクする。
「お母様まで来られていたのですね」
「あら、ノルンなんか母が来てはいけないように聞こえたけど気のせいかしら」
「もちろんそんな事はありません!」
ノルンは緊張でガチガチに固まって喋っている。スカーレット様怖いもんな……
「さ~今日は家族3人でお話しないとね!帰りましょう」
「あ~母様、せめて歩かせて~」
ノルンはムチで引きずられ連れて行かれる。
貴族のご令嬢があれでいいのだろうか……
俺は唖然と見ているとバロン様がこちらに来て声をかけられた。
「すまない。娘が毎回迷惑をかける」
あれ?バロン様……
申し訳無さそうにするバロン様
「あの子は好奇心旺盛過ぎていつも渦中の中に飛び込んでしまう。それにいつも付き合わされるタクトくんには本当にすまないと思っている」
「バ、バロン様!そんな頭を下げるような事をしないで下さい。ボクは自分の意志でノルンといるのです誰のせいでもありませんから」
バロン様はニコリと笑って俺の手を握る。
「うん、君ならそう言ってくれると思っていた。やはりノルンを任せられるのは君しか……」
バロン様は片膝をつき俺に目線を合わせ両肩に手を置く。
そこに父さんが来て、バロン様の肩を叩く。
「バロン、その話はまた今度な、やる事がまだたくさん残っているだろ」
「ブラック、今大事な話をしているんだが」
「はいはい、君を待っている人が居るんだ。早く帰るべきだと思うよ!」
「はぁー」バロン様はため息をついて立ち上がる。
「せっかくタクトくんと話が出来ると思ったのだが、貴族とか町長の立場が邪魔をする。な~代わってくれないかブラック」
「出来るわけないでしょバロン様、さっさとお帰り下さい」
「もう分かったよ!みんなが待ってるしな!それではタクトくんまた!」
バロン様は手を振って帰って行った。
いつ見てもなれない、父さんとバロン様の関係、いつもは敬語でしかほとんど喋らない人なのに貴族であるバロン様には今のように気軽に話す。もちろん場はわきまえてだ。幼馴染だからだけって感じが俺の中ではしなかった。
…………▽
次の日
昨日の感じからするとノルンは出てこれないだろうな。調査の件は俺達だけで進めておくか!
「はむ、モグモグ、美味い!」
相変わらず母さんの卵焼きは絶品だ!
俺は朝食を食べながら顔をほころばせる。
ん?父さんの顔色が良くない。
父さんの視線を追うとテーブルに並ぶ大量の料理。
………あ~!なんでまたこんなに~……そうか!
俺は視線をある二人に向ける。
ローム先生に加え新たに大食漢のニキが増えて食費がかさんで父さんは心配しているのか、この量が毎日朝昼晩と続けばそうなるか、これは今日中にこの間の魔物を換金しにいかないと。
本当はゴブリン襲撃事件の調査をしたいところだが我が家の家計がピンチ!なのは見過ごすことは出来ない!魔導ショップへ行って魔石を売りに行こう。
「すいません、魔石を売りに来たんですけど、誰かいらっしゃいませんか?」
店に入るととても狭いところだった、ただし理由は部屋が狭いのではなく。物が溢れるほど置いてあるからだ!
なんだろうこれ?魔法の杖とか魔導書とかが置いてあるならまだしも、なにかの魔物頭蓋骨とかカラフルなロウソク、ムチ、仮面、これって魔法に関係する物なのか?俺は詳しくないから分からんが客を相手にするのにこの状況はいかがなものか…というか早く誰か出てこーい。
「あん…うっせいぞガキ、ぎゃーぎゃー騒ぐな!」
まん丸髭面のおっさんが面倒くさそう出てくる。
「ガキ、ここには飴玉は売ってないぞ!よそ行けよそ」
なんだこいつは商売する気あんのか?ものすごく帰りたいぞ!しかし我慢しないと、これも我が家の平穏のために……
「すいません、飴玉を買いに来たんじゃなくて、魔石を売りに来たんです」
俺は魔石をカウンターに並べておく。
「………な~坊主、どこで盗んだんだ!おじさんこう言うの良くないと思うぞ!黙っていてやるから返してこい」
おじさんは俺が子供だから、どこかから盗んだと勘違い、しかもなぜか優しく諭されたから、なんと答えるか迷う。
「あの~本当にボクが取ってきたんですけど……」
「なに!?………………へー坊主、見かけによらずやるな」
予想外にもおじさんは信じてくれた。
「ちょっと待ってろ。久しぶりの客だから準備してなくてな、金庫どこだ?」
おじさんはゴソゴソと物の山から金庫を探す。
「お!あったあった!それじゃ~坊主二十五個の魔石どいつも小粒で魔力はそれほどだな………一つ三百ウェンの二十五個で七千五百ウェンだ!」
…………う、う~んこれじゃ全然足りないぞ!こんなんじゃ~焼け石に水だ!くそ!こうなったらあれを出すしかないか。
「おじさんこれもお願いします」
ガコンと大きく硬いものをカウンターに置く。
「お!まだあるのか?…………はぁー!?ド、ドラゴンの牙だと~坊主お前これをどこで手に入れた!」
「え、え~っと……どこでしたってけ?」
「坊主ボケとかいらね~こんな物そんじょそこらで手に入る物じゃないぞ!」
おじさんが言うことはごもっともで、きっと王都みたいな大きな町にでも行かなければ手に入らない代物だろう。
「…………………」
「何だ坊主だんまりか………別に構わないぜ!だが出した以上売ってもらう。良いいよな!」
さっきまでやる気のなかったおんさんが目がギラギラとさせて売るように要求してくる。正直さっきまでの対応と違い過ぎて戸惑ったがドラゴンの牙を売って
お金を手に入れる必要がある以上、売るしかない。
「もちろん売りますよ……!?……それは良いんですけどお、おじさんの後ろにいる人は誰ですか?」
売ると言った時、恐らく不機嫌と思われる女性が現れた。なぜ恐らくなのかと言うとその女性は蝶の仮面を付けてはっきりと顔の表情が分からない。それになぜ俺が動揺したかと言うと手にはムチとロウソクを持っていたからだ。なにこの変態?
「あんたいつまで待たせてるのよ!さっさと戻って来んかい!」
「ヒィ!?ブヒーマイハニー」
おじさんはムチで打たれて喜んでいる。どうやら
この世界はドMが多いようだ。
30
あなたにおすすめの小説
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる